第21話 猫よ結束せよ!キウイ奪還作戦!3

「ケヒャヒャヒャ! 歓迎パーティーを開いてやるよォ!」


 エノコローはねこじゃらしをばらまく!


「させねえぜ! 焼きつくしてやるトウガラシガブガブ! か、か、辛ぇー!!」


「打撃力はボクがまかなうよ! 炎の照り返しを浴びて輝けボクのすべすべボディ! イケメン☆フラッシュ!」


「ケヒャヒャヒャいいコンビネーションだなァ! だが甘ァい!」


 ねこじゃらしが風を巻き起こす!


「炎がわたあめみたいに絡め取られたにゃ!」


「しかもビームまで、炎のゆらめきに乱反射させられてかわされたわぁ!」


「まだだ! オレサマがもっともっと炎を吹き散らかすぜ!」


「何度やってもォ……ッ!? 火力がさっきと段違いだなァ!?」


「アブリマルさんが先ほどまで食べていたトウガラシは一般的な『鷹の爪』! 対して今食べたのは『ハバネロ』そして『ジョロキア』! 辛さレベルが数段上です!」


「アブリマルの火力ってそう調節するんだ!?」


「これを絡め取るのは至難の業だがァ……それならァ!」


 疾風一閃! エノコローは風とともに炎をくぐり抜け、猫たちに接近! なでる!


「……!」


 エノコローのねこじゃらしになでられれば、あらがえぬ快感にやられ一瞬で戦闘不能になる。

 だが、そうはならなかった。


「こいつらァ……敏感なポイントにフジツボみたいに貼りついてる、これは小さいが、ピラミッドかァ!?」


 ジャミーラが胸を張った。


「サモン・ピラミッド! 堅牢なる文明の守護を切り崩せるかしらぁ!?」


「そして仕込みはまだあるにゃ!」


 踏み込んできたエノコローの周囲、毛玉が破裂! シャボンの膜が四方を取り囲む! さながら万華鏡のように!


「フィニッシュはボクだよ。全方位攻撃なら、ねこじゃらしによる視線誘導だって効果ないよね。

 その身にボクの美しさを刻むがいいよ! イケメン☆フラッシュ☆カレイドスコープマーチ!」


 ハンサミィから放射された光線はシャボンの膜を乱反射! 中心のエノコローを焦点として集まり、着弾する!


「ぬゥゥ……ぐわあああーーッ!?」


 閃光が広がり、砂ぼこり。静寂。


「や、やったかしらぁ?」


「……まだだにゃ!」


 爆発的な風が散った! エノコローは服を焼かれながらも耐え切り、素肌をさらした上半身には、クジャクの羽のごとく大量のねこじゃらしが展開した!


「やるじゃねえかァ……! ここからは、第二ラウンドだぜェ……!」


「それ服の下に仕込んでたの? かゆくなかった?」

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