詩歌大賞

 皆様、明けましておめでとうございます 🐰🎍 🐇

本年も少し絞った切り口から皆様に楽しんで頂けるような企画を立案させて頂けれ ばと張り切っています。これからも「里」シリーズ企画をどうぞよろしくお願い致します。

 さて、今回のストックブックは、昨年12月開催の「詩歌大賞」の入選作品の発表です!新年をお祝いして、お約束通り、ゲストコメンテーターに古博かん様を特別にお迎えし、友未の選考からは独立して、もう一つ、大賞一作、佳作三作、特別賞などを選んで頂きました。友未ひとりでは好みや見方が偏りますし、特に短歌に関しては不安だらけでしたのでお力添えをお願いしたところ、結果的に、友未の期待を何倍も遥かに上回るご尽力を頂くことができ、感謝の念に堪えません。とりわけ、@bailimuさまからお寄せ頂いた衝撃の作品を前に途方に暮れていた友未は、「ヘッドセット装着して、翻訳機かけながら日本語と英語と中国語を行ったり来たりしながら」敢然と「解読」に立ち向かわれる氏の雄姿にどれだけ励まされたことでしょう。改めてお礼申し上げます。

 では、入賞発表は最後のお愉しみにお預かりさせて頂く事として、まずは今回ご参加頂いた皆様の作品を、簡単ですが一通りご紹介させて頂こうと思います。ここにご紹介した歌や句が友未によるノミネート(大賞候補)作品とお考え下さい。


【総評】

 友未の詩歌関連企画としては四回目となる今回の「詩歌大賞」には、合計10(友未自身の作品を除いても9つ)の作品にお集り頂く事ができました。他企画と比べると決して賑やかな数字ではないものの、当初から「このくらいお寄せ頂ければ成功かな」と想定していたラインが10作品でしたので正直ほっとしております。参考までにこれまでの詩歌関連企画について振り返っておきますと、「川柳と都々逸の里」(参加3名様)、「詩とうたの里」(参加26名様)、「詩歌と短詩の里」(参加15名様)ということになり、どの回も秀逸で個性的な作品との嬉しい出会いのあるものでしたが、対象を詩歌のみに限定した今回も(詩歌ではない短詩や自由詩をお寄せ下さった皆様、削除させて頂きまして申し訳ございません)極めて多様で創意豊かな愉しい作品に恵まれましたこと、作者の皆様に深く感謝申し上げます。以下、お寄せ頂いた全ての作品について、ご参加順に駆け足で御紹介させて頂きたいと思います。


【1】 小濱宗治さま:「⭐️不定期連載⭐️とち狂って突然俳句に目覚めたクレイジー文士の俳句を読者が採点する!」

 これはもう、一目見た瞬間から、そして、実際の句をまだ一つも拝見していない段階から、「凄い」と完全に一本取られてしまった読者参加型双方向式のぶっとび俳句絵巻でした!而してその内容とは ——

1.まず、作者が俳句を詠み、

2.次に読者が褒めたり貶したり採点したり、添削や魔改造を施したりしてワイワイ意見を出し合い、(因みに作者によると「添削句→その句が言おうとしている事を尊重する。詩性ブラさず洗練させる。その為に、季語が適切ではない場合は季語を変更する事もある。 魔改造→その句の季語を尊重する。同じ季語で、自分なりの俳句を詠んでみる。同一の季語を使う代わりに、元になった俳句のテーマは無視する。」とのこと)

3.それを受けて、作者が意見への感想を述べつつ、元歌の改良を試み、読者から寄せられた句も紹介する。

4.良くなるか拙くなるかは作者の責任であると同時に、作者を動かす読者のアドバイス次第

という、まさに奇想天外の俳句練習帳でした。

 俳句というのは、普段、馴染のない方々にとってはお世辞にも親しみやすいジャンルという訳にはいかないものなのに、これは俳句入門者や初心者にとって本気で作者と一緒にワイワイ愉しめる、まさに目から鱗を落とされたような青天の霹靂の取り組みと言っても過言ではないでしょう。多少とも俳句を書く者として、その啓蒙的な意義に量り知れない嬉しさを覚えずにはいられませんでした。全体は2023年1月3日現在83の章からなっており、原作→改良、次の新作→改良 … 、を何度か積み重ねた後、季節ごとに最終的な総括を行い、さらに俳句の基礎知識にも触れて行く(作品の最初の方で作者自身が「(俳句を)初めてからまだ一ヶ月ぐらい」と語られているにもかかわらず、「意味が伝わるように書く」「説明しない。描写する(写生主義)」「皆まで言わない(線描主義)」など、新古典派?の友未が折に触れ自分に戒めている要点が手際よくまとめられた心強い内容でした)構成です。本来なら、上述の1~4の各段階を具体的に追って行って、その過程の面白さを眺めて行きたいところなのですが、小濱宗治さまご自身以外の方々のご意見を勝手に引用させて頂く訳にも行かず、この点については断念させて頂きました。小濱さまオリジナル句の中で、友未の印象に特に深く遺った数篇をご紹介しておきましょう。

   

   五月雨や母の手紙の字に染みて


   梅雨寒の手には柳田翁の本


   野良猫も鴨を見逃す長閑かな


   秋高し旅人を追う犬、二匹


   道着から湯気やりきって秋惜しむ


 ところで、詩や詩歌を読みながら、「面白いけど、ここはこうした方が」とか「私ならこうするな」などと感じても、作者への遠慮からその思いをコメントで伝えられないケースは多いものです。その点、小濱宗治さまのように最初から添削、魔改造大歓迎を打ち出され、寄せられた意見の全てを褒め倒して下さると(何というお心の広さ。到底真似できません)、参加者も気兼ねなく本音を楽しみ合うことができる訳です。もちろん、読み手が作品に思わず手を加えてみたくなるのは、それがつまらないからではなく、面白いからこその衝動であることは言うまでもありません。拝読していて、読者が手を加えてみたくなる作品の多くは、作者自身にとっても愛着のある内容や、思い入れの深い言葉であるような気がしました。折角の趣向ですので、最後に友未もここで書き変えに幾つか挑戦させて頂きましょう。


  (小濱さまの原作→友未の書き変え の順)

                                                       

  世は乱世水尾を引いて鴨帰る   →  水尾みお絶えてまた乱世へと鴨帰る


  踏み出して春の宵の空や重し   →  宵空に重き春負う一歩かな  

  (小濱さま解説:四月といえば、様々な事がスタートする季節です。中には嫌々              

   始めなければならない事もあるのではないでしょうか?未来への不安など

   を、曇りがちな春の宵空に投影して、それを「重し」と、表現しています。)


  風止みて湖面に滲む若葉かな   →  風止みて湖面に宿る若葉かな

  (友未感想:それまで揺れていた湖面が凪ぎ切った瞬間の静けさ、鮮明さの

   ようなものを強調してみました。)


  夏風邪の父の食べ残しの氷菓   →  父病んでかじり残しの氷菓子

  (友未感想:「夏」風邪と「氷菓」の季重なりの解消)


 この公開練習帳、毎回何人もの応援団からの熱心なコメントが寄せられていて羨ましくなりました。皆さん、ついはしゃぎ過ぎてしまって、途中から、おいおい、どこへ向かう気じゃ、と呼び止めたくなってしまうほどあらぬ方へと脱線して行ってしまいますのでご注意を!


【2】 古博かん様:「とき折り詠みをり」

 ただただ美しい花鳥諷詠の短歌集でした。詠まれる歌材は自然の風物や儚い一夜の夢、今どきの強烈な自我言及や世事雑詠とは対極にある世界です。紛れもなく現代の風景を読んでいるのに、平安時代から変わることなく私たちの血のどこかに受け継がれて来ている繊細で鋭敏な、研ぎ澄まされた自然への生理感覚が、趣深く呼び醒まされて行くようでした。ともすれば深刻さしか表現できない言葉の実験場のようになりがちな現代詩のあり方に不審の目を向ける友未にとって、この短歌たちは化石した擬古趣味どころか、一服の清涼剤であり、ささやかなアンチテーゼでさえあるように映ります。


(以下、短歌、解説ともに古博さま)


あけてこそ 良さを知りなむ 玉くしげ 黄金こがねにそめし 茅渟ちぬの海とは

* くし箱のふたも新年も「あけて」こそ、その良さを知るものです。初日の出に染    

まる黄金色の大阪湾を見られるとは思いもしませんでした。



月明かり 差し込む居間に 置き去りの バランスボールも ゆる十五夜

* 月明かりが差し込んでいるリビングに、置きっぱなしにしていた白いバランスボールも照らされて、まるで満月のように明るく映える十五夜です。



むら雲の かげよりにわかに うちでて なほさやかなり いざよいの月

* 集まり群がる雲の陰から、ひょっこりと顔を出してみれば、十五夜に劣らず十分に明るい十六夜の月です。



吹くほどに 草木のしをる 秋風に 千尋草ちひろぐさこそ さんざめくかや

* 吹けば吹くほど草木を萎れさせん勢いの秋風なのに、同じ草の仲間である竹だけはシーズン到来とばかりに、この風の中を賑やかにざわめいているんだよなあ。


     

あかねさす 日和ひよりひねもす 修法ヶ原しおがはら もみじかさねの 空と水面みなも

* 朝から快晴。出かけた先の六甲山系再度ふたたび山に広がる修法ヶ原しおがはらのお池には、青空の映り込む一面の紅葉、見上げれば陽光に照らされて燦然さんぜんと輝く唐紅からくれないのもみじ越しに青空。一日のんびり過ごすには、もってこいの日和です。

 


もみじばを ふみこしまかる 山野辺やまのべに 冬のおとなひ 告げるつわぶき

* 野山を散策すると、落ち葉となったもみじを秋の残した置き手紙のように感る。踏み越えて歩けば、石蕗つわぶきの黄色い花が、足元で静かに冬の訪れを告げている。


【3】 平中なごん様 【俳怪句集】

 友未の最初の詩歌企画「川柳と都々逸の里」にご参加下さった「怪談句集」を「俳怪句集」と改題され、11篇の新作を加えて再登場して下さった平中さまお得意の怪談ものの俳句集です。各句には端的なタイトルが付けられています。心臓の弱い読者はご用心、くれぐれも自己責任でお読み下さい。


   「飛び降り」 落ちてくる 女と目が合う 窓の外

          (友未:ぎゃ、ぎゃあ … それだけはご勘弁を!)


