春休み、そしてアイドル
春休み
私は体育祭を機に里実、杏菜、穂乃美と仲良くなった、学園祭では一緒に周り、よく学校帰りに5人で出かけたりしていた。だが終業式で会えずにいた。
1人ずつ連絡していたら手間がかかるし待っている時間も生まれるなと感じていた。どうしようかと優姫に尋ねた。
それならグループラインを作って招待したら?
なるほど、その手段があるか。誰が見て誰が見ていないか分からないが何人見たか分かるし、どこか行こうと提案したらいいよ、今日はこっちに行ってみようよと言い合えると思うと利便性があるなと感じた。
私は優姫、里実、杏菜、穂乃美をグループ招待した。
そのグループ名は「食いしん坊クインテット」
早速杏菜から連絡来て食いしん坊クインテットってどういうことなの?もっと他の名前あったでしょ?
私は杏菜に食べること好きでしょ。ならいいと思うけどな。
後から入ってきた里実が1番の食いしん坊なのは萌恋でしょ。私たちまで巻き込まないでと笑顔マークとともに送られてきた。
次に穂乃美が入ってきてこのグループ名ということは食べることしかしないってことなの?
グループ名を付けた私はそんな事ないよ。食べること以外にそれぞれの家に行ったり、趣味を語り合ったりするつもりだよ。
最後に優姫が入ってきてグループ名、萌恋らしい名前だねと淡白なコメントが送られて来て、これで5人全員がグループ内に参加することになった。
食いしん坊クインテット初のお出かけ、私はどこに行こうかと考えていた。
私は商店街巡りをしようと提案した。
優姫はちなみに萌恋、どこを周るの?
そうだね……、鎌谷商店街と双葉緑地商店街には行こうかなと思うけれど他はまだどこに行こうかなって感じ。里実、杏菜、穂乃美の近所に商店街ってあったりする?
里実はないよ。杏菜はないよ。穂乃美はあるけれどシャッター街だから行っても仕方ないよ。お役に立てなくてゴメンね。
私はどこにでもあるわけじゃないから謝る必要ないよ。商店街は調べてまたグループラインに送るね。
ふと日本一長い商店街ってどこだろう?近くにあるならいってみたいな。掘り出し物や数々のグルメに出会えるチャンス。善は急げと検索をした。
「
大商店街ってどういう事?私はその言葉にそそられて京神大商店街について調べた。
京神大商店街とは神奈川県と東京都にまたがる商店街で神奈川県の湊森駅が最寄りの1丁目から東京都の15丁目の最寄り駅の京神駅までの全長5キロに渡る商店街となっていると掲載されていた。
よし、京神大商店街は行くとして他の所をどこにするのか再び商店街について調べることにした。
別の商店街を調べると私の住む神奈川県、高校の近くには鎌谷商店街を含めて多数の商店街が見つかった。私は商店街巡りのために家やホテルに泊まってもいいが周りのことを考えると気を遣う。そうなるとあまり遠くない所を見つけないと。
もう少し絞って調べていると京神大商店街、鎌谷商店街、双葉緑地商店街、楠樹商店街、咲道商店街に行こうと決めた。この範囲なら1日で周れる、はず。
私はグループラインで京神大商店街、鎌谷商店街、双葉緑地商店街、楠樹商店街、咲道商店街の順番で周りたいと送信した。
杏菜からラインに萌恋がいったことのない商店街はあるのかと聞かれた。
私は京神大商店街、楠樹商店街、咲道商店街は行ったことないしネットで名物グルメ調べるのもいいけれど現地行って見つけた方が楽しいかなって考えているよ。
その後、里実からラインで商店街が距離的に近いけどどうして?
私は泊まりがけでもいいけれどみんなにそこまでさせたら申し訳ないかなって思ってさ。
杏菜は里実の言うとおりだよ。みんなで趣味を共有しようよ。だから萌恋、そんな気にしないで。提案してくれた商店街全部制覇しようよ。
私は里実、杏菜ありがとう。みんなも趣味でここに行きたいとかあれば遠慮なく提案してね。
すると穂乃美は秘かにハマっているのがストロベリーカーニバルっていう女性アイドルだけど知っている人いるかな?
