一大イベント
体育祭
私と優姫はアイドルのオーディションを受けたものの今回はダメで次に向けて進むことにした。
私たちは普段通り学校帰りに商店街やラドールに行ったり互いの家に行き来するような生活をしていた。
ねぇ優姫、秋といえば学校行事で盛り上がる時期だけど直近だと何があるの?
萌恋、何も知らないの?自分で調べなよ。
私は調べるってどうやって調べるの?
掲示板見たりスマホで学校のホームページに年間行事とか載っているでしょ。それに知らないのなら私以外にもクラスメイトがいるから聞けばいいと思うけどな。
私は学校のホームページで年間行事を調べると1ヶ月後に体育祭、その1ヶ月後に学園祭が行われると再認識した。
女子校の体育祭ってどんな感じだろう……。優姫、絶対に盛り上がると思わない?
うん、思うよ。所で萌恋は何の競技に出るの?
そうだね〜……。何も決めてない。何の競技があるかまだ分からないし運動が得意じゃないから喧嘩してどうしてもその競技に出たいって感じでもないからみんなの意向も聞いて体育祭に出るからには1位を目指さないと。
萌恋、そんな運動苦手だっけ?体力測定、球技大会や体育の授業を見ていてもそんな感じしないけどな〜。
ホント?優姫、ありがとう。どんな種目があるけれどお互いに出る種目で1位になれるように頑張ろうね。
授業後のホームルームで学級委員が体育祭の種目を書き出して挙手制で決めようと提案し、やりたい競技が重複した場合はじゃんけんで決めます。成績に関係なく1人1種目には出てもらいます。
書記係は一通りの種目を書き出した。
そこにはなんと二人三脚と種目があり、私と優姫は目が合った。重複したらじゃんけんになるのか。じゃんけんになることを避けたいが重複した場合は仕方がないという気持ちだった。
それでは二人三脚やりたい人いますか〜?
私と優姫は手を挙げて周りを見渡した。
二人三脚は早乙女さんと如月さんにやってもらいます。私は優姫と二人三脚が出来ると胸を撫で下ろした。
その後も順当に種目が決まっていって最後にリレー種目を残すだけになった。しかしリレーといえば体育祭の花形種目でもあり、みんな萎縮していた。
誰も手を挙げずにいてリレーメンバーが決まらずこれでは埒が明かない。そこで学級委員はある提案をした。
それは1人ずつ体力測定で50m走のタイムを言うように提案した。私は8.5秒で他の人の話を聞いているとよっぽどのことがない限り選ばれないだろうと思っていた。優姫は7.8秒でリレーメンバーに選出された。やっぱり優姫はスゴいな、クラスが1位になるように私は応援するだけだと他人事でいた。
しかし学級委員のある言葉に私は驚愕した。
基本的にはこのメンバーでいきますが体調不良や当日走れない可能性も考慮して補欠メンバーも予め用意しておいた方がいいと思います。そこで補欠メンバーとして早乙女さんにお願いしたいです。
私は思わず立ち上がりえ〜補欠メンバー!?私でいいの?
クラス中にいいよ、お願いしますとこだました。
「キーンコーンカーンコーン」
学級委員はではこのメンバーで登録しておきます。リレーの補欠メンバーである早乙女さんは当日変更してもらい走ってもらいます。
その一言で帰りのホームルームが終わりクラスメイトは続々と教室から出ていった。
私がリレーで走るかもしれない?当日まで体調不良やケガかないようにと祈っていた。願掛けしてリレーメンバーの子たちに健康祈願の御守りを買おうかと悩んでいた。
優姫は私に声をかけた。
「萌恋、二人三脚とリレーの練習しよう」
二人三脚はともかくリレーは補欠メンバーだし走らない可能性の方が高いからいいよ。
優姫は私にそんな事言って、私がケガしたり当日体調不良で走れなくなったら萌恋が走らなきゃいけないよ。練習しておいて損はないよ。それに二人三脚なんて2人のタイミングを合わせなきゃいけないから練習するよ。
運動の得意ではない私は半ば諦めの気持ちで練習をすることになった。
学校を出て、2人で鎌谷商店街にあるスポーツ用品店に向かい、店主に二人三脚の練習をしたいと二人三脚用のたすきとジャージ2人分を優姫が購入した。私は優姫にコロッケ食べようと提案したが練習時間が減るからダメと却下された。
その後、少し離れた所にある鎌谷総合運動公園にやって来た。優姫は手続きをして更衣室でジャージに着替えて競技場に入り二人三脚の練習を始めた。
2人で肩を組んで練習をしているが中々いきが合わす転んでばかりいた。優姫、大丈夫?ケガはない?
