第95話 ギャルビッチとの初夜

「というわけでティア、お前には今週中に孕んでもらうぞ」


 この町を繁栄させて男爵になり、さらには子爵まで成り上がるにしても、まずはギャル子を懐妊させて準男爵にしてもらわんと始まらん。

 だからヤる! ヤリまくる! 

 顔だけエルフは今週から危険日の筈だから、『超妊活週間』始めるどー。


「普通の男に言われたら冗談としか思えないけど、イクっちだと現実味があり過ぎて本気で濡れちゃうわ~♪」

「それは話が早くて助かる。さあベッドへ行こう」

「その前にお風呂に行ってくるわ。帰ってきてまだ着替えすらしてないのよ~」

 そうだった。ギルドから帰って来てすぐに部屋に押し掛けたままだわ。

「それはスマンかった。俺も自分の部屋で風呂に入って着替えてくるわ」

「アタシと一緒に入れば良いじゃな~い♪」

「我慢できずに無駄撃ちしそうだから遠慮しとくよ」

 今夜は既にルーラとアイリーンで二発放出してしまってるからな。

「まぁアタシも最初はベッドの上が良いかな。じゃあ後でね~」

 部屋の奥にあるバスルームへ向かうティアのプリプリしたお尻を見送ってから、俺も立ち上がり自分の部屋へと歩を進めた。



「最初にお願いしておきたいことがあるんだが……」

 ティアの部屋のベッドで隣に腰かけているネグリジェ姿の美少女は、この期に及んで何を言うつもりなのかと嘲笑を浮かべる。

「もぉ、ムード無いわね~♭♭m」

 サーセン。でも本番中に中折れするよりマシだと思うんだ。

「ティアは経験豊富そうだから物足りなく感じるだろうけど、頼むから、貴族のチャラ男と比べて、『下手くそ』とか『短小』とか言わんでくれよ」

「そんなこと気にしてたんだ~♪」ニヤニヤ

「くっ……俺はデリケートだからな。そんなん言われたら萎えちまうんだよ」

「ふーん、でも大丈夫よ。どうせ比べようがないから~♪」

 おぃぃぃぃ、比較にすらならんほどの短小ちゃうわっ!

「そこまで俺も酷くはない………と、思う……」

 まぁ、この世界の貴族の男の実力は見たこと無いから知らんが。

 とはいえ、娯楽が少ない分、女遊びばっかりしてそうだからテクは凄そうだ。


「そーいう意味じゃないって。文字通り比べられないのよ。だってアタシ──」


「まだ処女だもん♬」ドンッ


 ファーーーーーッ!? 

 ま、まーたまた御冗談を。ないわー。絶対にないわー。

 三度の飯よりエロトークが大好物なお前が言うにことかいて処女だとぅ。


「ちょっと何を言ってるのか分からないですね」

「だから、ここにまだ膜がちゃんとあるって言ってんの~」

 ブフォーーーーッ!!

 男の前で平気でパンツ脱いで「くぱぁ」する処女なんておってたまるかっ。

 ……いやマジなん?

 ちょっと、お言葉に甘えて見せてもらっちゃおうかなぁ…………


 ────嘘だろぉぉぉぉぉおおおおおおおおおお!!!


「ね、あるでしょ~、処女膜♪」

「あったわ。信じられんけどエマの時に見たのと同じようなのがあったわ」

「嬉しい? ね、嬉しいんでしょ。ずっとヤリマンだと思ってたら実は処女で、今から自分の肉棒で女にすることができるなんて最高に燃えるでしょ~♬」

「お、おぅ……驚きすぎてそこまで気が回らんかったけど、言われてみたらメチャクチャ燃えるシチュエーションだわ」ムクムクムクムク

「えっ嘘っ、マジマンドリル!?」

「何が嘘でマンドリルなんだ?」

「触れても無いのに大きくするなんてフツー有り得ないでしょ~♪」ニヤニヤ

「この状況で愚息が反応しない方が有り得ないだろ」

 地球の男はみんなこうなんだよ。こっちの男が軟弱なんじゃい。

「ま、イクっちは性獣で変態大王だから何でもアリよね~♪」

 うむ、それは誉め言葉として受け取り、その称号を痛感させてやろう。


「お前の言う通り、性獣&変態帝王の本領を発揮させてもらうぞ」 

 

 俺は半裸のティアを押し倒してベッドの真ん中まで運ぶと、エルフそっくりの顔で妖艶に微笑む唇を優しく塞いで、舌をねじ込んでいった……



 チュンチュンチュン、チュチュンがチュン!