優姫は知っているよ。去年の夏にあった双葉緑地公園でやっていた萌恋と一緒に行ったよ。かわいい衣装着た女の子たちが歌って踊っている姿に感動したよ。
穂乃美はそのライブ観に行ったよ。杏菜、里実の3人で行ったよ。その後握手会してたよね。なんだあのライブに5人ともいたのか。萌恋も優姫もいたのなら声をかけてくれればよかったのに。
私は知らなかっただけで同じ現場にいたとは。握手会終わった後に優姫と一緒にそのまま双葉緑地商店街に行っていたからさ……。ゴメンね。
里実はじゃあ日時はどうする?
私はいつでもいいよ。みんなの予定に合わせるよ。
他の人も春休みの予定はなく、明日の午前9時、学校に集合することにした。
翌日、みんなどんな服装で来るのかと思っていたら全員同じだった。それも制服で来た。
優姫はなんでみんな制服で来たの?
私を含めて4人は口を揃えて「かわいいから」
杏菜はそんなことよりも萌恋、まずはどこの商店街から行くの?
まずは日本一長い商店街、京神大商店街に行こう。5人は電車に乗って最寄駅の京神駅に向かった。
電車を降りて商店街を歩いた。チェーン店がいくつも立ち並び古着屋やオリジナルハンバーガー等いくつものお店が密集していた。
穂乃美は私に声をかけた。ねえ萌恋、古着屋に寄ってもいい?
私はいいよ。寄って行こうかと5人で入るとこの服かわいい〜、あれもこれもこの服とかにあっていると思う?そんな話をしていて古着屋に1時間ほどいた。
再び商店街に戻り、ハンバーガーを食べて雑貨屋に寄り、名物3丁目名物、チーズから揚げを5人で食べていた。
里実、杏菜、穂乃美の3人はは商店街をゆっくり周ったことなかったけれど1つ1つ特色があって面白いね。萌恋、ありがとう。
そう言ってもらえてよかった。でもね、3人ともまだ半分も来てないよ。時間はまだまだあるからゆっくり見て行こうと伝えた。
歩いているも「ぐぅ〜」私のお腹が鳴った。
里実は今、萌恋のお腹が鳴ったよ。さすが食いしん坊クインテットの第一人者だね。そろそろお昼だし何か食べようよ。
私は口をすみませんね。拗ねて口を膨らませた。
そして穂乃美はある看板を見つけた。
4丁目名物、カルボナーラパスタだって。あのお店に入ろうよ。5人でイタリアンのお店に入った。
穂乃美はみんな何食べる?萌恋、メニューが重複してもいいの?
何で私に聞くの?重複してもいいけれどせっかく5人いるなら違うメニュー頼めば5種類の味を楽しめるのかなって思うけれど。全部私に仕切っている感じだけどみんなが食べたい物を食べたらいいと思うよ。
里実はナポリタンにする。穂乃美はどうする?
シーフードピザにしようかな。杏菜は?
たらこパスタ美味しそう。優姫はどうする?
炙りベーコンパスタにする。萌恋はカルボナーラでいいかな?
ちょっと優姫、私にも聞いてよ。たしかにカルボナーラ食べようとは思っていたけどさ……。
優姫はいつも萌恋名物とか代名詞と呼ばれる物食べる傾向にあるから譲ってあげようかなって思って。それに取り皿もらってシェアすればいいし。
ちょっと優姫、その言い方だと私が悪いみたいじゃん。それなら優姫がカルボナーラ頼めばよかったじゃんと口を尖らせて拗ねつつタブレットで注文をした。
ねえ里実、杏菜、穂乃美今の萌恋の口見た?めっちゃ女子だし、あざとい感じがスゴイよね。
わちゃわちゃしているとパスタが届いて取り皿にパスタを入れて1人ずつ配った。
杏菜はさすが萌恋。女子力高いね〜。みんな、そう思わない?
口裏を合わせたようにみんなで萌恋、女子力高いね。
里実は萌恋、それは私たちにじゃなくて男の子にした方がいいと思うよ。食いしん坊あざとかわいい女子として披露しなよ。
私はその訳の分からない変なあだ名やめてよ。女子力高いって言っているけれど5人でシェアするためにみんな違うメニュー注文したからみんなも早く取り分けてよねっ。
私以外の4人はパスタを取り分けて5種類の味を楽しみ、お腹がいっぱいになってお店を出た。
商店街に戻り6丁目、7丁目を越えると川を越えると神奈川県と表示板が立っていた。
優姫はここからが神奈川県で8丁目になるのか。やっとこれで半分来たのか。日本一長い商店街っていうだけあってやっぱり長いね。
穂乃美は萌恋、ちょっといい?どこかで休まない?
私は穂乃美どうしたの?そうだね、歩き疲れたよね。どこかにカフェがあったら寄ろうと伝えた。
だが8丁目から15丁目まで居酒屋はあるがカフェや喫茶店すら見当たらない。せめてどこかベンチでもあればな……。
そして気がついたら京神大商店街から出た。
優姫は何かをスマホで調べていた。
杏菜は優姫、何調べているの?
歩き疲れたからどこか休めるカフェがないかなって思って。ん?ここからそんな近いの?杏菜、後10分に美味しい洋菓子屋あるけれど歩ける?
杏菜はうん、歩けるよ。優姫その洋菓子屋、そんな好きなの?
好きってレベルじゃない。ここのシュークリームやプリンを食べたらクセになるし何度も食べたくなるような感じだよ。ね、萌恋。
えっ、私?優姫が今から行こうとしているのってラドールなの?知らなかった。
実は私の住む浦川駅とは違う路線だが湊森駅も近くて自分の家の近くに京神大商店街があることを改めて知った。
私たち5人はラドールについた。今日は私のワガママに付き合ってくれてありがとう。好きな物1つご馳走するよ。
優姫は1人目の色を変えた。よし、全部払うから全種類買おうまだ全制覇出来てないからさ。
じゃあ私がご馳走するっていうのは……。
優姫はそれはまた今度でいいよ。シュークリームやプリンどれを食べても美味しいから食べて欲しいな。
穂乃美は優姫の熱い思いは伝わってきた。でも全種類買っても5人では食べきれないから自分たちでそれぞれ買うからさ。優姫、どれがオススメ?
王道なのはシュークリームかな。プリンだとイチゴプリン、抹茶プリン後はキャラメルプリンはマストかな。それ以外にも色んな味があるよ。
穂乃美は抹茶プリン、里実はキャラメルプリン、杏菜はキャラメルプリン、優姫はシュークリームで私はカスタードプリンを注文した。
5人は2階にあるカフェコーナーに向かった。ラドールで初めて食べた里実、杏菜、穂乃美はこんな美味しいプリン食べた事ない。萌恋はよく来るの?
よくって程じゃないけれど家から近いからたまに来たりするかなって感じかな。この辺りは何もないからラドールが目につくって感じかな。
3人は口を揃えていいな〜、萌恋が羨ましいという声が挙がっていた。
優姫はラドールで食べたいものがあったら萌恋にお願いしたらいいと思うよ。
私にはそんなにお金がありませんと言っていると日没になり、また5人で遊ぼうねと私はそのまま家に帰っていった。
別の日に行けなかった楠樹商店街、咲道商店街、双葉緑地商店街等を5人で巡っていたがホントならアイドルのライブ等に行けたらよかったがこの期間、ライブをなっていなかったため、断念して春休みが過ぎていった。
2年生
2週間の春休みが終わり、久しぶりの学校にやって来た。今年は誰と同じクラスなのか、また5人で同じクラスになれたらいいのになと思いつつ2年生のクラスが貼りだされている窓を眺めていた。
杏菜は私に声をかけた。
「萌恋、おはよう。今年も同じクラス?」
ちょっと待ってね……。私は1組で優姫と同じクラスで杏菜は3組だって。穂乃美と里実が2組だって。
そっか……。今年はみんなクラスばらばらになるって寂しいね。3年生の時には同じクラスになりたいね。
私は杏菜にまだ2年生になったばかりなのにもう来年の話しているの?早いね。寂しいっていうけれど何のためにグループラインがあるの。違うクラスでも予定を決めておけば5人で遊びにいけるでしょ。
杏菜はしばらく黙った。さすが萌恋、そうだよね。グループラインで遊びに誘えばいいよね。その発想なかったよ。
私は杏菜に何かあったらグループラインで送ってねと伝えて新しいクラス2年1組に向かった。
教室に入ると既に優姫がいて萌恋、おはよう。また同じクラスになれてよかったね。
ホントそうだね。さっかしたで杏菜にあったけれど同じクラスになれずに寂しがっていたよ。でもクラスは違ってもグループラインに入っているから何かあれば連絡してって伝えておいたよ。
里実と穂乃美も同じこと思っているのかな?