大丈夫だよ。萌恋、もう1回やるよ。今度はタイミングを合わせるためにもお互いに声を出してやってみよう。
1、2、とタイミングを合わせてやっているとうまくいくねと話していると私は転んでしまった。優姫は最後まで気を抜いたらダメだよ。タイミング合ったからといって気を抜いたらそうなるから気をつけないと。
練習をしていると1人の女性が入って来た。優姫ちゃんと萌恋ちゃんだよね?私たちははい、そうですと答えた。私は優姫にこの女性は?
元陸上選手でオリンピックにも輝いた選手だよ。昔、伯父の木村小次郎さんと体力トレーニングで一緒にやってたみたいだから伯父さんに声をかけて来てもらったよ。
初めまして
私と優姫はわざわざありがとうございますと頭を下げた。
美菜子は所で2人は何の種目に出るの?
優姫は二人三脚とリレーメンバー、隣の萌恋は補欠メンバーに選ばれています。美菜子さん、補欠メンバーとはいえ練習をしておいた方がよろしいですよね?
本気で1番を取る気なら萌恋ちゃんもちゃんと練習しておいた方がいいね。出ないつもりでいてもリレーメンバーが体調不良で出られなくなることも充分有り得るからね。
じゃあまずは二人三脚の練習からしようか。
たすきをキツく結び声を揃えて1、2と練習をしていると美菜子さんは2人のいきが合っているね。練習を重ねれば大丈夫だと思うよ。次はリレーの練習しようか。
美菜子は2人に100mを走るように伝えた。
その後、もっと腕を振って走るようにと細かいアドバイスをして再び走った。
美菜子は二人三脚で使っていたたすきをバトン替わりにやってみようと伝え、練習を始めた。
リレーは走ることも大事だけどそれと同じくらいバトンを渡すのも大事だよ。今はバトンの替りにたすきを使っているから難しいと思うけど。あまり練習しすぎてケガしたらいけないから今日はここまで。明日も練習するから学校終わったら2人ともここに来てね。明日はバトン持ってくるね。
私と優姫はありがとうございます。じゃあ優姫、帰ろうか。
美菜子はもうすぐ日没だから2人とも家まで送っていくよ。萌恋ちゃん、後で家まで案内して。
私と優姫は美菜子さんの車に乗って2人の馴れ初めや2人でどこに出かけたのかなど車の中で喋りつつ、まずは優姫を家に降ろした。
じゃあ次は萌恋ちゃんだね。家はどの辺り?
神奈川の浦川駅っていう所の近くです。
萌恋ちゃんって浦川に住んでいるってことはラドールとかよく行ったりするの?
はい、私だけでなく家族も好きで先程乗っていた優姫も好きで家に来る時はシュークリームやプリンを買ってきてってお願いするほど好きみたいで。
たしかにラドールってお店の佇まいかわいいし、もう何を食べても美味しいよね。そうだ、帰りにラドールでシュークリーム一緒に食べる?
ホントにありがたいお話ですが優姫に黙って食べたら何で私のいない時に食べているのって怒られそうなので今回はやめておきます。
そっか。ホント萌恋ちゃんと優姫ちゃん仲がいいなって二人三脚や2人の話を聞いていてそう思ったよ。私も高校時代に仲良かった子は今でも年に1回は会おうって感じで当時の話やお互いにその後どうしているかとか話をしているから萌恋ちゃんも優姫ちゃんも含めて高校時代の友達は一生ものだから大事にした方がいいよ。物やお金は後からどうにか出来るけれど友達はその時作っておかないと後から作ろうと思っても中々難しいからね。
私は美菜子さんのいう通りですね。優姫やクラスメイト、クラスメイトじゃない子とも仲良くしていこうと思います。
美菜子はラドールに車を止めた。私はちょっと買い物して行くけれど萌恋ちゃんは大丈夫?
