なえみやねこねこ大騒動！ 〜マタタビ人間ってどういうこと！？〜

第14話 アブリマルのクッキングタイム

「はいよォお待ちどう！　五徳猫アブリマル様の特製マーボー豆腐だぜ！　トウガラシたっぷりの男の味だぜェ！」

　アツアツのマーボー豆腐が、キウイたちの前に並べられる！

「いただきまーす。もぐもぐ……うまっ！

　めちゃくちゃうまいよアブリマル。確かに辛いんだけど、それに負けない豊かなうまみがあって、食べる手が止まらなくなる！」

「ス、スズはギブアップだにゃ。猫舌にこんな辛くて熱いもの食べさせるなんて、正気じゃないにゃ」

「あらぁ〜スズ情けないわねぇ？　この程度で根を上げるなんて見た目通り、お・こ・ちゃ・ま、なのねぇ」

「うるさいにゃジャミーラ。オマエいつまでいる気だにゃ。てかオマエも汗だらだらじゃないかにゃ」

「これは汗じゃないわぁ！　ナイル川の氾濫よぉ！」

「氾濫しちゃダメじゃない？」

「イケメンのボクにとって、このスパイシーな料理を食べて汗を流すのはキャラなのか？　キャラじゃないのか？　判断に迷うね」

「なんでハンサミィまでいるの！？」

「みんなのハートを奪うために、ボクはいつでも君のそばにいるよ！」

「出された料理を食べずにくっちゃべるだけなら帰れにゃ」

「冷たいねえスズ君、部屋に一人イケメンがいるだけで空間がとてもはなやかになると思わない？」

「単にまぶしいだけにゃ」

「イケメンのボクが光り輝いていて目に毒と！　なるほどそれはごもっともだ！」

「物理的に光ってるにゃ」

「うふふんイケメンさぁん、わたくしイケメンさんが辛い料理を食べてセクシーに汗をしたたらせる様子が見たいわぁ〜」

「ほう！　異国の美女からリクエストとあっては仕方ない！　確かに日本には『水もしたたるいい男』という言葉もあるしね！」

「そういうわけでぇ、わたくしからもサービスさせていただくわぁ〜」トウガラシどばどばー

「ならスズもサービスするにゃ、喜ぶにゃ」タバスコどばどばー

「ふっふん！　レディ二人からサービスされては、期待に応えない方が無粋だ！　このキャスパリーグのハンサミィ、いざ実食！　いただきます！　ぱく！　●☆$◎％〒△〜〜！？」

「ぶっははははは！　イケメン顔がっ！　見るも無惨な姿にっ！　傑作だわぁ〜きゃはははは！　げーらげらげらアヒーアヒーアヒー」

「ジャミーラ、すごい笑い方するよね」

「せっかく作ったんだからおいしく食べて欲しいんだけどなァ……まあ楽しそうだからよしとすっか」

「アブリマル、俺おかわりもらっていい？」

「はいよォキウイのアニキ！　いっくらでも盛るぜ！　アニキにはマタタビエキスをたっぷり出してもらわねーといけねえからな！　ガンガン食べて体力つけていただかねぇとォ！」

「俺やっぱマタタビとしての存在価値しかないのね……おいしいもん食べさせてもらったしそのお礼くらいは頑張るけどさあ」

「それだったら、体張って戦ってるスズだってお礼をもらう権利があるにゃ！」

「スズは四六時中ぺろぺろしてるでしょ！？」

「それならぁ、わたくしみたいなナイスバディな美女がいるだけで健全男子高校生のダーリンはお目々がハッピーよねぇ？」

「まず着ぐるみみたいに着込んでるピラミッドを脱ごうか。なんで今日そんなの着てるの」

「キウイ君は脱いだら喜ぶと！　仕方ないイケメンのボクがキウイ君のためだけに肌をさらしてあげよう！」

「俺男には興味ないんだけどなー！？」

「んじゃアニキはスズのアネゴやジャミーラさんなら興味あるんですかい？　にしし」

「ス、スズも脱いだ方がいいのかにゃ……！？　ちょっとそれは、心の準備が……！」

「違うそういうことじゃなーい！？」

「心の準備とかギブアンドテイクとか置いといてぇ、強引にぺろぺろしちゃえばいいことよねぇ？」

「おおっとそれならオレサマが先だぜ！　メシ代としてたっぷり徴収してやるよォ！」

「ふ、イケメンなら時には強引に行くのもいいよね。追い詰めてあげるよキウイ君」

「お、オマエらにキウイは渡さないにゃ！　キウイはスズのものだにゃー！」

「結局群がってくるんかーい！　ちょま、やめて、そんないっぺんに、待って、ぎゃあああ〜〜！！」

「息子よ、楽しそうですね。とっぴんぱらりのぷう」