第763話月愛との再会
「・・・そうだった」
俺は教室の前に来て、一緒に学校に登校するとは言ったものの教室では俺が1人なだけだと言うことを思い出した。
・・・というか登校するのが怖いってだけなら俺が登校しなくても普通に校門前まで見送ればよかったんじゃないだろうか。
「バカか俺は・・・!」
どうする・・・数ヶ月ぶりに教室に入るなんてそうそう簡単にできることじゃない、これが初音とかなら全く気にしない鋼のメンタルというものを持ち合わせているのかもしれないが生憎と俺には鋼のメンタルなんていうものは存在しない、何かで表現するとしたら毛布メンタルくらいだ。
そんな俺がほぼ学校をただただサボっていたのに今更登校するなんて気まずいにも程がある。
俺が数分ほどそうしていると、後ろから声が聞こえてきた。
「え、あなた・・・」
俺が明らかに俺に向けられた声だと思い後ろに振り返ると、そこには月愛の姿があった。
「月愛・・・!?」
久々にその姿を見て何故か少し動揺してしまう。
「あ、あなた、今までどこにいたの?」
よくわからないが月愛も動揺しているらしい。
「ど、どこって、普通に家に居た」
「・・・そう」
俺と月愛は久々に少し話しながら一緒に教室の中に入った。
別に月愛のことを隠れ蓑にするなんてつもりはないが、教室で1人気まずくなんてことにならなくてよかった。
ーあゆPartー
私が中学生の時にはとっくに解ける簡単な授業の終わりを告げるチャイムが鳴った瞬間、私は私に話しかけようとしてくる人たちを無視してすぐに教室を出た。
もちろん目的は先輩に会いに行くため!!
「もちろんただの恋する乙女ってだけの理由じゃなくてぇ」
初音先輩も結愛先輩も天銀先輩も学校に来てない以上、先輩はクラスで孤立してるはず。
そこに私が颯爽と駆けつけて、先輩が私を求める状況を作り上げて、名実ともに私が初音先輩よりも彼女に相応しいと先輩にわからせる!
私はすぐに先輩の教室の前に着いた。
「せんぱ─────え?」
私が先輩に声をかけようとドアを開けようとしたところで、その開けようとした手は少し開けたところで止まる。
先輩が見たことない女子生徒と楽しげに会話をしてた。
「先輩の・・・同級生?」
でも初音先輩が先輩と他の女子生徒が話すことを許すなんてことするわけないはず、それが同級生、それもクラスメイトなら初音先輩から隠れて友好関係を築くなんて少なくとも先輩には無理な芸当。
「・・・ちょっと探ってみよっかな」
私は勢いよくドアを開け、叫ぶ。
「せんぱぁ〜い!!」
「え、あ、あ─────」
先輩が私の名前を呼ぶ前に私は先輩に抱きついてそれをキャンセルする。
最近この遊びにハマってたりする。
「先輩!誰ですか〜?その話してる女の子!」
「な、何って、普通に友達だ」
「友達〜?」
私はその女子生徒を少し観察する。
髪の毛はロングの妹ちゃんよりもちょっと長くて完全な黒色、感情はあまり表には出なさそうな表情。
「何かしら」
口調と態度からもわかる通りちょっと変わった人・・・だけど。
「せ、先輩、普通の友達なんて居たんですね」
「それは失礼だろ!」
私は素直に思ったことを口にした。
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