第9話 災厄なるイケメン!キャスパリーグ!1

「ただいまーふう今日も一日疲れピラミッドインザハウス!?」


 キウイが帰宅すると、自室にピラミッドが鎮座していた。こたつ大の。


 ピラミッドのてっぺんがパカっと開いた。


「はぁいダーリンごきげんよう〜。今日もすこやかねこねこライフを楽しんでるかしらぁ?」


「オマエはバステト分霊のジャミーラ! なんでここにいるにゃ!? 誰の了承を得てスズの部屋に入り浸ってるにゃ!!」


「俺の部屋だよ!?」


「リーゼントした五徳猫の了承だけどぉ?」


「アブリマルー!! オマエなんでこんなヤツ部屋に入れたにゃー!!」


 台所からエプロン姿のアブリマルが顔を出した。


「アネゴの知り合いだって言うから入れたんスけど、まずかったですかい?」


「初対面の相手の言うこと素直に聞くなにゃ!! コイツは敵だにゃ!! キウイをスズの手から強奪しようとする大悪党だにゃ!!」


「俺スズのものでもないからね?」


「あらぁ〜スズひどいわねぇ〜。戦いを経て友だと認めてくれたじゃなぁい」


「それはそれ!! これはこれだにゃ!!」


「まあまあスズのアネゴ。悪い人じゃないですぜ。おみやげもくれたし」


「モノでつられてんじゃないにゃ!!」


「でもうめぇっスよ、岐阜特産の鮎菓子」


「なんで岐阜なんだにゃ!? エジプトはどうしたにゃ!!」


「スズ知らないのぉ? 岐阜県にはピラミッドを模したテーマパークがあるのよぉ」


「知るかだにゃそんなこと!! とっとと失せろだにゃ!!」


「やぁよぅせっかく来たのに。せめてダーリンのマタタビフレーバーを味わうわぁ〜」


「フシャーッ!! キウイに触るなにゃー!!」


「俺全然しゃべる間もなかった!!」


 スズはキウイをひっつかんで、家から出ていった。

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