私はスマホを見るとラインか届いていた。里実、穂乃美も同じクラスになれずに寂しいってさ。
優姫はだって体育祭以降、どこに行くにしてもずっと5人で動いていたからね。萌恋はもし同じクラスになれていなかったら寂しかった?
そりゃあ入学式の時から一緒の優姫と同じクラスになれなかったら寂しいけれど何かあればグループラインや個人ラインでやり取りすればいいかなって思うよ。
すると里実からある提案がグループラインに送られてきた。
春休みには出来なかったけれど毎日誰かの家に行って遊びに行くっていうのはどうかな?それぞれ予定もあると思うからその際は要相談で。
私はいつでもいいよ。今日は誰の家に行くの?
杏菜は勿論言い出しっぺでもある私の家で。授業が終わったら下駄箱に集合で。
私は了解と伝えた。始業式を終えて私は優姫と共に下駄箱で待っていた。しばらくして穂乃美、里実がやって来て最後に杏菜がやって来た。
杏菜は5人揃ったことだし家に行こうと学校を後にして歩いて5分、ここが私の家だよと足を止めた。
優姫は思わず杏菜、学校から近いね。
私がこの学校にしたのは家から近いっていうのもあるけれど1番の理由は制服がかわいいからかな。狭い家だけどゆっくりしていって。
私たちは杏菜の家に上がって部屋に案内をされた。杏菜はリンゴジュースとクッキーを持ってきた。
里実はこの前京神大商店街からラドール行って思ったけれど萌恋って学校行くのにどれくらいかかるの?
電車で20分くらいかな。この前は歩いたから遠く感じたけれど電車だったらそんな遠くないよ。
穂乃美は毎日通うの大変だね。優姫はどこに住んでいるの?
錦城っていう所で電車で30分前後かな。何もないけれど遊びに来た時は少しばかりおもてなしをしようと思うよ。
杏菜は錦城……?優姫、錦城ってあの高級住宅地といわれている錦城……だったりする?
優姫はうん、そうだよ。錦城に住んでいるっていうとみんな同じ様な反応するけれどそこに住んでいるだけでスゴいのは私じゃなくてパパやママのおかげでそこに住めているだけだからね。
3人はそっか……。優姫って謙虚だね。
杏菜は少女マンガで読みたいものあればどうぞ。穂乃美とは小中高一緒で幼馴染だからすぐに移動出来るよ。
私はせっかく杏菜の家に来たから少女マンガ読んでお喋りしようよ。学校から近いなら穂乃美の家には今度行かせてもらおうかな。
そして5人で少女マンガを読み漁り陽が暮れて穂乃美はじゃあ明日は私の家に来てよと杏菜の家を出た。
翌日、授業後に杏菜の家に引き続けて穂乃美の家に向かった。穂乃美の家は杏菜の2軒隣で家にお邪魔をさせてもらった。
穂乃美は部屋に案内してみんなが好きそうな物があるか分からないけれど。穂乃美の部屋には沢山のぬいぐるみが置いてあり、4人でこれこそザ女の子の部屋だねと盛り上がっていた。
穂乃美はオレンジジュースとチョコレートを持ってきた。優姫はぬいぐるみが沢山あってかわいいね。杏菜の家みたいに少女マンガがあれば時間も潰せるだろうけど私の部屋にはそんな物がなくてゴメンね。
私は穂乃美に尋ねた。
穂乃美が普段していることって何?
するとお菓子作りだよ。よかったらみんなでする?
杏菜はお穂乃美お菓子作りするって始めて知った。いつもお店のやつを食べているけどたまには自分たちで作ろうとお菓子作りをすることになった。
みんなで作っているとあっという間に時間が過ぎて食べる頃には午後7時になっていた。
穂乃美はこんな時間になるなら最初からお菓子作り好きでみんなに誘えばよかったね。こんな時間になっちゃってみんなゴメンね。
私は気にしないでいいよ。次は萌恋の家に行ってもいいかな?
