第10話
このまま歩を進められては、マヒロのやつと鉢合わせする...!!
別段、俺は、山野井さんと恋人同士というわけではない。
勿論、マヒロとも恋人同士というわけではない。
しかし、この状況は、
あんまりよくないのでは、と思った。
やはり、俺の予感は的中した。
マヒロの奴が、むくっと起き上がり、山野井さんを見るなり、臨戦態勢に入った。
「あんた誰ですか!?もしかして、
506号室の住人ですか!?シンジは私の彼氏なんですよ!なんで、勝手にシンジの部屋に入ってくるんですか!?」
「え、シンジくんから彼女いないって聞いてたけど?」
「ささいなことで喧嘩別れしたんですっ!
でも、私はまだ好きで、ヨリを戻したいって
思ってたんです!」
「シンジ、あんたはどーなのっ!?
合コン来てたけど、どーなのっ!?
私は言っとくけど、ただの数合わせだったんだから!」
「別に、彼氏がほしくて合コン行ったんじゃ
ないんだからね!そこ、5階で誤解しないでよ!
「俺も、ただの数合わせでさ...」
「何よ、恋人同士じゃんね...」
山野井さんは悲しそうにそう呟き、
折角、すきやき作ったから、彼女さんと
シンジくんで食べていいからね」
「これ、鍋、置いていくから。
明日にでも、洗って返してくれればいいから」
そんなセリフを吐いて。
山野井さんは俺の部屋から出て行った。
俺は。
幼馴染のマヒロに向き直った。
「なんだよ、まだ俺のこと好きなのかよ?」
「いや、そんな好きじゃないってゆーか?
ちょっとシンジの部屋に美人な女の人が入ってきたから頭にきて、多分、これ、やきもちだと
思うけど、自分の気持ちをぶちまけた感じ?」
「酒の勢いもあって。やけくそになって
ぶちまけた感じかな」
「ほんっと、素直じゃねぇな!」
俺はそう言いながらも。
このあと、マヒロとベッドの上で喧嘩別れする前みたいに。
イチャイチャしたわけなんです。
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俺の引っ越し先の両隣りには 俺にだけ甘い塩対応な美人上司と元カノな幼馴染が住んでいるんだが、二人が火花を散らしているように感じる今日この頃です。 雲川はるさめ @yukibounokeitai
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