自宅はラドールから近いのでここで大丈夫です。今日はありがとうございました。明日以降もお願い致しますと頭を下げて家に帰った。
翌日、授業後に私と優姫は鎌谷総合運動公園に向かった。すると美菜子さんの他に2人いた。
私はリレーメンバーと二人三脚の練習のために他の人にもきっとわざわざ声をかけてくれたのか。申し訳ない気持ちと是が非でも優勝したいという気持ちが高まった。
私と優姫は美菜子さんと共に軽くウォーミングアップを済ませてまずは二人三脚の練習をしていた。
私たちは声をだして100mを転ばずに走り切った。
二人三脚はよさそうだね。じゃあリレー練習に移ろうか。バトンも持ってきたし私や助っ人も連れてきたから練習しよう。2人ともどの順番でも走れるようにしておかないとね。
美菜子さんからはテイクオーバーゾーンっていってバトンを渡す範囲が決まっているからそれに注意してとアドバイスを送った。この日は練習するものの中々上手くいかず日没の時間になった。
私はせっかく教えてもらっているのにすみませんと頭を下げるとプロでもバトンを落としたりミスをしたりするからそんな気にしなくていいよ。まだ日があるから頑張ろうね。
それから体育祭前日まで練習する日々が続いた。
体育祭当日、私と優姫は二人三脚で1位になって喜んでいた。お昼ご飯を食べてリレー練習してきたけれど出ないなら必死に応援する予定だった。
リレーメンバーの1人が体調不良がよくないのを無理して体育祭に出場したからなのか、その子は保健室に運ばれた。
その瞬間、私はリレーに出場する予定はなかったものの補欠メンバーとして出場するように声がかかるなという雰囲気が漂ってきた。ちょっと萌恋、話があるからこっちに来て。
やはりリレーメンバーとして走ることになると悟った。
萌恋には走ってもらうけれどどういう順番で走るかと話になった。2人はそのままで私は3番目、アンカーに優姫で走ってもらおうと思う。それより早く大会事務局に伝えないとウチのクラス出られずに終わっちゃうよ。
1人のクラスメイトは分かった。じゃあ萌恋、大会事務局に変更することを伝えて来てと言われ、私は急いで大会事務局にメンバー変更を伝えた。
1年生対抗リレーが行われ、私たちのクラスは新記録をたたき出して優勝を果たした。
クラスメイトからリレーメンバーを胴上げされた。最初からメンバーに入っていた優勝は分かるがなぜ元々走る予定のなかった私まで胴上げなのか。みんなは大喜びしている一方、私は元陸上選手に手ほどきを受けて優勝や新記録を出して何だかズルいような気がして素直に喜ぶことが出来なかった。
結果的に総合優勝出来たからよかったのか……。
遅めの自己紹介
週が明けて私は教室に入った。
「萌恋、この前はリレーで走る予定なかったのに私がムリしていたせいで走ることになってゴメンね」
声をかけてきたのは同じクラスメイトの
気にしないでいいよ。それこそ体調悪い中、そういう表情見せないでよく頑張っていたね。
萌恋はホント優しいね。何かお礼がしたいから今日の帰りって予定空いてる?
うん、私は予定空いているよ。
萌恋だけでなく優姫や杏菜、穂乃美にホント申し訳ない気持ちしかないよ。
私は優姫も杏菜、穂乃美もそんな気にしていないと思うよ。里実が出れない分、絶対に優勝しようねって4人で話し合っていたくらいだからさ。
そっか、そう思っていてくれたらいいな。
しばらくすると杏菜、穂乃美、優姫が教室に入って来た。
私は杏菜、穂乃美、優姫ちょっと来て。
何事かと思い3人は私の方にやって来た。萌恋、朝からどうしたの?
