第871話初音と霧響の電話
『ダメだよ』
「え・・・」
『ダーメだってば!』
霧響に言われた通り初音に霧響のことも連れて行って良いかと聞いてみたところ、即答で拒否された。
『もちろん霧響ちゃんは私の妹になるんだから、そーくんがあの女の名前出した時みたいに他の女の名前出すな、なんてことは言わないよ?でもだからって彼女のとキャンプに妹同伴っていうのはおかしいよね?』
もう本当に完膚無きまでにその通りだ。
「・・・その通りだ」
『・・・はぁ、でもそーくんの事情もなんとなくわかるよ、十中八九霧響ちゃんに私のことも連れて行ってくださいとかって頼まれたんだよね?ちょっと霧響ちゃんに電話代わってもらってもいい?』
「・・・わかった、ちょっと待っててくれ」
俺は一旦マイクをオフにする。
「霧響、その・・・」
「説得に失敗したんですね、それで白雪さんに全て見抜かれてしまい次は私に電話を代わって欲しいと言われたと、そんなところですか」
霧響は霧響で本当に俺のことを理解しすぎていて逆に怖いところまで来ている。
「・・・あぁ」
「・・・わかりました、私が白雪さんとお話しします」
霧響は俺に渡されたスマホを受け取ると、早速初音との会話を始めた。
「代わりました」
『あ、霧響ちゃん?もう、そーくんのこと困らせたらダメでしょ?』
「困らせているつもりはありません、ただ私が寂しくなってしまうというだけです」
『素直だね、でもそーくんは私のなの』
初音が何を言っているのかは聞こえないが、霧響の表情が少し暗くなった。
すると次は強気な表情になって言う。
「いいえ、少なくとも今に限って言わせていただくのあれば、お兄様は私のものです」
『え・・・?』
「なっ・・・」
霧響がどういう経緯があってかどうかはわからないが理解のできないことを言っている。
「何を言ってるんだ霧響!」
そんなこと言ったら初音が絶対に怒る。
そしてその火の粉がキャンプの時にでもその焚き火の火の粉のように俺に降りかからないとも限らない・・・上手く言ってる場合じゃない。
「白雪さんになら、この意味、わかりますよね?」
『・・・わかるけど、そーくんは霧響ちゃん相手に関しては自衛力高いと思うけど?それは今までのことでわかってるし』
「それはどうでしょうか、もし私がお兄様の意思を尊重せずに武力行使をすれば、はっきり言ってお兄様の防衛なんて関係ありません」
言っていることが物騒すぎる、一体どんな話をしてるんだ。
『・・・霧響ちゃん、そんな感じだからいつまでもそーくんに子供扱いされちゃうんじゃない?』
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