第9話

マヒロを連れて歩くこと、30分あまり。

驚いたことに。


マヒロの家は。


俺の住んでるマンション、505号室の真横、

504号室だった。


マヒロは泥酔しており、鍵がどこにあるのかわからないので、

俺は仕方なく、自分の部屋にマヒロのやつをあげることにした。


ベッドに寝かせ、水を飲ませようと思ったときだ。


呼び鈴が鳴った。


「シンジくーん!これ、すきやきの鍋...」


美人上司だった。


「ねぇ、これ、シンジくんの部屋で一緒に食べよ??」


山野井さんの様子が変だった。


ちょい、酔っ払っているよーな感じだった。



「寂しかったんだから私。寂しさを紛らわせるために、

缶チューハイ、4本開けちゃったんだから...!」



目はトロンとし、やたらと薄着で。


胸の開いた黒いトップスで、


しかも、赤いミニスカ姿で、


俺の部屋に上がり込んできた。


「あ、えっと、今は困ります...!」


「なによぉー、私たちの仲じゃないっ!」


俺のベッドには。



幼馴染であり、元カノの真島マヒロがいたから。



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