里実が3人に謝りたいって。
謝るって里実、何か謝ることしたっけ?
杏菜、穂乃美、優姫この前はリレーメンバーに選出されていたのにムリしていたせいで走ること出来なくなってゴメンね、そのせいで走る予定のなかった萌恋にも走ってもらうことになってさ……。
3人は声が揃った。
「あ〜、そのことね。気にしないでいいよ。」
優姫は萌恋からも聞いたかもしれないけれど里実が走れない分、優勝しようって話をしていたよ、
萌恋から聞いたよ。こんな私と仲良くしてくれる?
私たちは勿論だよ。じゃあ改めて自己紹介しよう。
初めまして早乙女萌恋です。じゃあ次は優姫。
初めまして如月優姫です。じゃあ次は里実。
初めまして嶋谷里実です。じゃあ次は穂乃美。
初めまして
初めまして
私は首を傾げた。
杏菜は萌恋、首を傾げてどうしたの?
この初めましてのリレーって普通4月にする所を半年経った今さらするってどうなのかなって。
穂乃美は仲良くなるタイミングとかってあるじゃん。これが卒業式前日にこれをしていたら何しているのって思うけどさ。
里実は私にずっと優姫といるからなんか声をかけづらい感じがしてさ。人見知りだから萌恋になんて声をかけたらいいのか分からなくてさ。
そういう事か。里実、ゴメンね。
里実はところで萌恋、今日どこ行く?
2人ともどこか行くの?せっかくなら5人で行こうよ。優勝祝いしたいし。
私はじゃあ鎌谷商店街に行こうよ。名物コロッケが美味しくてさ。他のコロッケも美味しいよ。
里実は何もしてないのに優勝祝いって何だか悪い気がする。私の事はいいから4人で行ってきて。
穂乃美は何言っているの?私たち同じクラスメイトで友達でしょ?それに総合優勝出来たのは里実のおかけだよ。ね、みんなそうだよね?
杏菜はそうだよ。里実がいてくれたからだよ。優姫や代理で走ってくれた萌恋の貢献は計り知れない思いだよ。だから授業後、5人で行こうよ。
里実はそう言ってもらえて嬉しい。ありがとう。
授業後、5人で鎌谷商店街に向かった。
里実はねぇ萌恋、どこに行く?
私はまずは名物コロッケでしょ。仮になくても今から行くコロッケは何を食べてもホントに美味しいからさ。優姫は何が好きとかある?
私?カニクリームコロッケやかぼちゃコロッケどれを食べても美味しかったかな。
穂乃美はメンチカツにしようかな。杏菜どうする?
さっき優姫が言っていたカニクリームコロッケにしようかな。里実はどうする?
そうだね……。チーズコロッケっていうの気になるな〜。優姫はどうする?
いつも通りだけどかぼちゃコロッケにしよう。萌恋は勿論名物コロッケだよね?
このお店、いや商店街の代名詞といえる名物コロッケに決まっているよ。あ、でも売り切れか……。どうしよう。何食べようかな?エビマヨコロッケにしよう。
里実は全員分を注文してお金を支払った。
優姫はみんなで食べあいこしようよ。美味しかったらまた来た時に頼むことも出来るし。
杏菜はそれはいいけれど5人も店の前にいたら邪魔になるから移動してどこかベンチに座って食べよう。
少し歩いた所に丸いテーブルを見つけてそこでコロッケを食べあいこしていた。
穂乃美は私に問いかけた。
萌恋にとって商店街の魅力ってなに?
優姫は前にも言って重複すると思うけれど、商店街って私が思うに商店街の魅力っていうのはチェーン店やわざわざ商店街に行かなくてもあるお店がありつつもその商店街に行かないと無いものや食べられない名物グルメ、そして雑貨屋や洋服屋があるのが魅力でね。同じ商店街は1つとしてなく、それぞれの個性的な商店街があってそれがまるで宝探しするような感じが楽しくてさ。
杏菜は質問した。
さっき萌恋が名物コロッケを食べられなくてスゴく残念そうにしていたけれど食べ物以外にもこの鎌谷商店街にしか無いものってあるの?