私はう、うん別にいいよ……。この前京神大商店街やラドールしかないよ。ウチの部屋行っても何もないよ。
杏菜や穂乃美は怒った。私たちの家に来ているのに萌恋は家に入れてくれないなんてダメだよ。私はじゃあ明日はウチに来て。ホントに何もないよ。
こうして翌日、みんなが私の家に遊びに来ることが決まった。帰りにラドールのシュークリームを5個買って帰りパパとママに明日友達が来るからシュークリーム食べないようにと念押しをしておいた。
翌日、授業後に校門で合流して鎌谷駅から電車で浦川駅で降りた。ねえ萌恋ラドールのシュークリーム食べたいから寄ってもいいかな?
私は優姫がそういうと思って昨日の帰りラドールでシュークリーム5個買って家族にも友達が来るから食べないようにと念押ししてあるからご安心を。
穂乃美は優姫に尋ねた。
萌恋が昨日やたらと家に来ること拒否していたけれど優姫は萌恋の家に行ったことってあるの?
うん、勿論だよ。私も昨日聞いていてどうして拒否しているのか分からないな。アイドルのライブ映像や写真、応援している本宮皆実ちゃんのグッズとか沢山置いてあるよ。
家に着く前に私の部屋にあるものを優姫に暴露されて間違いではないため否定もせずそのまま家に着いて上がってもらった。みんな私の部屋で待っていて。シュークリーム持ってくるね。
私は冷蔵庫からシュークリームとアイスコーヒーを持って自分の部屋に向かった。
杏菜はホント萌恋って本宮皆実ちゃんが好きだって始めて知った。ポスターやカレンダー、タオルまで皆実ちゃん1色だね。
この家で、いやこの部屋でみんな何するの?
穂乃美はスマホであることを調べていた。ねえ萌恋、ストロベリーカーニバルのラジオやっているからみんなで聴こうよ。
私の部屋で1時間、女の子5人が何も喋らずイヤホンをして同じラジオを聴いて部屋にいるというシュールな光景となっていた。
ラジオが終わり私は4人に尋ねた。この後どうする?
里実は皆実ちゃんもかわいいけれど他の子も気になるとネットで調べ始めた。
私は里実だけかなと思っていたら穂乃美、杏菜、優姫みんなして調べ始めて皆実ちゃん以外の子もかわいい〜。
優姫は城河紗帆ちゃんもかわいいよと言うと3人は一斉に調べ始めライブあったら観に行こうね。里実は明日は私の家に来てと浦川駅に見送りに行き電車に乗って4人は帰っていった。果たして私の家に遊びに来てよかったのかと思っていた。
杏菜の提案で始まった友達の家に巡って気がつけば木曜日、今日は里実の家に行くことになっていた。
授業後に下駄箱で待ち合わせをして電車に乗り湊森駅に向かった。私は湊森駅って京神大商店街の近くじゃん。ってことは里実は商店街のこと知っていたの?
いや、灯台もと暗しじゃあないけれど近くに住んでいながらこの前京神大商店街に行ったのが始めてだよ。そんなことより私の家に行こうと案内された。
駅から5分、里実の家に着いて家に上がった。
里実は私たちをリビングに案内をしてプリンを渡した。私は里実、どうしてリビングなの?
それは私の趣味がアニメ鑑賞だから。部屋に行ってもアニメグッズしか置いてないからそれならここで録画したアニメを観てもらった方がいいかなって。
杏菜はそういう事ね。それで里実のイチオシはなんてアニメなの?せっかく見るならそれにしよう。
里実はリモコンでアニメ、子犬物語を再生した。
5人でプリンを食べつつアニメの子犬がかわいく健気な姿に癒されていた。かわいすぎて同じ回を見てを繰り返していた。
あまりにも同じものを見ていて里実は他のアニメも見る?さすがにずっと同じものだと飽きるでしょ?
杏菜は里実にこのかわいさに飽きなんてこないよ。陽が暮れるまで果たして何回見たか分からない程見ていた。じゃあ明日は優姫の家に行っていい?
