第54話 いぬみみ人間襲来!クー・シー!1
苗宮家。
今日も今日とて騒がしい。
「ねぇねぇスズぅ〜ダーリンからちゃんとお返事もらったのぉ? 関係性は進んだのぉ? ねぇねぇねぇねぇ?」
「うるさいにゃジャミーラ。返事も何もまだ何か言ったわけじゃ……」
「『まだ』ぁ?」にまにま
「フシャーッ!! オマエ黙ってろにゃ!!」ぽいっ
「靴下ッ!! フレーメン反応ッ!!」
「ほらほらキウイのアニキ〜スズのアネゴも困ってますぜ〜? ここはアニキの方から行くべきじゃないっすか〜?」
「そうだよキウイ君、スズ君に恥をかかせ続けるのはボクはよくないと思うな」
「あーもーアブリマルもハンサミィもうっとうしいなあ。俺らの問題なんだからほっといてくれたっていいじゃんかもー!」
『そう言って問題を先延ばしにするの、ワシよくないと思うな!』
「親父もわざわざリモートであおらないで!? 仕事だからって天国戻ったのにヒマなの!?」
『ヒマもヒマよ大ヒマよ! 何しろ世界が平和になったからなーがっはっは!』
「これだけ平和では、みんな息子やスズさんをいじるしかやることがないのでしょう」
「うふふー、私も時間を持て余して、ペアルックのブレスレットを作りましたよー。暗いところで光りますー」
「マスターのゴーサインがあれば、カムカムはいつでもドッキリイベントという名のプラマイゼロを招く所存」
「セピアさんにカムカムまでいるし!! うちは溜まり場か!!」
「ケヒャヒャヒャ……この平和はァ、おまえたちの頑張りのおかげだぜェ……」
「もう俺はツッコまんぞ……はぁーあこんなんなら事件があった方がいいよ、そっちに気が向くんだから」
「キウイオマエ、そんな縁起の悪いこと言って本当に引き寄せたらどうするにゃ……」
ピンポーン。インターホンが鳴った。
全員が玄関の方を見た。母が開けた。英国紳士風のナイスミドルいぬみみ男性が、深々とおじぎをした。
「ごきげんよう、マタタビ人間の苗宮キウイ少年、そしてねこみみ人間諸兄。
小生は種族をクー・シー、名をワン・チャンと申します。
このたびは犬といぬみみ人間を代表し、宣戦布告にまいりました」
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