少し商店街から離れた所にかわいい佇まいの雑貨屋があるけれどみんなで行く?
里実はせっかく来たなら行ってみようよ。
5人で雑貨屋に行くと声が揃えてかわいい〜とお店の中に入った。
私はこの前来た時には動物のボールペンなかったのに犬や猫だけでなくキツネやペンギンと種類が多いな〜。ねぇみんな、このボールペンかわいくない?
優姫はどうせなら動物のボールペンってかわいいね。みんなそれぞれ違うボールペン買わない?
穂乃美はそれいいね。萌恋や杏菜、里実がよければの話だけど……。
私たちはいいよ。じゃあ私はクマちゃんにする。
優姫はどうする?
私はネコちゃん。穂乃美はどうする?
うーん……。ウサギちゃんにしようかな。杏菜は?
そうだな……ペンギンにしようかな。里実は?
どれもかわいいからな……。カメちゃんにする。
それぞれ会計を済ませて里実、杏菜、穂乃美はこんなに商店街が面白いって始めて知った。萌恋、ありがとう。また明日学校で会おうねと帰っていった。
学園祭
体育祭が終わり、総合優勝を果たしたことにより私には優姫の他に新たに里実、杏菜、穂乃美という友達が増えた。
次は学園祭、クラス同士の絆を深める機会でもありつつこの日だけは男の子が女子校に入ることを許させる1年で数少ない日でもありこの文化祭を機に交際することになったケースも決して少なくない。
私はいつものように5人で行動していた。すると杏菜が足を止めて掲示板に張ってあったあるものに目についた。
「ミス鎌谷グランプリ」
里実はミス鎌谷ってこの学校の名物行事だよ。そうだ、ミス名物の萌恋は出場したら?
私はちょっと里実、そんな感じで出場するのは本気でグランプリ獲りにいっている子に失礼だよ。
穂乃美は萌恋、顔小さくてかわいいし出場してもいいと思うよ。選ばれたらミス鎌谷って呼ぶよ。
ちょっと穂乃美、ただそれが言いたいだけでしょ。まぁ出場するかどうかはまだ期限あるから考えてみるね。どうせならみんなで出ようよ。
里実、杏菜、穂乃美の3人は私たちがミス鎌谷、いやグランプリに出るなんて烏滸がましいよ。
私はこの学校に通っているから参加資格はあると思うよ。
杏菜はこの5人でグランプリに出場して勝てるのは萌恋と優姫の2人だけだよ。
穂乃美は優姫に尋ねた。
優姫はグランプリに出場しないの?
私も萌恋と一緒でしばらく期間あるから出るかどうか検討しようかな。
里実は2人が出場するってなれば私たち体育館に応援に行くからね。どっちかがグランプリ獲ったらパーティーしようと話が盛り上がっていた。
私は優姫に帰り時間があるか尋ねた。
うん、大丈夫だよ。私も萌恋に相談あるからさ。
その瞬間、優姫もきっとミス鎌谷に出るかどうするか決めかねているのだと悟った。
授業後に杏菜が萌恋一緒に出かけない?
杏菜ゴメン。今日はちょっと優姫と話があるからまた今度にするね。
そっか、じゃあまた今度どこか行こうね〜。
優姫は教室で1人、俯いていた。
私は優姫に教室で話していても下校時間があるからどこかカフェでも行って喋ろう。きっと話が長くなるだろうしお互いに悩みは同じだと思うからさ。
2人で前に行った鎌谷商店街近くにあるカフェに向かい私はイチゴパフェ、優姫はパナナチョコパフェを注文した。
優姫、相談ってミス鎌谷グランプリに出るかどうかでしょ?
うん、そうだよ。さすが萌恋だね。もしかして萌恋も同じこと思っていた?
