第834話お兄様の好きなところ
「じゃあ試しに俺の・・・その、好きなところを上げてみてくれないか?」
そこから何か霧響が好きな人に成り得る人の特徴が分かるかもしれない。
「お兄様の好きなところ・・・全て好きですが、細かく言わせていただくのであればお兄様の顔、お兄様の性格、お兄様の声、お兄様の体格、お兄様の足、お兄様の首、お兄様の目、お兄様の表情、お兄様の目、不意に見せるお兄様の物欲しそうな表情、お兄様のかっこいいところ、お兄様の可愛いところ───────」
「ちょっと待て、わかった、よくわかったから一度落ち着いてくれ」
「これだけで・・・良いんですか?他にもたくさんありますが」
「あ、あぁ、もう大丈夫だ」
全てにお兄様のっていうのが付いているのが非常に厄介だ、それだと俺以外には適応する人間がこの世には居ないことになる。
なら、ここからは詳細に霧響のことを分析する必要がある。
「その・・・例えば、俺の目のどこが好きなんだ?」
「どこが・・・言語化するのが難しいですが、凛々しくも優しさのある目、でしょうか」
「・・・なら、多分凛々しくも優しさのある目をした人なんて世界には俺以外にもたくさんいるはずだ」
「少なくとも今までの人生でそのような方をお見かけしたことは、テレビや雑誌等を含めありません」
そんなに特徴的な目をしているわけでは無いから今まで見たことがないというわけがないと思うんだが・・・
「全く同じはいなくても、似たような目の人は居るんじゃないか?」
「全く同じでないと意味がありません・・・というのはお兄様を困らせてしまうということを私はわかっているので言いませんが、お兄様のような崇高な方と似た目をお持ちな方などどこにいるのですか?居るのであれば私の目の前に連れてきてください、私が直接確認して差し上げます」
霧響がいつにもなく強気になっている。
「・・・性格なんて、俺は特に強気なわけではないしかと言って弱気すぎるわけでもない、普通だと思うんだがそれはどうなんだ?」
「私のことを熟知してくださって恋愛以外のことに関しては何もかも理想の対応や行動をしてくれるお兄様のような方は他にはいません」
わかってはいたことだが大分重症なようだ。
俺は今まで霧響の俺に対する感情を無くすとまではいかないまでもせめて家族愛になってくれればと思い奮闘してきたわけだが、それだけを考え過ぎて逆にその先のことを一切考えることができていなかった。
「それは・・・そうかもしれない」
「でしたら───────」
「俺だけじゃそれに答えを出すことができないから、色んな人を呼んで相談してみよう」
「・・・それでも答えが出なかったら、私はこの気持ちを諦めません」
「・・・・・・」
その後俺は、俺が呼べる人たちを呼び出し、この件を相談してみることにした・・・俺だけでは無理でも、複数人で考えれば可能性はいくらでもある!
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