第836話最低な行為
「・・・
あまり思い付かないが、今までの霧響の傾向だけで考えるのであれば俺に女性として扱われず妹扱いされると怒っていたな。
・・・とはいえ今はそれを受け入れて家族愛という新しい形になることを受け入れてもらおうとしているのにそこを刺激するのは違うか。
「難しいな・・・」
初音は最低な行為と言っていたが・・・最低な行為と言われれば本当に最低な行為しか浮かばない。
・・・いや。
「むしろ、それをやるしかないんじゃないか?」
初音が嫌がること、ではなく最低な行為という表現をしたのはきっと俺の甘さを捨てさせるためだ。
つまり嫌がることなんていう生ぬるいことではなく、俺は霧響に最低な行為をしなくては、霧響の将来の幸せには繋がらないということだ。
「・・・よし」
俺は霧響のために、霧響に全力で嫌われる!
俺は早速リビングに戻り、作戦を決行する。
「霧響、ちょっとキッチンに一緒に来てくれないか?」
「はい、わかりました!」
まずは霧響と2人きりになる。
ここからは本当に最低なことをする。
「霧響、このキャベツを千切りにしてくれないか?」
「え・・・?はい!わかりました!」
一瞬困惑があったようだが、霧響は言う通りにそれを行ってくれている。
今霧響は左手でキャベツを抑え右手で包丁を握っている。
つまり・・・無防備。
本当はこんなこと絶対にしたくないが、これも霧響のため。
俺は霧響の背後に立つと、服の上からではあるが霧響の胸に両手で触れる。
・・・ごめんなさい神様俺だって本当に本当はこんなことしたくないんです、許してください!!
「えっ、お、お兄様!?」
さぁ後は霧響が俺に罵声を浴びせるなり手で俺のことを叩くなりして嫌われればいいだけの話だ・・・が。
「こ、このように遠回りなことをしなくとも、私はいつでも・・・このままベッドへ行きますか?」
・・・あれ?
「正直お兄様がここまで積極的に、それもこの状況でとは・・・完全に予想外の一手、流石ですお兄様」
そう言いながら霧響は俺の手を引っ張り急いで霧響の部屋に俺のことを連れ込んだ。
霧響の部屋にはぬいぐるみ等は無いが、ほのかな良い香りと薄紫の色がベースとなっている部屋のインテリアから女の子の部屋なんだということはわかる。
そして薄紫色のベッドの上に俺たちは何故か今座っている。
「お兄様、兄妹等ということは気にせず、ただお兄様の感情と欲情だけを今目の前にいる私にぶつけてください、全て受け入れます」
・・・どうしてこうなった?
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