最終章 猫よ世界たれ!ウルタールは夢の国!
第71話 おいでませウルタール!
「ウルタール! 夢の国ドリームランドに存在するといわれる猫の国だにゃ!
今スズたちは、そこに足を踏み入れているにゃー!!」
「やかましいわよぉスズ。状況が分からないからってとりあえず叫ぶんじゃないわよぉ」
ウルタール。
古都のおもむきがある美しい町。
町には猫やねこみみ人間があふれ、猫好きのパラダイス。
「ボクたちの最後の記憶は、家に謎のこたつが届いて、みんなで丸くなって寝ていたところまでだよね。
それで夢の国につながって、ここに来たのかな」
「ほっぺをつねっても目は覚めねぇな。一人じゃないだけなんとかなるだろ。
ねぇキウイのアニ怪奇全身猫まみれ人間!?」
目を向けると、素肌も何も見えないほどびっしり猫にまとわりつかれたキウイがいた。
「最近ここまでマタタビに食いつく猫がいなかったから油断したけど、これだけねこねこパラダイスじゃこうなるよね……」
「ケヒャヒャヒャ、オレがそこら辺にアロマオイルを配って分散させておくよォ……」
「息子よ。ウルタールは『猫を殺してはいけない』という法律がある町です。注意しましょう」
「も、もし私のイカパワーで猫ちゃんを傷つけちゃったら、どうしましょう?」
「カムカムがセピアを守る。心配はいらない」
「よくこれだけこたつに入れたね? 全部で九人?」
わちゃわちゃするキウイたちに、声をかける者があった。
おそろしく顔の整ったねこみみ人間。
「チャーオ! ユーたち外の世界からのお客さんサ?
この町では今日、新しい猫の王の即位式があるのサ!
見て楽しんでいくといいサ!」
「そうなのかにゃ。行くあてもないし見てくにゃ」
「あなた何者ぉ?」
「ミー? ミーはニャルラ……いやいや! ミーのことなんてどうでもいいのサ!
もし呼ぶならホッピーとでも呼んでくれたらいいサ!
さあ、即位式はあっちなのサ! 案内するサ!」
「ちょっ、みんなついてく感じ? バラバラになるのもよくないし、俺もついてくけどさあ」
一行は即位式の会場に向かった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます