第809話言ってしまった
「そーちゃん!最高の1日だったね!」
「・・・・・・」
俺も素直に遊園地を楽しんだ記憶を残したかったが最後の事が強烈すぎて嘘でも最高の1日だったなんて言うことはできない。
「あ、おかえりそーくん、遅かったね」
「あ・・・」
初音は先に俺の家に居たらしい。
・・・そういえば連絡すると言っていたがスマホを確認する間も無かったな。
・・・怒られる!
「ご飯できてるから、リビングきてね」
「え?あ、あぁ」
初音はそのままリビングの方に戻っていった。
・・・あれ?
てっきり怒られてしまうのかと思ったが、初音は特に怒る事が無かった・・・初音で無くても怒られるの覚悟だが。
「・・・あの虫も、やっと私とそーちゃんの関係を認めたみたいだね」
「・・・ん?」
なんだこのデジャブ感。
つい先日もこの流れで・・・
「ふんふふ〜ん♪どのお薬のお注射が良いかな〜」
「やっぱりこうなるのか!」
ご飯を食べてから少し時間が経った後、まだ20時にもかかわらず急激な眠気に襲われた、このような状態異常に慣れている俺は遅効性の薬を盛られたのだと瞬時に分かったがその時にはどうすることもできなく、久しぶりに両手足が拘束されてしまっている。
「当たり前じゃない?私からの連絡も無視するし、勝手に他の女と出かけるし、最近そーくんこういうこと多いから罰を与えないとね」
その機嫌の緩急が怖い。
初音はどの注射器を使うかを決めたようで、2本の注射器を俺に向けて持ってきた。
「って2本!?」
「そうだよ?っていうかこれからお注射往復リレーが始まるんだから、そーくんは頑張らないとね!何回行けるかな?」
そんな命懸けのシャトルランみたいなことをさせられるのか!?
「はい、1本目〜」
「ちょっと待っ、えぁ・・・」
痛みとともに何かが注入されてくるのがわかる。
・・・これは。
「まずは興奮剤だね」
「まずは!?」
興奮剤よりも上なんて・・・割と結構ありそうで考えるのがおそろしい。
「こんなんで驚いてちゃダメだよ、そーくんは浮気者なんだから」
「う、浮気者!?」
結愛との関係性がバレたのか・・・?
「うん、あの後輩の女と学校で浮気してるんでしょ?何今更私の口からそれが出たくらいで驚いてるの?」
あぁそっちか・・・本当に今命の危機を感じた。
どっちにしろダメなことは分かっているが結愛の方は特にバレたら命が半分以上全部未満無くなるだろう。
「そ、そんなに嫌なら俺と別れればいいだろ?」
「は?」
「あ」
なんだか言ってはいけないことを言ってしまったような気がする。
「あーあ、とうとう言っちゃったね、私がそーくんと別れたくないって分かっててそんなこと言ってくるんだねそっか〜・・・もう知らないから」
初音は俺のその言葉によってタカが外れてしまったのか、何の躊躇もなく連続で俺に詳細不明の薬を投与した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます