第1話 恋の始まり

 目の前に二人の女の子が現れた。そして、こちらを確認すると二人はすぐさま戦闘態勢にはいった。それと同時に俺の前にいる二体の骸骨も戦闘態勢に入った。

 

 「鈴! 私は右のあいつを倒すから、鈴は左のやつをお願い!」

 

 「うん。分かった。」


 骸骨と二人の女の子が戦っている中、

俺は左で戦っている鈴という女の子に見惚れていた。

 その見るからに明るく優しいオーラを漂わせる女の子は正にこの世界のヒロイン的存在であった。


 「喰らえ。スラッシュ! よし! 鈴!レベル上がったよ!」


 「すごいよあかね! あとこの子で最後だね。 」


 茜という女は俺の目の前に立ち剣を構えた。

 俺は一瞬の出来事にすぐさま手を上げて命乞いをした。しかし、茜という女は躊躇することなく俺を切ろうとした。


 「茜やめて!」


 「どうしてよ。鈴。」


 「その子手を上げて降参してるよ。だから、お願いだから見逃してあげて!」


 (鈴ちゃん。いつか俺と結婚しよう。)

 

 「いーい?鈴。これはバグなの。多分このnpcはこのゲームのバグで動けないだけよ。このゲームにこんな仕様ないから、このまま倒しちゃっても何も問題ないのよ。       そーれ♪」

 

 俺は茜という女に切られて、動けなくなった。しかし、幸いにも死ぬことはなかった。そして、二人はさらに洞窟の奥深くへと消えていってしまった。


 (待って! 鈴ちゃーん!)


 俺の悲痛な叫びは心の中で響いた。

 

 

 

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