 ………小鳥たちのさえずりが聞こえる……ん、朝か………

 あっ、隣で全裸のギャル子が寝てる。そうだったそうだった。

 昨夜はティアの処女を頂いて精魂尽きるまでヤリまくったんだった。

 思い出しただけで愚息がまた鎌首をもたげて臨戦態勢に入ったわ。

 ふぅ、15歳男子の体の性欲はバケモノよな。

 こうなったらしゃーない。寝起きの一発としゃれこむか!

 俺はまだ寝ているティアの豊満な女体の太ももに手をかけた。


「イクっちマジなの~、いくら性獣でも限度ってもんがあるでしょ~♪」


「あ、起きてたか。ちょうど良い。朝の種付けを始めるぞ」

「起き抜けにそんなパワーワードを言われても困っちゃうわ~♬」

「言葉と裏腹に声はメチャクチャ嬉しそうじゃないか。それに、前にも言っておいただろ。時と場所を選ばずにヤリまくるから覚悟しておけって」

「アハッ、そんなにアタシと四六時中ヤリたいんだ。ティアちゃん感激~♪」

「それは認める。爵位とか関係なくティアとはヤリまくりって、髪の毛の先から足指の爪の先まで俺のモノにしたい。ぶっちゃけ、お前とのエッチにハマった」

「ちょっと~、なに急にマジマンドリルで告白みたいなこと言ってんのよ~、でもねぇ、正直言っちゃうけどさぁ────」

 やっぱキモかったか。つい本音が出ちゃったんだよ。許してちゃぶだい。


「────アタシもハマったみたい♬」ポッ


 マジかぁぁぁ。ギャルビッチが照れるとか反則レベルで萌えてまうやろー。

 このあと滅茶苦茶セックルした。朝飯の時間ギリギリまで。



「今日の金庫番はナヴァトゥリーダだから、みんな専属者任務ミッションは無いよね。エマたちはどんな予定になってるのかな?」


 3月20日火曜日の朝。

 熱い一夜を過ごしたティアの部屋から直で食堂に行き朝食の席についた俺は、食事が終わった頃に6人の許嫁たちのスケジュールを訊いてみた。

「ワタクシはピーナとレイラと一緒に北の森へ行って参りますわ。そろそろ本格的に探索を開始しようと思っていますの」 

 それは有難い。あそこは1年後を目途に大開拓&開発するつもりだからな。

 どこに何があるのか、どんな魔獣や野獣が生息するのか知っておきたい。

「北の森には明日、僕も行く予定だから情報を持ち帰ってくれると助かるよ」

「ええ、もちろんそのつもりですわ」

 あっ、探索は二の次で、俺のためにつゆ払いしてくるつもりなのか。

 その優しさにホッコリしたので、エマの手を握って想いを骨伝導させた。

 

「ヴィンヴィンは今日も魔力制御の訓練も兼ねてクエストかな?」


下級冒険士マイナーのエモルたちを連れて私も北の森に入るわ」

 えっ、まさかこの女王様も俺のために動いてくれようとしてるのか。

 その優しさに何か裏があると警戒した俺は引きつった笑顔で礼を言った。

「有り難うございます。明日の討伐クエストの予行演習をエモルにやってくれるんですね。本当に助かりますよ」

「アナタには1カ月で四等に昇格してもらなわいといけないんだから仕方ないわ。貸しにしておくから必ず後で倍にして返すのよ。良いわね?」

「喜んで!」

 そういうことなら、何倍にしてでも返してあげますよね。この体でね。ムフ


「イクゾー君は今日どうするのー?」ニコニコ


 本物の天使以上にエンジェルなレイラちゃんの無邪気な笑顔がマジ尊い。

「僕は皆と一緒にギルドに行って五等級昇格の手続きをしてから、クエスト用に作らせたバッグを取りに工房へ行くよ。その後はアトレバテスだね」

「ふーん、何しに行くのー?」

「僕が探し出した失踪者の人たちと面談してくる。良さそうな人がいたら僕が作る施設や会社で雇ってあげようと思うんだ」

「すっごーい! お兄ちゃんてもう社長さんだねー」

「本当にご立派ですわ、イクゾー様」

「失踪するような人間をわざわざ雇うなんて大丈夫なのかしらね」

「人生、楽あれば肉あり、なのデス」

 ローラが良いこと言ったみたいなドヤ顔してるが総スルーされていた。

「アタシが一緒に行ってキッチリ面接するから心配無用よ~♪」

「超精鋭パーティーのマネージャーの眼力に期待してますから」

「お任せちゃ~ん♪」

 舌をチロチロと嫌らしく動かして誘うのは止めろ。股間に響くじゃないか。

 アトレバテスに着いたら、午後の種付けするからそれまで待ちなさい。

 だが場所が問題だな。いや、あそこがあったか。そうと決まればさあ行こう!




