第769話浮気の露呈?

 俺は今現在、数ヶ月ぶりにあの地下室に来ている。


「ま、待ってくれ!本当に違うんだ!これには訳があるんだ!」


「・・・・・・」


 この道中初音を説得しようと試みたが、一向に無視を貫かれてしまっている。

 ・・・仕方ない、あんまり人のことを話すのは好きじゃないが自分の命には変えることができない。


「じ、実は、あゆから相談されたんだ」


「・・・相談?」


 ようやく話を聞いてくれそうな感じになった。


「あ、あぁ、前学校に登校しようとしたら怖い人に絡まれたとかで、俺も一緒に居た方が安心するって言われて・・・そ、そんなこと言われたら先輩としても男としても放って置けないだろ?」


「・・・そもそもあの女が怖い人に絡まれた、なんかで本当に怖がるとは思えないし、そーくんと居た方が安心するなんて嘘に決まってるよね?あの女が一度でもそーくんに頼りになるなんて言ったことあるの?」


「・・・あ」


 ・・・確かに!

 なんで俺はこんな簡単なことに気づかなかったんだ・・・


「で、仮にそれが真実だとして、そーくんはそれを私にそのまま伝えるべきだったの、それなら私だってその時点で情報を精査できたしこんな風に監禁しようなんて風にも思わなかったのに・・・」


「・・・今改めて本当に悪いと思ってる」


「うん、それは伝わるよ」


「っ!なら──────」


「でもそーくんはそれだけじゃなくて、最近私のことを不安にさせすぎなの」


「不安にって・・・?」


「そーくん、浮気してるよね」


「え・・・!?」


 初音は何やら確信めいた証拠でもあるように言う。

 ・・・こんなあっさりバレるのか!?

 それよりも、これは・・・どうなんだ?

 本当に確信できるような証拠があるのであればここは絶対に本当のことを言って素直に謝るのが一番生存率が高い。

 がそれでもおそらく片腕は切断されるレベルのことをされてしまうのが容易に想像できる。

 一度軽くとは言えナイフで刺されてるんだ、もう何が起きても驚かない。


「なーんて、言ってみただけだけどね」


 心臓に悪すぎるだろ!!

 本当に・・・心臓が。

 その冗談でどれだけ俺の命が危機に晒されたことか。


「でもやっぱり不安なものは不安なの・・・だからね、そーくん、今から私の前で情けないところ、いっぱい見せて❤︎」


「え、え?な、何をする気なんだ?」


「言わなくても分かるでしょ、そーくん、本番はこんなところでしないまでも・・・そーくんの情けない顔見るだけなら他にも方法はあるもんね?」


「ひぇっ・・・」


 それから俺は地下室で大声を上げ続けさせられるようなことをされた。

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