優姫はん〜……明日よりも土曜日の方がいいかな、午前10時に学校集合でお願いね。
私はこの時、最後に優姫の家に行くってなると里実、杏菜、穂乃美は一体どんな表情をするのか、初めて私が優姫の家に行った時と同じようなリアクションするに違いない。
そして土曜日、優姫に言われたとおり私たちは午前10時に学校に集まった。優姫は電車に乗って錦城に向かった。
電車を降りて錦城を歩いていると杏菜、穂乃美、里実の3人は周りの光景を見てスゴい家ばかり立ち並び目が点になっていた。
そして優姫は足を止めてここが私の家だよ。
3人は上を見上げて驚いた。
「ここは家なのか?ここは城なのか?」
優姫は裏道から家の前に行って玄関を開けた。
あ、みんな靴を脱がないで土足でいいよ。
3人は口を揃えていや〜、スゴいね.……。もはやスゴいって言葉以外出てこないよ。杏菜は優姫の部屋はどこ?
優姫はこっちがファイヤーフェアリーを置いている部屋、そしてこっちがアニメグッズやスポーツ関連グッズをおいてある部屋で隣が普段私の寝室だよ。
そういえばこの前、里実の家で子犬物語見たでしょ?この家でも犬を買っていて見て行ってよ。子犬じゃなくてゴールデンレトリバーで大きい子だけどね。
里実は是非とも見たい。ワンちゃんに会わせて。
優姫はペロちゃんの部屋に案内をした。ここの部屋にゴールデンレトリバーがいるよ。
ドタを開けると私に飛びかかってきた。顔をペロペロして何だか前よりも懐かれてあるような気がした。
杏菜、里実、穂乃美の3人は人懐っこい子だね。優姫、この子の名前なんて言うの?
今の萌恋みたいにこうやってすぐに飛びかかってすぐに顔をペロペロするからペロちゃんっていう名前にしているよ。
3人は揃って「かわいい〜」ペロちゃんの頭を撫でるとシッポをフリフリして顔をペロペロしだした。
みんなでペロちゃんをかわいがっていると内線がなった。優姫が内線を取ると客間に来るように促された。
優姫はみんなそろそろお昼だし客間に行こうと移動をした。今日のお昼、中華バイキングでいいかな?
穂乃美は中華バイキングでっていうと……?
この家では専属のシェフがいてお客さんが来た時にはおもてなしをするためにシェフを呼んでいるの。
3人はポカーンとした顔で優姫について行くように客間に向かった。
優姫が客間を開けると優姫ちゃん、萌恋ちゃんお久しぶり。今日は友達が多くて賑やかだね。みんな好きなだけ食べていってね。
穂乃美は私に声をかけた。
ちょっと萌恋、親しげに話していたけれど誰?
あの人は中華料理の専属のシェフの本田さん。から揚げやギョウザ、チャーハンと何を食べても美味しいよ。
私たちは天津飯やチャーハン、ギョウザにエビマヨ、から揚げとたらふく食べてお腹いっぱいになった。
私は本田さんにいつも美味しい料理をありがとうございますと伝えるとこちらこそいつも美味しそうに食べてくれてありがとう。
里実、杏菜、穂乃美が驚いたのは勿論のことだが私も優姫の家に来ているが何度来ても慣れるということはない。
進路相談
中間テスト、期末テストともに優姫は1位で満点を取っていた。私はというと1年生の頃と同じくらいの点数と順位で進学をするにしても就職するにしてもある程度自分で選べる立場にいた。
2年生になり、私はそろそろ進路を否応なく決めなきゃならずどうしようかと考えていた。そして机に肘を付いてため息をついていた。
こんな私を見かねた優姫は私に声をかけた。
萌恋、どうしたの?何かあった?
進路相談で担任の先生に早乙女ならある程度の大学に進学できるからなって言われてさ。ある程度ってなに?ある程度の大学ってどこだろうな〜って?
さっき先生とそんな話をしていたのか。ねえ萌恋、前に2人でアイドルになろうっていう話をたの覚えている?
私はうん、覚えているよ。っていうか2人ともオーディション受けて私は書類審査、優姫は最終審査までいったけれどダメだったじゃん。
そこで萌恋、もう1回オーディション受けようよ。ファイヤーフェアリーのオーディションはないけれどストロベリーカーニバルのオーディションは今年の秋にあるからその結果で進路をどうするか決めようよ。
その話を聞いて私は優姫、一緒にまたアイドルを目指そう。ダメならダメで進学するか就職するかその時考えるようにするね。でもさ、前と同じ事をしていたらダメだと思うけれど何か対策しないと難しいと思うけど。
それは勿論だよ。オーディションが始まってからじゃあ遅いからその前から色々と準備しよう。その辺は私に任せておいて。
この時優姫は何かを企んでいるなと感じていた。
私はグループラインで宣言した。
「早乙女萌恋と如月優姫はストロベリーカーニバルのオーディションを受けます」
すると里実、杏菜、穂乃美から私たちには何も出来ないけれど応援しているよ。合格出来るように頑張ってね。
優姫、これで後には戻れない。オーディションが始まってから何かをしてからでは遅い。今度こそ一緒にアイドルになろう、食いしん坊姉妹で旋風を起こそうよ。
萌恋、それには血の滲むような努力がいるけれど大丈夫?半端な努力じゃ受からないし仮に受かってもその先がないよ。
勿論そのつもりだよ。まず書類審査通ってからの話だけどね。ヤバい、優姫を怒らせちゃっかな……?
優姫はクスッと笑ってたしかにそうだよね。書類審査通らなかったら元も子もないよね。今の話はあくまでも書類審査を通った時の前提の話ってことで。
じゃあ今日から私の家で特訓するよ。夜遅くまでやる予定だから帰りは毎日家まで送るようにするからさ。
2人で優姫の家に向かった。
私はどこで練習するのかと思っていたらペロちゃんの部屋で練習する事になった。優姫にここで練習するってなったらペロちゃんはどうするの?
人懐こくて大人しい子だからしばらくの間は佐藤に見てもらおうかなって思うよ。
なるほどね……。優姫、所で特訓って何するの?
元アイドルだった叔母の小野寺浩子のツテでダンスの先生と歌の先生をお願いしてあるからさ。すみません、先生方お願いします。
そして2人の女性が部屋に入ってきた。
1人は数々の歌手を世に送り出したジョー広川といくつものアイドルをプロデュース、ダンスの鬼と呼ばれるロマン鬼本の2人だった。
早速、練習に取りかかりまずはダンスの基礎や発声練習をしてこの日の練習は終わった。慣れないことを長時間していた私たちはリムジンに乗り込むとペロちゃんも一緒に乗ってきた。
私と優姫はどうしたのかねと話していると舌を出して撫でて欲しそうなキョトンとした目をして私たちに訴えていた。
私はペロちゃんの頭を撫でると手をペロペロしてくれて癒されていた。家に着いて優姫とペロちゃんに別れを告げてリムジンを降りた。
夏休みに入ってからはパパとママに許可をもらい優姫の家に泊まらせてもらい夜通し練習をしていた。
夏休みが終わる頃にはジョー広川とロマン鬼本からも最初と比べたら2人とも見違えるほど上手くなった。ここで終わりでもいいけれどもっと上を目指すならば最終審査までするけれどどうする?
私と優姫は最後までお願いしますとお辞儀をした。
オーディションの受付日が決まり、私たちは初日にネットから応募した。
私は優姫に書類審査の結果はメールで届くの?
うん、そうだよ。書類審査で通った人は次の審査と日時が送られてくるみたい。全員に合否を送るのが大変だから書類審査を通った人にしかメールが来ないみたいだよ。
なるほどね、ひとまず結果待ちだね。
受付終了から1週間後、私と優姫のスマホにメールが届いた。書類審査通過で1次審査の日時が送られてきた。
9月、1次審査の日になり私と優姫は会場に向かい歌唱力審査で当日結果が発表されて2次審査に進むことが出来た。2次審査は2週間後で同じ会場で行われることが通達された。
2週間後、2次審査はダンス審査が行われて結果はこの日に通達されず後日、最終審査は進む人にメールで日時が送られると伝えられた。
2次審査から1週間後、私のもとに最終審査のメールが届いて早速、優姫にラインした。
私、最終審査に行けることになりました。優姫はどうだった?