   「夢」    昨夜見た 夢の男が また夢に

          (友未:な、何しに … )


   「心霊写真(変わる編)」 見る度に 近づいて来る 中の人  

          (友未:この写真と「だるまさんが転んだ」の一人遊びをし

           たら最後には??)


   「猫又」   手拭いを 頭に乗せて 猫踊り

          (友未:可愛怖い)


   「予兆」   フラグ立つ いつもと違う 通り道

          (友未:フラグと一緒に鳥肌も … )


 この「俳怪句集」、ご自作のショート動画がYouTubeにUPされています。

「A.I.VOICE DE あるある怪談俳句☆心霊写真(多い編)」

https://m.youtube.com/shorts/-vvXxK1fyY8

をはじめ、最新作までそろっています。是非ご覧ください。


【4】 医師脳さま:「👴 老いの繰り言 👵」

 団塊世代のお医者さまの日々綴られて行く滋味深い短歌と川柳です。いかにもエッセイ的な手触りの、構えのない詠み口に惹かれます。美しい草花や人の姿に思いを寄せる暖かい歌もあれば、世の動きへの疑問を率直に問う句もあり、津軽の風土感も満載でした。所々に散りばめられた雑学的な話題もまた面白く、この世代の作者ならではの味わいと香りを心行くまで愉しませて頂けました。2022年9月11日から12月31日末現在まで、297話に及ぶ小さなつぶやきが日記風に書き綴られており、現在も進行中です。ご自身の短歌から引用させて頂きますと、「三年(みとせ)余も日々一首めざし詠みくれど三十一(みそひと)文字は老いの繰り言」が言い得て妙の内容でしょう。実際に拝読してみて、どの歌も句も、さぁ書くぞ、とか、傑作をものしてやろう、といった気負いや力みとは全く無縁の、作品であることさえ忘れさせられてしまいそうな雑詠なのに、時々、言葉の影から思いがけない美しさが顔を覗かせていたり、時事風刺にドキリと苦笑させられたりする愉しさが潜んでいました。短歌では「医師脳」(いしあたま、とお読みするようです)のペンネームを、川柳(友未の考えでは一部は俳句)では「爺医」(じじい)の柳号を用いておられます。この医師脳さま、「R-70(作者の年齢制限あり)」という無茶苦茶すごい自主企画を立てておられた方で、友未はご寄稿いただく前から「どんな方なのだろう」と秘かに気にかけておりました。


高飛車な家族の言に難儀するも医師の矜持で軽く受けながす


総回診。「先生」の声で真先に振り向きたまふ研修医の群れ


「ハピィバースデイ」のメールに添へむと秋桜の構図に悩みスマホを回す


この媼は壊れしタイムマシンにて母でも娘でも変幻自在


遣りたしが遣らねばならぬにならぬやう楽しみながら老い生きゆかむ


「アラートは鳴らしました」と胸を張る

* とある老人ホーム。/「北朝鮮から弾道ミサイルが発射されました」とテレビの  

  ニュース。/テレビを眺める爺さんたち。/不気味なアラート音に恐怖を掻き立て

  られる婆さんたち。/「今夜は歩き回る入所者が多いでしょうね」と看護師長。/

「お国のやることは、いつの世も…」とは口に出さなかった施設長。

                             (以上、医師脳さま)  

                            

小指より小さき二本のゴーヤーなりいぼいぼそろひ食べごろの態


秋雨に黄ばみしゴーヤーぱつくりと赤き種見す歯をむくやうに


冷やかしで見切りの鉢植え探せども時期尚早かまだ半値なり


本屋とは何の店かと近未来


菊晴れに人影を避けて徘徊す


晩秋の冷えまさる庭に一輪の終の撫子の紅ぞ凜たる


立冬の朝陽やぬくき庭仕事


経すませ罪無非也と札かぞふ


立冬すぎ庭に一輪の山茶花の薄紅(うすくれない)や氷雨ににじむ


晩秋の庭に真弓の実のゆれて落ち急ぐ陽にひとしきり映ゆ


夕影に板谷楓の緋のはえて我が坪庭は錦秋たけなは


妻外出なれど茶を二杯淹れてしまひ晩秋の庭に悄然とをり


落葉まふベランダでのカフェは冬じまひ妻は椅子ふき「また春にね」と


永田町にドミノ協会よりエール


雪かきで暖を取らむと年金者


【5】 あそうぎ零さま:「都々逸と時事川柳」

 あそうぎ様からは、今回、唯一、都々逸をお寄せ頂けました。全部で三曲、いずれも時事テーマや職場体験がシャッキリと風刺されています。


   五輪ごりんの書

   わしもお主も悪者わるものじゃなと

   五色ごしょくのペンで書いてある


   宰相は

   つらいもんだね拙速巧遅せっそくこうち

   どちらにしても叩かれる


   この男

   サイコパスだと我が身に言って

   グッとこらえるいゃな上司   (原文のまま)



