第84話 旧神戦争勃発!暗躍のニャルラトホテプ!3

「くっ、マタタビエリクサー!」


 キウイはマタタビパワーで猫たちを元気にさせる。しかし人間には効きがいまいちだ!


「すみませんキウイさん、私はここでくるくるまるまりあぶりイカですー……すぅ」


「セピアさん寝たー!?」


「ケヒャヒャヒャ……ただの人間には荷が重いなァ……ぐぅ」


「エノコローさーん!?」


「ワシももう無理ぴょ〜んキウイたん後は任せた〜……ぐがー」


「親父強いんだからもうちょっとなんとか粘ってよ!? ホントつっかえねえな!?」


 そのキウイも体がよろめく。


「くっ、俺も眠くなってきた……やばい……」


「キウイーっ!? 寝るなだにゃー!! 寝たら死ぬにゃー!!」


「トウガラシを口に押し込んで眠気覚ましだぜ!」


「眠らない夜を彩るセクシーピンクなイケメン☆フラッシュ! まぶしければ寝づらいよね!」


「まぶたにピラミッド埋め込んで閉じないようにしとこうかしらぁ」


「ちょうどいい枕を見つけたと思ったら、アツアツのお好み焼きだった。これにてプラマイゼロ」


「熱い熱い痛い痛い!! みんな俺を殺す気!?」


 言っている間にも、こたつ大増殖は止まらない。

 今やこたつぬくぬくオーラはウルタール全域を覆い、ドリームワールドを越えて現実世界にも侵食していた。世界各地で目撃されるUFK未確認飛行こたつ


「ダメだ、俺ももう、耐えられな……すやぁ」


「キウイーっ!?」


 キウイ睡眠! マタタビエリクサーの供給が途切れ、猫たちにも睡魔が襲う……!


「アハハハハ! みんな眠ればいいサ!

 そうしてこたつ浸食した世界を、ミーは悠々と占領し我が物とするのサ!

 これぞミーを追放した世界への復讐……ンン?」


 ゴッドホッピーはいぶかしんだ。

 途切れたマタタビエリクサー、そのパワーが、にわかにふくれ上がった。その理由を確認するより早く……イカ触手! ねこじゃらし烈風! よだれ大瀑布! 世界樹ジュース! ゴッドホッピーを襲う!


「な、何事なのサ!?」


 ゴッドホッピーは見た。さっきまでなかったはずの、新しいねこみみを。


「体がおかしいです。イカ人間になったとき以上に、でもすがすがしい気分で……マタタビが染み渡りますー」


 ねこみみイカ人間獣医セピア!


「ケヒャヒャヒャ……猫をモフることに人生を懸けていたらァ、自分が猫になるとはなァ……」


 ねこみみねこじゃらしマスターエノコロー!


「困りましたね、いぬみみとねこみみで耳が被ってしまいましたよ」


「アタシはバトルできればなんでもいいぜ!」


 ねこみみいぬみみ人間ズ!


「うっふーんワシもねこみみだにゃーん☆ 似合っとるかのー?」


 ねこみみ世界樹ユグドラシルの化身カイジュ!


「な、な!? 何が起こっているのサ!? なんで猫じゃないヤツらにねこみみが!?」


 ねこみみ母が、口を開いた。


「日本語の『ねこ』という言葉の、語源をご存知ですか?

 一説には、ごろごろと眠りこける様子から取られた、すなわち『寝子ねこ』であるとされます」


 ねこみみ母は、断言した!


「すなわち!! 寝る子はみんな、猫なのです!!」


「こじつけサ〜!?」


 そしてマタタビパワーが高まる! 供給しているのは、当然ねこみみマタタビ人間キウイだ。自身も猫になったことでマタタビエリクサーの恩恵を受け、供給するたびパワーアップ! 無尽蔵にオーラがあふれる!


「ホッピー! 君もつらい経験をしたんだと思う、でもそれはそれとして!

 俺たちの世界は、俺たちが守る! そうだろう、みんな!!」


「「「「「おおーっ!!」」」」」


 ねこみみ人間たちが、ロボに挑む!

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