私も最終審査に行けるよ。萌恋、やっと最終審査まで来たね。泣いても笑っても最終だから自分の出来ることをやりきろうね。
そして最終審査迎えた。当日は選考に残った50人が1箇所に集まって自分の好きな曲を1曲、歌って踊るという審査で私と優姫は息が切れるくらい全力で歌って踊りきった。
合格者には自宅に必要な書類を郵送致します。
私は優姫にこれでやれることは全てやり切ったね。後は結果を待つだけだね。
優姫はそうだね。何か甘いものでも食べに行こうよ。ラドールのシュークリーム食べよう。
優姫、ホントラドールのシュークリーム好きだね。いいよ。じゃあラドールに行こうか。
しばらくの間、私と優姫はシュークリームを自粛していて久しぶりに食べると美味しさはひとしおだった。
優姫は合否分かり次第、お互いに連絡してね。
私は勿論だよ。早く結果来てほしい。待つ時間が長いと気持ちがしんどいからさ。
最終審査を終えた私と優姫は結果を待っていた。
私は結果を待つだけだと思いつつも合格通知が家に届いていないかソワソワしていて落ち着かずにいた、
授業が終わり私は一目散に家に帰った。肩で息をして家に帰ってママに尋ねた。
私宛の書類、……って届いていない?
ママは届いていたから萌恋の部屋に置いたよ。
自分の部屋に行ってハサミで封を切った。
「早乙女萌恋 合格」
私は思わず興奮を隠せず家に響きわたる声でやった〜と叫んだ。
リビングに戻ってママに私、アイドルになれたよ。
ママは私の頭を撫でておめでとうございます。パパにも伝えてあげないとね。
パパが帰ってくる前に優姫に知らせようと電話をかけた。
もしもし優姫、今電話大丈夫?
うん、大丈夫だよ。萌恋が電話かけてきたってことは合格したの?
そうだよ。それで優姫はどうだったの?
私ね、実は……。
えっ、優姫まさかダメだったの?ゴメン。
私の所にも合格通知届きました、これで2人ともアイドルになれるよ。
ちょっと優姫、落ちたかと思ってビックリしたじゃん。自分だけ受かってテンション上がって無神経なやつかと思った。
ゴメンゴメン、萌恋は素直ですぐに信じるタイプだからつい揶揄いたくなっちゃってさ。でもこれで食いしん坊姉妹の始まりだね。
優姫、ここからは心友でもありライバルでもあるからね。私、優姫に負けないように頑張る。
そうだね萌恋。お互いに切磋琢磨しようね。後、里実、杏菜、穂乃美にも伝えないとね。きっと3人も私たちの結果を気にしていると思うからさ。
うん、そうだね。グループラインに送るよ。あまり長電話していたら悪いから電話切るね。
パパが帰ってきてママから何かおめでたい事があるって聞いたよ。今日は焼肉食べに行くからその時に聞くねとパパはスーツから私服に着替えて車で近所にある焼肉屋に向かった。
私のスマホがピロン、ピロンと立て続けに鳴っていた。何だろうとスマホを見ると穂乃美、里実、杏菜から労いのラインが届いていた。
「2人ともおめでとうございます」
「ここまで頑張ってきた賜物だよ」
「握手会があったら2人に会いに行くね」
私は3人のコメントを見て涙を流して改めて自分のため、ファンのため、心友のために頑張ろうという思いだった。
3名でお待ちの早乙女様と呼ばれて席に着いた。
注文をしてバパに私、アイドルになることになりましたと伝えた。
パパは夏休みの間、優姫ちゃんの家で一生懸命頑張っていたからね。おめでとうございます。萌恋も分かっていると思うけれどこれからは優姫ちゃんをはじめ、ライバルが多いよ。パパとママは萌恋の1番のファンだからね。
私は再び涙を流した。
パパ……、ママ……。ありがとう。2人の子どもに産まれてきてよかったです。
パパはちょっと泣かないで。親が子どもの夢を応援するのは当たり前だよ。ママはパパの言う通りだよ。こちらこそ私たちのもとに萌恋が来てくれてホントによかったって思うよ。
私は家族や心友の絆を感じた1日だった。
これからはストロベリーカーニバルの一員、早乙女萌恋として歩むことになる。
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