「わしもお主も悪者わるものじゃな」とか、「つらいもんだね」とか、「いゃな」など、都々逸ならではの愉しさが一杯です。ところで、何かお気付きではないでしょうか?都々逸の基本形は「七・七・七・五」のはずなのに、あそうぎ様は、さらに頭に「五」を添えておられます。リズム的な不自然さは全くないものの、そういう例があるのでしょうか?お尋ねしたところ、御返事をいただけましたので一部引用させて頂きましょう。「ご指摘のとおり、都々逸は「七七七五」が基本です。しかし、頭に「五」が加わることも珍しくありません … (中略) … この場合、冒頭の「五」は「枕」などと称し、声に出して唄う時には、あまり節は付けません。」

 川柳は二つともコロナがテーマです。


   習さんがそっとゆるめてガスを抜き


   コロナ禍のメイクくちもと手抜きがち


【6】 @bailimuさま:「诗集」

驚きと、嬉しさと、戸惑いで、どうして良いのか分らなくなってしまいました!だって、中国の方から本物の漢詩が、しかも35篇も届いたら、他にどう反応できるでしょう?しばらくの間、ただただ呆然としていました。取り敢えずゲストコメンテーターの古博さまにご連絡差し上げた所、最初にご紹介した通り、氏がいきなり敢然と立ち向かって下さったので、その姿に友未も、自主企画を設けたからにはこんな凄い物を「わかりません」で放っておく訳には行かないぞ、とにかく何とかしなければ、と励まされた次第です。ですが、翻訳ソフトなど一度も使ったことがない友未には、作者ご本人に「日本語に翻訳して頂けませんか」とお願いしてみる(もちろん日本語で)くらいしかありませんでした。すると驚くべきことに、@bailimuさま、すぐにほぼ全ての诗を意訳して下さった上に、それぞれの诗の特徴や書かれた経緯にまで踏み込んで補足して下さったではありませんか。おかげで友未はそのご厚意にしがみつく形で、日本語と原文の漢字を見比べ、使い方もよく分からない無料ソフトで韻を確めたりしながら、曲がりなりにも全ての作品を読破させて頂く事ができました。本当に助かりました。とは言え、友未にはこの「诗集」の真価を正当に評価することなど到底不可能です。漢詩など、高校で習って以来なのですから。それで、本当に申し訳ない事ですが、この作品は大賞や佳作の候補からは外させて頂くことに致しました。悪しからずご了承下さいませ。

 さて、友未の理解では、この詩集の中には、五言絶句、七言律詩などの古体詩もあれば、現代自由詩もあり、内容的にも叙景詩、抒情詩、風刺歌、追悼歌、叙事詩、戯れ歌から、猥歌に至るまで実に多様な愉しさが溢れているようでした。とりわけ痛感させられたのは、古体詩が、我々の見失いつつある「人を自然の中に置く」ような叙景の豊かさ、美しさと、懐かしくも深く結び合っていることでした。それは、きっと、ここで作者に詠まれた文字たち自体の美しさから来ているように思われてなりません。以下に幾つか、原文と@bailimuさまご自身による翻訳・解題を照らし合わせながら眺めてまいりましょう。


 「七层塔」


雪夜

车窗外

风卷碎玉

一人一书寒

忆的陈年往事

不觉岁月艰辛冷

烈酒一杯欲醉

驱散心头累

须发欲白

少年梦

难圆


* ため息をつく

  雪の夜

  窓の外

  風巻き砕玉

  一人一書寒

  思い出の古い出来事

  歳月のつらさ寒さを感じない

  強い酒に酔いしれようとする

  心の疲れを払う

  ひげが白くなりたがる

  少年の夢

  に丸みを付ける

  ふさぎ込む



    「晚春」


   盏茶挥毫香墨软


   绿绦白絮红粉乱


   细雨馨香花期短


   夜凉清幽昆曲酸



* 文体:七言律詩。

初夏の晩春に近づくと、家の中で本の上の筆を見て、窓の外で柳の枝がひらひらして、楊綿が舞い、いろいろな花が美しさを競っている。もう少し小雨が降ってくれればよかったのに!小雨は天地の間に淡い花の香りを漂わせますが、花期は短くなります。本当に葛藤しますね!その時、昆曲(中国の古い戯曲の一種で、牡丹亭、桃花扇などの恋愛ドラマがあまりにも心に深く入り込み、曲は甘酸っぱい感じがした)の節回しは春の最後の夜の涼しさとともに私の耳の中に漂ってきた。

私自身の心理状態の変化:この時になって、私はすでに詩の中の高尚な気持ちを探しに行くのではありません。詩を書くというものは自分の最も真実な感情を表現すればいいことを発見しました!



   「初夏细雨」


   瓣瓣飘散碎羽香,


   涓涓滑落细流长。


   清风卷动烟云散,


   夏夜依然透骨僵。



* 初夏の夜、帰り道、川沿いの小さなあずまやに座ってタバコを吸っていた時だった。ふと思いついた文字。

 夏の雨は春雨よりも少し荒れ狂い、雨はあまり降らないが、まだたくさんの花びらが雨に打たれて砕かれている。しかし、これらの割れた花びらもさらにすがすがしい香りを放っている。これらの香りを混ぜた雨が集まって渓流のように静かに流れている。急にそよ風が吹いてきて、私の口から吐いた煙を吹き飛ばした。私は思わず首を縮めた。夏の夜とはいえ、この風は私に寒さを感じさせた。



   「仲夏夜雨后」


   夏日雷鸣雨如浆,


   明月一轮影成双。


   莫问情深何处去,


   只见绿树映红墙。



* すみません、覚えていませんが、これを書いたときはどんな心境でしたか。

 夏の間、雷が稲妻を鳴らし、豪雨が滝のように降り注いだ。夜になると雨が止み、明るい月がまた空にかかった。月は空に一つ、地上の水たまりにも一つある。感情が最も深いところに行ってどんなものなのか聞かないでください!遠くの緑の木の赤い壁を見て、そのままお互いに付き添って、互いに呼応します。これが一番深い感情です!



   「无题」


   雨过晴空碧


   紫燕啄新泥


   白发清江上


   碎香日渐稀



* これも思い出せない、その時の心境。

 雨が降った空は純粋な玉のように、小さなツバメが飛び交い、土をつついて巣作りに忙しい。小舟に乗って小川に漂い、白髪だらけになっているのを見て、青春はとっくに逃げてしまったことに気づいた。(私も不思議ですが、私はどうしてこんな文字を書くことができますか。私はまだ悲しい白髪の年齢ではありません!この文字を書いたのも20代だったと覚えています)* 友未注:「无题」は「無題」の意)



    「汉服少女」


   秋风轻抚玉肌骚,


   金莲微点黑步摇。


   平日只笑春风里,


   口含小曲乐逍遥。



* これはまた友達の家に行く途中、伝統的な漢族の明朝の服装をした女の子に出会った。きれいな女の子が思わず書いた文字を見ました。

 冷たい秋風が少女の玉のような肌をそっと撫でている。少女はぴょんぴょん跳ねて、小さな足に黒い刺繍布靴を踏んでいた。古代ではこのような光景は春の日にしか見られなかっただろう。この女の子は歌を口ずさむのが楽しいですね。



【7】 語理夢中さま:「私たちの現代語短歌」

 さりげない現代口語で綴られた日常風景たち。描かれるのは過ぎ去って行く物事や、猫や娘への想いたち … 斜めに積み書きされた九十余首の歌を通して読み終えた時、仄かな切なさと可笑しみと愛しさがほろ苦く遺っていました。


    「拾い物」


   呟いた

    鏡に向かい

     スーツには

      似合わないかな

       猫のしろひげ



    「優しいね、なんて嫌い」


   イヤなのよ

    優しいなんて

     その言葉

      ビンゴカードの

       真ん中みたい



    「楽しかった」


   何もない

    部屋の灯りを

     消して出る

      私が最後

       外す表札



    「あきらめ」


   飯を盛る

    古い写真を

     投げ捨てて 

      思い出貯めて

       飯は食えない



    「闇鍋」


   星たちを

    ことごとく避けて

     出来た闇

      鍋で煮込んで

       一緒に食べよ



    「可愛さ余って、、、」


   のこのこと 

    ついて行って 

     すぐに寝る 

      軽はずみな 

       君が可愛い



    「物理法則」


   右耳に 

    人差し指を

     差し入れて

      貫き通せば

       出て来る不安



    「光も届かぬ」


   海底の

    サンダルつつく

     魚たち

      陸の悲劇を

       露とも知らず



    「偶然を願う」


   夕暮れに

    約束はなく

     期待だけ

      その角から

       君が来たなら



【8】 D.G.SKYさま:「御犬山椒わうぴりり」

 世界観や切り口が非常に独創的な七首の短歌でした。どの歌にも漢字二文字のタイトルと解説が。


         「無知」



         ううふうと


       唸る御犬の沈丁花


     老いぬ私はかくと知らずに



* 「ううふう」とそこで唸っている犬が実は不死であることも、老いることのない私は知らずに生きているのだ。

 → 一体どういう世界観なんじゃ(笑)!「御犬」と「老いぬ」が楽しいです:友未



         「堕天」 



         惹き合へば


   枢(くるる)外して蝶番(ちょうつがい)


      鉄の翼よ地に墜ちるまで




* 男女が互いに惹かれ合うと蝶番のような強固な想いで結ばれる。蝶番が鉄の翼を開いたり閉じたりして羽ばたくように、男女が恋をするというのは共に重い翼を持って墜ちてゆくことなのだ。

