第759話そーくんが怪しい
「そーくんがあんなこと言うなんて・・・」
きっと女の誰かに唆されたんだろうけど、そんなので簡単に自分の感情を見失わないで欲しいなぁ。
「ほんっと、もし私が一週間も不在にしてたら、全然浮気なんて余裕でされちゃうんだろうなぁ」
ま、そーくんが浮気なんてしてたら顔に出てすぐわかるけど。
「・・・そう、顔に出てすぐわかるの」
今までもずっとそーくんは怪しかったけどここ最近特に、いきなりそーくんは怪しくなった。
これは女の勘なのか、それとも無意識の内にそーくんの変化に気づいている自分がいるのか、それはわからないけど、とにかく最近のそーくんからは怪しさを感じる。
「さっきいきなりあんなこと言ってきたのだって、もしかしたらその怪しいことと関係してるかも」
ていうかいきなりあんなこと聞いてくること自体がそのまま怪しい、か。
・・・それはそうとして。
「結婚・・・!」
まさかっ!今までその話についてはお茶を濁すくらいのことしかしてくれなかったそーくんの方から結婚の話題を振ってくれるなんて・・・!
「え、あれってプロポーズ?プポロポーズだったのかな!?」
でもプロポーズならもっと大胆に・・・いやでもそーくんのことだから直前で怖気付いて話を急転換させた可能性もある。
「・・・そろそろ、かな」
そーくんの怪しさの正体が掴めて、それを解決できたら、そーくんに私の両親と会ってもらって、本格的に結婚の話を進めないと。
まぁ、お母さんが反対するわけないし、お父さんに関してはそもそも反対なんてさせないし、私の両親に会ってもらえさえすれば結婚は確定なんだけどね。
「そのためにもまずは・・・」
そーくんの怪しさの理由を突き止めないと。
一番手っ取り早いのはそーくんに聞くことだけど、今私が戻っちゃうとせっかくそーくんの感情の整理中なのにそれを邪魔することになっちゃうし・・・
「女たちの方に聞いてみよっと」
仮に本当に浮気してたとしても、そーくんと違ってそう簡単にボロは出さないだろうけど、聞いておいて損はないしね。
私は全員に、そーくんと浮気してるかどうかを聞いて回ることにした。
返答は・・・
「浮気?してないけど」
「お兄様が浮気相手としてでも私のことを選んでくださればどれほど幸せなことでしょうか・・・!」
「あっ、バレちゃいましたぁ?そうなんですよ〜、実は私と先輩って付き合ってるんですよね〜、学校外でも、言ってなくてごめんなさい〜♪」
「はぁ?あんなのと私が付き合うわけないでしょ」
「う、浮気・・・!?ぼ、僕は男ですし、そもそも最王子くんと浮気なんてするわけないじゃないですか!」
はぁ・・・やっぱりそんな簡単にボロは出さないよね。
1人だけそーくんと付き合ってるとか世迷言吐いてたけど、あの感じからしてまず嘘だろうし。
・・・あ、一応あの女は学校の中でだけそーくんと恋人みたいなふざけたこと言ってたし、嘘でもないのかな?
まぁ、そーくんは今学校に登校してないから関係ないけど。
「・・・ま、別にいっか」
いや、よくないけど。
焦って今すぐに見つけなくてもいいし、浮気してる確証もないしね。
もっと長い目で見て行動しよ。
それから私は、そーくんの動向に今まで以上に目を光らせることにした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます