第856話復縁
「初音、話がある」
「うん、待ってたよ!」
今度は初音のことを校舎裏に呼び出した。
話す内容はもちろん・・・
「また付き合い直そう」
「もちろんだよ!・・・でも、そーくんがそのことを私に言ってきたってことは、もうあの女とはちゃんと話をつけてきたの?」
「あぁ、しっかりと関係性には区切りをつけてきた」
って言っても結愛自身は今後も想いを変える気はないとは言っていたが、とにかく浮気をしていたという関係性には決着をつけられたという認識でも大丈夫だろう。
「そっか・・・!そーくんもやるようになったね!」
「やるようになったって・・・」
「前までのそーくんだったら変に誤魔化して逃げてそうなところなのに、今はしっかりとこうして向き合ってくれてる、だからそーくんもきっと成長したんだよ」
「そう・・・なのか」
そうだと良いな。
・・・でも確かに、何ヶ月か前の自分よりは、確実に、成長できている感じがする。
「そーくんにはその心の成長みたいに、もっと他の欲求も成長して欲しいんだけどね〜、将来のためにもさ」
「他の欲求?」
「子孫繁栄みたいなね」
最近は真面目に関係性のことで話題が持ちきりだったから初音の口からそういう関連のことを聞くのは久々な気がする。
「将来のためって・・・なんでそれが将来のためになるんだ?」
「そーくんの言う通り、高校生の間は確かにそういうのはしなくても困らないのかも知らないけど、大人になったりするとやっぱり必要なことだと思うの」
「そう・・・なのか?」
「うん、そうだよ」
初音からは嘘をついている感じがしない。
もしかすると本当に大事なことなのかもしれない。
「・・・わかった、あとちょっと考えさせてくれ」
「うん・・・じゃあ、浮気問題も解決したことだし、これでようやくあれについてちゃんと話し合えるね」
「・・・あれ?」
「忘れたの?そもそもこの浮気問題になる話の前に話してたこと」
えっ・・・あ、そうだ、思い出した。
「初音の両親に会いに行くって話か?それも俺の誕生日に」
「そうそう!」
今は9月の下旬、俺の誕生日の10月10日までそう遠くない。
「そーくんにはとにかく私の両親に関することを触りだけ教えてあげる」
初音のお父さんが社長さんだと言うことはかなり前から知っているが、それ以外に情報がなかったから教えてもらうのは助かる。
「わかった、話してくれ」
まず気になるのは初音のお父さんだ、社長さんなんて・・・俺がちょっとでも変な素振りをすれば社会的に抹消されかねない。
「まず私のお父さんに関してだけど・・・お父さんのことは何も気にしなくて大丈夫、適当でいいから」
・・・え?
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