私もそうだよ。優姫はこの前のオーディションでも最終審査まで残るくらいだからグランプリに出場してもいいと思うけれどそれに比べて私が出てもいいのかなって……。
萌恋はかわいいからグランプリに出たらミス鎌谷獲れると思うよ。よし決めた。萌恋が出るなら私も出場する。
え〜、何かそれって私次第ってこと!?そもそも私たちアイドルを目指していたわけだし仮にアイドルになったら沢山の人から見られるとなればグランプリの有無関係なく出場して楽しもう。出場して何をするのか私は全く知らないけれどね。
優姫はクスッと笑った。グランプリに出場するのに何も知らないって萌恋らしいね。2人でグランプリ獲れるように頑張ろうね。どっちがなっても恨みっこなしだよ。
結論が出た所でそれぞれのパフェが届いた。
スプーン互いのパフェを取り合って美味しく食べていた。ねぇ優姫、杏菜たちには出場するこという?
それは伝えた方がいいと思うよ。何も言わずに出たら杏菜だけじゃなく穂乃美も里実もどうして言ってくれなかったのって口論になるし、私たちにミス鎌谷に出たらって言ってくれたのは3人だからちゃんと伝えるべきだと思うよ。
そっか。じゃあ明日、3人に伝えようとカフェを後にした。
翌日、私は学校に行き里実、杏菜、穂乃美に私と優姫から話があるからと呼んだ。
昨日優姫と2人でグランプリに出場するかどうか話し合ってどうするか決めて報告しようと思います。
杏菜は2人はどうするの?
私、早乙女萌恋と如月優姫はミス鎌谷グランプリに出場することを決めました。
3人から拍手があり、学園祭当日2人の応援に行くね。
私はクラスの出し物何やるのかな〜。
優姫はまた帰りのホームルームで意見を募ってそこから消去法だと思うよ。
帰りのホームルームで学級委員が学園祭での出し物について案がある人は手を挙げるようにと問いかけたが私を含めてクラス一同何も考えておらず誰も手が挙がらなかった。
意見が全く出ず、学級委員は1人ずつ提案するように言うと飲食店をしたいという人たちは焼きそばやメイド喫茶という意見が挙がった一方、女の子は映える物が好きだから黒板アートしたり、バルーンアートやダンボールアート等の意見が挙がった。
意見が全て出し尽くした後に当日は教室で作業するのか?それとも前日までに用意して当日は教室に集まらず当日はみんな自由行動にするかという話になった。しばらくすると杏菜は手を挙げた。
こういうのはどうでしょうか?女の子向けには黒板アート、子ども向けにはバルーンアート2つするっていうのはどうでしょうか?作業は黒板アートの案を考えて前日に描く人とバルーンアートを作る人に分かれてやるというふうにしたらいいと思います。
そして杏菜の提案はクラスメイトから賛同を受けて私たちのクラスは2つの出し物をやることに決まり黒板アートの案、描く人とバルーンアートをする人の班分けは後日行われることになった。
私と杏菜は黒板アートの案を考え、優姫と里実、穂乃美はバルーンアート作成に向けて準備をていた。
私と優姫はミス鎌谷グランプリの応募用紙に記入して指定の応募箱に投函して互いにミス鎌谷をかけていつもは心友だがこの時ばかりは同じ頂きを目指すライバルとして相対することが決まった。
そして学園祭当日、私と優姫を含めて10人がミス鎌谷グランプリにエントリーしており、開幕した。
第1審査はそれぞれの自己紹介とアピールを伝えるというもので私も優姫も必死に自分の自己紹介とアピールした。
第2審査、私たちのもとには1枚の紙が配布された。
「おはようございます。今日も1日頑張りましょう」
この文章をいかに感情を込めて相手に伝えられるかと説明を受けた。私はこの文章を感情を込めてかついつもとは違うかわいらしい声色で読み上げた。
