■■

あなたへ


あなたを苦しめて本当にごめんなさい。

わたしは、あなたに外のせかいを見せてあげたいとか言ってたと思う。確かに、きみを外に連れ出したのは、そういう理由も1つあった。けど、本当は、わたしは、どうしようもなくきみに執着していて──きみをずっとわたしのものにしたかっただけなんだ。こんなの言うつもりじゃなかったんだけど。恥ずかしいな。


せかいがぐちゃぐちゃになったあの日、わたしはあなたをずっと守ると誓った。それが、あなたを外へ連れ出した責任だと思ったし、わたしは、あなたにずっと生きていてほしかったの。

あなたのためにわたしはたくさん、■■■を殺した。あなたはわたしに、そんなことしないでいい、きみひとりなら逃げ延びれるはずだって言った。たしかに、わたしひとりなら避難所は受け入れてくれるって言ってた。

でも、そうしたらあなたは生きていけない。

そんなことは耐えられなかったの。


だから、あなたを生かしたのはわたしのエゴでもある。

本当にごめんなさい。


あのまま、あの部屋であなたが過ごしていれば、もっと楽に死ねた、と思う。

あなたは




わたしはあなたを苦しめてしまって





一緒に死にたいなんてわたしのエゴで





ごめんなさい。




大好きだよ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る