「これが婿殿の新しい冒険者手帳、通称『青天の手帳ブルー・ノート』でやす」


 ギルドに到着してクエストに向かうエマ、ピーナ、レイラ、ヴィンヴィンと別れた俺は、ティアとローラを伴ってギルマス部屋へ向かった。

 そこで言われるがまま書面にサインすると、もったいぶったラムンが青い手帳を両手で差し出してきたところだ。


「これが五等冒険士用の冒険者手帳ってことだな」

「でやす」

「ふむ、六等の緑色の手帳と何ら変わりはなさそうだ」

「へい、以前の活動記録もちゃんと写してありやすです、はい」

「そうか。ありがとさん。まぁ、1カ月以内に四等に昇格して手帳が変わるから、また直ぐに手数をかけることになるがな」ニヤリ

「でやすね」ニヤリ


「男同士でニヤニヤするとか超キモいわ~」


「すいませんティア殿、つい嬉しくなって頬が緩んでしまいました」

「気持ちは分かるわ。昨日から上手く行きすぎてヘブン状態だもんね~♪」

「な…昨日からって……昨日は強盗に襲われて大変……だったじゃないですか」

「自作自演だったくせになに言ってんのよ~」

「げぇ、モロバレ!」ガクガクブルブル

「落ち着けラムン、ティアには全て話して同志になってもらった。問題ない」

「そうでやしたか。安心したでやす」

「それを踏まえてだな。お前に言っておくことがある」

「なんでやしょう?」


「ラムン、俺はな、この町の領主になるつもりだ」ドンッ


「へっ? ちょっと言ってる意味が分からないでやす」

「今はそれでいい。説明は時が来たらする。とにかく、俺が領主になるからこの町の代官として町長になっているお前は、その地位を失うことになる」

「それは構わないといいやすか、むしろ有難いでやすね、はい」

「町長は良く言えば名誉職、実際は押し付けられた雑用係と言っていたもんな」

「実権は無くて、いざという時に責任を取らされるだけの役回りですから」

「酷いもんだな。だがそれも早ければ今月までだ。今後は専業マスターとして冒険者ギルドの発展に全力を注いでくれ。もちろん、俺も全面協力する」


「へい。しかし、本当に婿殿が領主になったら町おこしも捗りやすね!」


「そういうことだ。強権発動してでも町の予算をつぎ込んでやる」

「こりゃあギルドの発展も待ったなしでやすよ!」

「ギルドも大改革するからお前も忙しくなるぞ」

「大改革でやすか?」

「そうだ、北の森を開拓して冒険者ギルド本部ビルを新設する」

「ギルドを移転させるんでやすかっ」

「ああ、しばらくは北の森の開拓と開発がメインになるからな。冒険者の主力は新設する本部へ移して存分に力を発揮してもらう」

「本部ってことはココは支部として残すんでやすね」

「銀行があるからな。ま、いずれは銀行も動いてもらう予定だが」

「でやすか。これからスゴイことになりそうでワクワクしやすねぇ」ニヤリ

「この田舎町がどれだけブレイクするのかと想像すると胸が弾む」ニヤリ


「まーた、男同士でニヤニヤしちゃって超キモいわ~」


「お前も一緒に明るい未来を夢見てドキワクしてもええんやで」

「そうでやすよ。あたしらはもう仲間なんでやすから」

「マネージャーは夢見がちじゃ務まらないのよ~、イクっちも先のことを考えるのはいいけど、まずは明日のクエストで躓かないようにしてよね~」

 むぅ、一理ある。

 準備は怠ってないが、万全を期すには更なる戦力補強があってもいい。


 現状は、俺(打撃手)、ルーク(剣士)の前衛二人に、エイミー(風術士)、ソフィア(神官)、エモル(地術士)の後衛三人という討伐ユニットだ。


 ヴィンヴィンの紹介でエモルが加わってオオアナグマ討伐の成功率がグッと増したはずだが、後衛が増えた分、前衛も一人増やすのが上策だろう。

 特に術士の二人を護る盾士を加えるのが最適解だと思われる。


 でも俺にそんなコネはないしなぁ。

 誰かに紹介してもらうにしても、俺は冒険者から嫌われてるから厳しいか。

 ヴィンヴィンたちを慕ってベルディーンから来た冒険者にもさすがに屈強な盾士はおらんだろ。女ばかりだったもんなぁ。

 ふーむ、どうしたものか………あっ!


 ────俺にも一人いたわ。盾士の知り合いがいたじゃないか。ククク……

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る