第2話 進化

 少し時間が経ち、俺のホネホネな体は元に戻った。

 

 「キャーッ!!」


 二人が進んだ洞窟の奥から鈴という女の叫び声が聞こえた。(鈴ちゃん!!)

 

 俺は急いで二人の進んだ道を走った。骸骨ではあるが、移動速度はめっぽう速かった。そして、彼女の声が段々と近づいてきた。そして、俺は二人のいる場所に到着した。


 茜という女は倒れこんでていて、彼女はこの洞窟の主と思われる強そうな骸骨に襲われようとしていた。


 (スケルトンレイダーLv40!?)


 そして、その骸骨は剣を振り上げて彼女に切りかかろうとした。


 (やめろ!!)


 俺は彼女を抱えて倒れ、間一髪、その骸骨の斬撃から彼女を守ってあげることができた。しかし、俺がこんな見た目であるせいで別のスケルトンに襲われたと思ったのであろう。彼女は俺の顔を見て気絶してしまった。


 (ごめんね。鈴ちゃん、俺、悪気は一切無いんだ。)


 俺は彼女を抱え下ろした後、再び敵の骸骨からの斬撃を間一髪避けることがでた。俺はそのまま相手の胸に飛び込んだ。

 俺はまだ武器がなかったため、掴み合いにもっていくことにした。そして、相手の骸骨と掴み合いが続く中、相手と俺の体の骨が次第にバラバラになっていった。そして、掴み合いの末、相手の骨は無くなった。


 (よっしゃー!勝ったぞ!!)


 俺は2本の腕でガッツポーズをした。


 (え? 二本? )


 俺は自分の体に違和感を感じて、再び足元の水溜りで自分の顔を確認する。すると、一つしかなかった頭が二つになっていて、体の骨の本数が倍近く増えていた。

 

 より人間と関わることが難しくなった俺の体を見て俺は呆然としてしまった。


 


 

 

 

 

 

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