第18話 顔合わせ

 今日は小隊メンバーが始めて顔を合わせる。ルーウェンたちは空いている教室を借り集まっていた。


「きみがシェリがいつも話す後輩くんね。私はエリスよ」


 顔が近い。シェリ先輩はどんな話しをエリス先輩にしてるのだろうか。


「頼みを聞いて頂いてありがとうございます。右からメル、イリア、サラ、ケイです」


 お互いに自己紹介をする。


「もしかして、メルさんってあの王子殺しの?」


 学年が上とはいえ、年上のメルにエリスはさんをつけて話した。


「人を殺した覚えはないのですが……」


 自分でそう名乗ったことはないのでやんわり否定する。


「人違いで良かったわ」


 もしそうなら校内で噂の小隊といことになるのでエリスは安堵する。


「本人だよ」


 ハルトが突っ込む。


「えっ、もしかして校内で噂の小隊ってまさか」


「この隊のことだと思います」


 ケイはさらっと伝える。


「シェリ。やっぱなしで」


「エリスちゃん今更困ります」


 シェリも戸惑いはしたものの、引き受けた以上は断れない。すでに申請用紙も出している。


「どうしても?」


「先生に提出したので無理ですよ」


「そんな……ナーシャぁぁぁ」


 エリスはナーシャに抱きついて嘆いた。


「先輩、お願いします」


 どう足掻いても変更が出来ないのはわかっているがルーウェンは形だけでも頭を下げる。


「無理よ」


「攻撃隊に加わらないでいいですから」


「絶対?」


「断言は出来ませんがそのように動きます。あと小隊長ですが先輩方からお願い出来ませんか?」


 シェリたちは気にしないだろうが下級生が小隊長というのは体裁が悪い。3人は顔を見合わせたが首を横に振っている。


「私がやります」


 少し考えて、シェリは自分でやると決断した。2人を巻き込んでしまった責任がある。


「ありがとうございます。そこにいるハールがサポートしますのでご安心下さい」


 ハールはシェリに会釈をする。それから細かい役割りを決めた。小隊長シェリに副官兼作戦参謀のハール。その護衛名目でエリス、ナーシャ。偵察隊にルーウェン、イリア。攻撃隊にメル、サラ。遊撃隊にハルト、ケイ。


 作戦はメルとサラが突撃して側面からハルト、ケイで蹴散らす。1人1人に小隊を堕とせる力量があり4人いるので中隊級の戦力がある。ほかの生徒たちが束にならなければ問題ないだろう。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る