第783話初勝利
「どうせならそーくんから脱がせて欲しいなー」
「・・・え、今からなのか!?」
前向きにとは思ったが三ヶ月が普通と知った直後にいきなりするのはいくら何でも心の準備が追いつかない。
「当たり前でしょ?もしかしていきなり、とか言わないよね?私はずっと言ってきたし、それに今を逃したらそーくんなんてまた何か言い訳作ってシてくれないでしょ?」
「いや・・・今までは恥ずかしさと高校生でそう言うことをするのが異常だと思ってただけで、それが常識だって分かったなら俺だって言い訳なんてしない」
「そうだけど、なんかなー、別に良くない?」
「万が一子供ができたら大変だから、そう言うのも一緒に色々調べてしたいんだ」
「なんで子供ができたら困るの?」
これに関してはいくら常識といえども俺のことを味方してくれるだろう。
高校生の内から子供を作るのが普通なわけがないしな。
「普通は高校生で子供なんて作らないだろ?それに、大学受験とかもあるわけで、子育ての場合じゃないかもしれない」
「だから、そーくんは大学受験のことなんて───────」
「俺は初音のことも言ってるんだ」
ここはしっかりと言い切っておかなければいけないところだと思ったので、しっかりと言い切っておく。
「私が大学受験に落ちるかもって言うの?」
初音の技量からしてそれは絶対に無いだろうが・・・
「そうじゃなくて・・・もし高校生のうちから子供を産むなんてなったら大学受験どころじゃないかもしれないだろ?」
「それは───────」
「それに、前の話の続きになるけどもし女の子が産まれた場合にどうこうするっていう考えはもう変わったのか?」
「・・・・・・」
初音は黙り込んだ。
珍しく俺が初音のことを言葉だけで捲れた瞬間なんじゃないだろうか。
「だったら、まだしないほうがいいだろ?」
「でも・・・でも!」
「ダメなものはダメだ」
「・・・じゃあせめて抱きしめてキスして、そうしないと不安で夜も眠れないよ」
俺はそろそろ慣れてきた・・・わけではないが場数をこなし、最初よりはスムーズにできたであろうハグをした。
もちろんドキドキはしているため、もしこの心臓の鼓動が初音にも伝わっているのであれば非常に恥ずかしい。
「もう〜、そーくんまだドキドキしてるのー?良い加減慣れてよー」
どうやら伝わってしまっていたようだ、恥ずかしい。
「じゃあキスも・・・して?」
「・・・・・・」
俺は3秒という俺にしては頑張った記録を叩き出し、そそくさとその場を後にした。
「・・・子供、ね」
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