第30話 無機なるガーディアン!招き猫!2
夜の動物病院。
ねこじゃらしで鍵をピッキングし、エノコローとキウイは侵入した。
「何がどうあってねこじゃらしがピッキングなのか、ツッコミは放棄するけど……気をつけてください。イカ人間だけじゃなく、仲間に招き猫の化身もいます」
「招き猫かァ……つまり無生物ってことだとォ、おっ」
手に持ったねこじゃらしが、わずかな風を受けて揺れた。それは敵の気配だった。
「ケヒャヒャヒャ、そこだァ!」
エノコローはねこじゃらしを投擲した。物陰からねこみみ人間が顔を出し、ねこじゃらしをつかみ取った。
「招き猫の化身カムカム、マスターの指示のもと、侵入者を排除する」
「ケヒャヒャヒャ……オレはねこじゃらしマスターのエノコロー、やれるもんならァ、やってみなァ!!」
「招く」
「エノコローさんの持つねこじゃらし! 普段よりだいぶ大きい、突撃の勢いで、重さに耐えられない……折れた!?」
「ねこじゃらしが特大サイズという幸と、折れてしまう不幸。これにて……」
「ケヒャァ!!」
「逆の手で風を! 折れたねこじゃらしを吹き飛ばして、カムカムに……届いた!」
「……!」
「折れちまったがァ、特大サイズなおかげで風を受けやすかったぜェ……これにてプラマイゼロ、だなァ」
カムカムはなでられた箇所を払い、エノコローに顔を向けた。極めて無機質に、カムカムは言った。
「そして、カムカムをなでる行為に、どのような効果があるか疑問。カムカムは無生物であり、触覚は無意味」
「まァ、そうだよなァ……ケヒャヒャヒャ」
エノコローはねこじゃらしを構え直した。
「なら、教えてやるよォ……猫が人間になでられる意味をなァ……!」
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