 → 比喩に迫力があって、説得力充分。どこか神話めいた味わいが … :友未



        「鮎霜」

        


         鮎の背を


       流して送り煌めいた


        霜柱しゃっきり


         汗が恋しい



* 鮎を捕まえずあえて川の中に見送ったら、その背中がきらきらと煌めくのが見えた。霜柱をしゃっきりと踏みしめる。なんだか夏の汗が恋しいなあ。

 → 鋭い生理感覚が美しい。:友未



        「落粒」


        

         さらさらり


       指と交わした砂の聲


       乾く涙も海に戻せよ



* さらさらと音を立てて指の隙間を落ちてゆく海辺の砂。私の頬で乾いた涙も、砂に混ぜて海に戻しておくれ。

 → 「指と交わした」が秀逸:友未



【9】 Lezzy(佐伯安奈)さま:「わが句帖」

 この句帖は、今回の参加作の中で、最も現代的な文学性で友未を堪能させてくれました。一口に俳句と言っても、その書き方はひと様々です。例えば友未自身は実際に見聞きしたり体験した事だけしか詠みませんし、五七五は死守しますし、どうぞご自由に解釈して下さいと読者に委ねるのではなく、自分の言いたいことをできるだけ簡単な単語と平易な表現で精確に伝えたい方なのですが、もちろん、そうした、いわば古典的な美学だけが正しいという訳ではなく、他にも様々な可能性のある事は忘れたくありません。多くの現代俳句は、破調を楽しんだり、理屈で説明できないような非論理表現を好んで用いますし、実は、友未もそういう句が結構好きなのです。ただ、極度の直観性や、私的言語だけをポツンと置かれると、芭蕉のある種の句と同様に、解釈することを無理やり強要されているような窮屈さやしんどさを感じてしまう場合があることもまた事実です。その点、Lezzy(佐伯安奈)さまのこの句集は、尖った言葉や意表をつくイメージに拠ってはいても、故意に現代ぶったり、殊更に言語実験に走ったりするような所がなく、安心して寄り添わせて頂く事ができました。詩的で大変レベルの高い作品でした。



   き貝をのぞく二月の海がある


   撲殺ののち薫風の清き朝


   薔薇朽ちて嬰児の顔の如き色


   殲滅せんめつ、と書き終えるまでの鼓動かな


   夜桜や彼岸から来る救急車


   胸ひとつ挽歌やまざり桔梗咲く


   ダビデ像あかぎれせずと胸を張る


   この林檎とあの林檎と何が違うのか


   木枯こがらしやされど自裁じさいは彼のもの


   蒼天に象眼ぞうがんされし枯木かな


   永遠の窓辺に注ぐ牛乳ミルクかな


   散るさくら一ひらずつの物語


   新しき瓶に椿を活け無言





【表彰式】🎊🎊🎊

 それでは皆様、長らくお待たせ致しました。

 いよいよ、これより第一回 詩歌大賞 の発表と表彰式に移らせて頂きます。

   

   https://youtu.be/BxqhlMzSJnE


大賞は …


【大賞】 五月雨や母の手紙の字に染みて 小濱宗治さま


〔講評〕五月雨の中、作者は手紙を携えてどこかへ向かう途中なのでしょうか、それ  

    とも窓から飛び込んで来た雨粒が手元の手紙の文字をにじませたのでしょ

    うか。しみじみとした情感が、誰の目にも一目でわかる紛れのないイメー    

    ジで詠みこまれた素朴さ、平易さに敬意を表します。おめでとうございま

    す!


では、続きまして佳作三作品と、特別賞の発表です。


   https://youtu.be/cOKnbAmeD64


【佳作(順不同)】

 

 妻外出なれど茶を二杯淹れてしまひ晩秋の庭に悄然とをり 医師脳さま


 もみじばを ふみこしまかる 山野辺やまのべに 冬のおとなひ 告げるつわぶき  古博かん様


 木枯こがらしやされど自裁じさいは彼のもの Lezzy(佐伯安奈)さま


〔講評〕

医師脳さま:可笑しみと侘しさの微妙に重なり合った陰影が、西洋的な「詩情ポエジー」という言葉では巧く捉え切れないようなそこはかとない詩歌的味わいを醸し出してみせて下さいました。おめでとうございます!


古博かん様:ただただ美しい奏でに耳をそばだてておりました。静寂の中、厳しい冬へのいざないであるつわぶきの小さな黄色が、「困難に負けない」というその花言葉通りに輝いているかのようでした。おめでとうございます!


Lezzy(佐伯安奈)さま:「彼」が何者であるかを知らなくてもハッと立ち止まらされるような秀句でした。「自裁」が「彼のもの」である衝撃はもとより、「されど」の含みの的確さに唸らされました。おめでとうございます!


【特別賞】


日中文化交流賞:「诗集」 @bailimuさま 

        嬉し過ぎる驚きでした!とりあえず五言絶句を勉強いたします。

最優秀企画賞:「⭐️不定期連載⭐️とち狂って突然俳句に目覚めたクレイジー文士の     

        俳句を読者が採点する!」 小濱宗治さま

        俳句啓蒙に一石を投じる画期的なアイデアでした!


以上、受賞の皆様、おめでとうございます。

そして最後に、ご参加頂きました全ての皆様方、ありがとうございました。

これに懲りず、次回、詩歌企画の折にもまたお立ち寄り頂ければ幸いです。


 では、ひとまず友未による第一部はこれにて終了とさせて頂き、15分間のトイレ休憩を挟んで、引き続きゲストコメンテーターの古博かん様によるセレモニー第二部へと移らせて頂きます。セカンドオピニオン?いえいえ、友未以上に真っ当な、ここからが大賞選考発表の本番です。結果は友未自身もまだ知りませんからドキドキ、ワクワクです!


 🎍  🐇 🎍  🐰 🎍 🐇  🎍 🐰  🎍  🐇 🎍  🐰 🎍 


詩歌大賞受賞作品(古博部門)


【 大 賞 】

D.G.SKY様「御犬山椒わうぴりり」無知より

ううふうと 唸る御犬の沈丁花 老いぬ私はかくと知らずに


 無茶苦茶迷って、そろそろ決めなきゃ……と思っている矢先に飛び込んでこられたこの作品が、不肖ワタクシの選んだ大賞です。


 決めては「ぬ」です(え、何言ってるのって?)


 本文では、老いることを知らない(否定形)で添え書きされておられましたが、老いてしまった(完了形)としても捉えることができる「ぬ」。


 沈丁花の花言葉の一つ「不死」に掛けておられるのは勿論のこと、実際の沈丁花は数十年生きれば良い方、手入れを怠ると十年保たないこともある、樹木としては比較的短命な植物であることを踏まえると、全く真逆の意味を「ぬ」一つでさらりと詠み込んでいる演出がニクイなぁと思いました。


 短歌は言葉遊びも楽しみの一つなので、おいぬさまさまで面白かったです。


【 佳 作 】

医師脳様「👴 老いの繰り言 👵」より

「チキュウカラコウゲキウケタ」と小惑星(爺医)


 佳作一本目は医師脳様の風刺川柳を選ばせていただきました。

 エピソードタイトルに短歌と俳句(川柳)を織り込み、本文で添え書きをされているスタイルに、思わずにっこりです。(私もやってるので勝手に親近感・笑)

 短歌では医師脳(いしあたま)、俳句・川柳では爺医(じじい)と使い分けされているのも小洒落ているし、拘りも感じられて拝読するのが楽しかったです。

 時事ネタを引っ張ったほんのりと皮肉の香るスタイルが粋だなあとニヤニヤしました。


 元ネタは、2021年11月下旬に打ち上げが成功したNASAのDART探査機が、地球近傍小惑星の一つであるディモルフォスに無事に(?)衝突成功したというニュースですね。

 これが地球側の自己都合丸出しの実験の一環であったこと、勝手にターゲットにされて小惑星もさぞや困惑したことでしょう……と改めて、進化しすぎる科学技術も宇宙規模では傍迷惑な行為なんだなと思い知ったユニークな作品です。


平中なごん様「俳怪句集」第三句 人数が合わない より

三人で 入った喫茶 水四つ


 佳作二本目は平中なごん様のホラー川柳です。

 実に、分かりみが深い(何を言っている)

 え、皆さんもご経験ありますよね? 頼んでないのに、なぜかプラスワンされている気の利いたサービス。そのまま「頼んでません」って突き返しちゃったら廃棄されてしまうだけだろうし、こんな場合は勿論、素知らぬ顔で美味しくいただきますよ、私は。SDGsのGsはGhostsの略ですよね、分かります。

 まあ、頼んだのに私の分だけ延々来ない……という逆パターンもありますけれどね。ホールのスタッフさんには、私の姿が見えていないのかな? おかしいな。


Lezzy(佐伯安奈)様「わが句帖」1より

日々の死はざくろの中に埋もれけり


 三本目は、実は同じ作者様の別の一句「蒼天に象眼ぞうがんされし枯木かな」と迷いました。

 後者は「ああ、綺麗だなぁ」と素直に自分の中に落とし込めたから、前者はいろんな解釈ができるため無茶苦茶深読みしてもまだ落とし込めない淵があるから、というのがそれぞれの理由なのですが、色々読み取れるからこそ絞れないモヤモヤする感じが私の中で僅差で伸びました。


 復活と繁栄の象徴であり、女性の美容の味方(笑)でもあるザクロ。でも、血の表現でもあり、愚かさを揶揄するものでもあり、毒にも薬にもなるザクロ。洋の東西を問わない宗教的にも重要な役割を占めるザクロ。


 植物(果実)として受け取っても解釈の幅が広いのですが、柘榴石(ガーネット)と拡大解釈した時に脳裏をよぎったのが世界的に有名な産地でした。インドやアメリカでは初期コロナ被害の甚大さが際立ったし、ミャンマーやロシア(希少種が採れる)では戦禍を否応にも想像してしまいます。


 一定数、日々失われていく命(寿命だったり、偶発的な事故災害だったり)は確かにあるし、想定外のイレギュラーで失われてしまった多くの犠牲を思わずにはいられない世相だからこそ、たった十七音の奥行きが深すぎる……と、背筋がゾワゾワしました。

 敢えてのひらがな表記であろう「ざくろ」も深読みが深読みをよんで、ずーっと気になる作品です。


【 グローバル特別賞 】

@bailimu様「诗集」无题2より

闲来细数相思豆,单双皆成偶。

丝竹清幽舞长袖,只道梦悠悠?