最終審査ではタコ焼きのロシアンルーレットで1つに激辛わさびが入っているシステムで1人ずつ食べていって辛くない態度を取らなければならない演技をすると説明を受けた。10個入りのタコ焼きで1人ずつ取って一斉に食べた。私は食べた瞬間、口から炎が出るかと思うほど辛かったがこれは演技勝負、この辛さにいかに耐えて笑顔でいるかを心がけていた。
そして私はタコ焼きを食べ終えた。
審査員が一体誰が激辛わさび入りのタコ焼きを食べたか分からずにいてわさび入りを食べた人、手を挙げるようにと言われて私は手を挙げた。
とにかく辛い、ヨーグルト持ってきて欲しいとお願いをした。すぐさま私のもとにヨーグルトが届いて口に頬張った。やっと辛さがひいた。
これにて全ての審査が終わり、結果を待っていた。
進行役から今までの審査を総合的に判断して今年のミス鎌谷グランプリを発表いたしますとアナウンスがあった。
私は何もせずに待っていた。優姫もアイドルの最終審査で合否分かる時、緊張して待っていたのかなと思っていた。これは学園祭の一環で優姫はアイドルのオーディションで規模が違えどそんな気持ちでいた。
進行役の子が今年のミス鎌谷が決まりました。
「1年2組早乙女萌恋さん」
早乙女萌恋って……私?私がミス鎌谷?シンジラレナイ。賞状と手作りの王冠をもらった。
優姫を含めて同じ舞台で戦った仲間と握手をしあってミス鎌谷グランプリは閉幕した。
優姫は萌恋おめでとう。今から里実、杏菜、穂乃美と合流して学園祭楽しもうよ。
私はメインイベント終わって3人と合流した。杏菜は萌恋、おめでとう。よっ、ミス鎌谷と呼んだ。
その称号は1年しか呼べないけどね。それよりも5人でどこか周ろうよ。
優姫はじゃあまず私たちのクラスに行って繁盛しているのか確認してから他の所に行こうよ。
じゃあそうしようとまず自分たちのクラスに向かうと女の子や親子が沢山来ていてそれなりに繁盛していてみんな楽しそうな表情をしていた。
里実は私に尋ねた。ねぇ優姫何食べる?
優姫は私、タコ焼き食べたいな。萌恋顔が青いけれど大丈夫?調子悪いの?
いや、そうじゃなくてみんなも見ていたと思うけれどミス鎌谷グランプリの最終審査で私、激辛わさびのタコ焼き食べてさ。また激辛わさびのタコ焼き食べることになるのかなって思ったらどうかなって。
穂乃美はさすがにそんな訳ないよ。小さいことか誰が食べるか分からない出店のタコ焼きでそんなことする訳ないでしょ。
杏菜は仮にそんなことして子どもが食べたら大変なことになるよ。さっき萌恋が激辛わさびのタコ焼き食べたからって何でもかんでもそうだと思ったらダメだよ。疑いすぎはよくないよ。
その話を聞いてたしかにそうだね。じゃあタコ焼き食べに行こうか。
穂乃美はロシアンルーレットタコ焼き、だって。
私は出店の人に中身って子どもでも食べられるタコ焼きですよね?
勿論そうですよ。中身はチーズが入っていますよ。きっと、……。
何それめっちゃ怖い……。みんなホントに買う?
冗談ですよ。ちゃんと1個だけチーズが入ってますよ。脅かすようなこと言ってすみません。
私、お姉さんを信じますよ。じゃあ5個入り1つ。
わさびとチーズでは対照的だがみんなで食べることにした。
穂乃美は1個ずつ取って食べよう。
1人ずつタコ焼きを取ってせーのでタコ焼きを食べた。私の食べたタコ焼きは甘い、これはチーズのタコ焼きだ。さっきの激辛わさびとは対照的に甘くて美味しいタコ焼きを食べて美味しくてなるべくロシアンルーレットのタコ焼きを食べないようにすると固く誓った。
私はみんなにベビーカステラを食べたいと提案をすると萌恋、かわいいね。女子力高いね。
私はミス鎌谷グランプリを獲得し、友達と一緒に学園祭を楽しむことが出来た。
楽しい時間はあっという間に過ぎて2学期がすぐに終わり冬が明けて終業式を迎え、5人でまた同じクラスになれるといいねと話し合っていた。
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