第11話 災厄なるイケメン!キャスパリーグ!3
場所は商店街の一角、路上ライブなどができる場所。
巨大な招き猫が見下ろす。
観客はイケメンのハンサミィ目当てに若い女性が多い。
「さて、改めてよろしく、猫又のスズ君。イケメンながら女性と争うことになるのは悲しいけれど、ボクは手加減はしないよ。せめて美しく決着をつけよう」
「自分の心配をしてるがいいにゃ、キャスパリーグのハンサミィ。スズは生き汚いから、そのハンサムフェイスに攻撃を当てないようにとか一切考えないにゃ」
母が旗を振り下ろし、バトル開始の合図をする!
「第一手は当然これにゃ! 猫なら悶絶間違いなしのシャンプー毛玉をくらえだにゃ!」
「うっ……!」
ハンサミィに毛玉が炸裂! 泡が飛び散る!
「直撃だにゃ! 早くも決着にゃ!?」
「いや……違うスズ! ハンサミィのあの様子は!」
ハンサミィはシャンプーを泡立て、髪の毛になじませながらうっとりと微笑んだ!
「ボクの美しい毛並みを磨かせてくれるのかな? 気遣い感謝するよ」
「こ……コイツ! 『シャンプーに慣れている』にゃ! イケメンだから! 自分磨きに余念がないから!」
「あれじゃシャンプー毛玉は通用しないよ!」
「まだにゃ! スズの切り札はそれだけじゃないにゃ! キウイの体から抽出したマタタビフレーバー毛玉、これで酔っ払うがいいにゃ!」
「ああっ……!」くらり
「これは効いたにゃ! 決着かにゃ!?」
ハンサミィは頬を紅潮させ、シャツの胸元をはだけ、壁にぺたりとしなだれかかった。
「ふぅ、ボク、酔っちゃったみたいだよ……」
「「「キャーーッハンサミィ様ーーっステキーー!!///」」」
ハンサミィのセクシーなポーズに、周りの女性たちが興奮した。
「ぬぅぅ、うっとおしいギャラリーだにゃ」
「! いやスズ、気をつけろ! ハンサミィの様子、何かがおかしいぞ!」
ポーズをとり続けるハンサミィにはイケメン特有の謎の光が降り注ぐ。その光がいや増す……!
「気づいたときには、君はイケメンにとらわれている。イケメン☆フラーッシュ!!」びかーっ
「にゃにゃーっ!?」
「ハンサミィからビームが出てきた!?」
うなじや流し目からビームを出しながら、ハンサミィは宣言した!
「これこそが災厄なるイケメン・キャスパリーグたるボクの異能! 『イケメンの罪深さを体現する』! ボクがとるあらゆるイケメン行動は光エネルギーに変換され、身を焦がす熱線となる!!」
「それつまり『俺に恋するとヤケドするぜ』的な意味かな!? やっぱバカだよこいつ!!」
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