身为千金万户侯,只恋胭脂扣,

高堂明镜白发愁,青丝来世修。


(暇な時には相思豆を数える、すると豆はみなペアになる)

(ひょうたん絹の笛の音に合わせて舞う貴女は、夢の中にしかいないのか)

(カネもステータスもあるが、映画ルージュの如く貴女が恋しい)

(豪華な設えの鏡の前で白髪の自分を憂い、来世を貴女とやり直す)


 漢詩(厳密には作者様のオリジナル自由詩)です。友末様からご連絡いただいた初見、私の顔文字は古のネット民→「キタ――(゚∀゚)――!!」(死語)と化しました(笑)


 実は、もう一つの大賞候補がこの作品でした。


 漢詩と言えば多分、教科書でよく見る五言律・七言律で整った唐の時代が馴染み深いと思うのですが、この作品については、七音と五音で字体を整えつつ「韻律」がない自由詩と予め添えていることで、いかに中国語で綴る詩が漢字の持つ意味のほかに「音韻」を大事にしているかが窺えるなぁとしみじみ思いました。


 そして、ちょいちょい背景を知らないとワケわかめ(死語)な表現はあるのですが、理由がわかるとゾッとするという醍醐味がある、ということで、この詩を選ばせていただきました。


 まず、初っ端の「相思豆」ですが、英語だと「lovesick beans」と出てきて、この作品の若干ネガティブな恋愛要素を匂わせてくるのですが、日本語では「唐小豆トウアズキ」と呼ばれる赤い種子部分に致死性の高い猛毒を持つとんでもねぇ豆です。(片や、白い種子は媚薬として処方されることもあったとか無かったとか)


 丝竹というのは素朴な伝統楽器で、調べたら、装飾と音響を兼ねてると思われるヒョウタンと複数の竹を組み合わせた可愛い管楽器の一種でした。日本語では「ひょうたん絹楽器」としてAmazonでも購入可能でした(笑)


 さらに「胭脂扣」。

 無理くり翻訳にかけると「脂肪ボタン」という謎単語を生むのですが、往年の香港映画のタイトルで、邦題では「ルージュ(胭脂扣)」となってました。

 ばっくりストーリーは、心中した相手を亡霊になって彷徨い探す——という香港らしいゴースト映画で、キャスト、監督ともに豪華で話題を呼んだ作品のようです。


 そして、この詩の女性は「独白する男の理想像」であり、それは実在の人物を想定しているかもしれないし、妄想の中にしかいない架空の女性に対して死を厭わないほど焦がれているかもしれないという、サイコなヤバさが浮かび上がってきます。


 この作品のキーワードが解明できて読み直すと、


「うわぁ……愛はlove狂気sickだ !!!!!!! (((((∑(°Д° ))))) 」


 という、一周回って新鮮なホラー要素満載の衝撃を食らいました。

 はい。愛のあるホラー(コメディが加味されると尚更)は、ワタクシの大好物ジャンルでございました。


【 祭りだワッショイ賞 】

小濱宗治様「⭐️不定期連載⭐️とち狂って突然俳句に目覚めたクレイジー文士の俳句を読者が採点する!」第16話 春の総括回 リベンジ俳句の巻より

窓辺から 君が見ている クロッカス


 いや、特別賞何個あんねーん! というツッコミ、大歓迎です(笑)

 絞り切れずに僅差で弾いたけど、惜しいので引っ張り上げてきた作品その一が、こちらです。

 読者巻き込み型で進化する俳句が斬新で面白いなあと思いまして、ぜひ一作挙げておきたいなあと。

 この句も改変後です。季語の鮮度を見直された結果、十代の学校生活がありありと思い浮かぶ初々しくも可愛らしい青春の句に進化しています。一度詠んだ句を再編する、貪欲かつ素直な姿勢にプライスレスのリスペクトを。


友未 哲俊様「日々のうた 2」猫景色より

生まれてもまた夢に落つ子猫かな


 主催者に大賞、佳作を贈るのは、なんだか忖度したみたいで何かヤだ。(・ω・`)という私のワガママなのですが、落とすにはあまりに忍びなくてこちらにそっとサルベージいたしました。

 子猫って、ついさっきまで起きてたやん !? はちゃめちゃに遊び回ってたやん !? と思ったら唐突に寝落ちしたりしますよね。それも、びっくりするような場所で、姿勢で。

 これは、もう、ずるいですにゃ。可愛いが過ぎますですにゃ。にゃ。(肉球びったーん)




 


 

   

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