第757話感情の追及
「初音、ちょっと話があるんだ」
「何〜?」
「俺たちって、恋人なんだよな?」
「・・・はぁ?今更何聞いてるの?」
初音からするとこれは当然の疑問だ。
俺たちは今年の春に復縁している、それから3ヶ月ほどたった今頃、何を聞いているのかと思うのは当然のことだろう。
「いや、その・・・ちょっと最近自分の感情がわからなくなって」
「・・・何それ、私のこと好きじゃないってこと?」
「そ、そうは言ってない!」
「じゃあ何?」
「その・・・な、何かとすぐに脅しをかけてくるというか、な気がして」
言えた・・・なかなかに今まで命惜しさに切り出しにくかったことをとうとう口に出して初音に言うことができた。
これでまた初音との関係が進展できるかもしれない。
「それは私が忠告っていう名の脅しをかけておかないといけないようなことをそーくんがするからでしょ?」
「えっ・・・」
「もしそーくんが何も変なことをしなかったら私はそもそもそーくんにそんなことしなくて済むんだよ?」
「いや・・・そうだかもだが、最近、ちょっと初音のことが、こ、怖くなってきたというか、そんな感じで自分の感情がよくわからなくなってきているんだ」
これに関しては最近、ではなく出会った一番最初からずっと怖いと感じているが、今まではそんなことを言ったら何をされるかわからないというそれこそ恐怖があったため言えなかった。
・・・が、今はもう勢いに任せて言うことができる。
「だから、それはそーくんが余計なことするからだって、そーくんが余計なことしなかったら、そーくんを怖がらせるようなこと私はしないで済むんだから、試しに・・・ていうかずっと私の気に触れないように行動してくれたら嬉しいな、そうしてくれたらそんな感情は無くなると思うから」
俺としてはずっと初音の気に触れないように気をつけている気でいたが・・・やはり初音からするとそれでも十分初音の琴線に触れてしまうらしい。
「・・・ちょ、ちょっと恋人としてわがままを言わせて欲しいんだ」
「っ・・・こ、恋人として?」
「そうだ」
俺はこういう言い方をすると初音は否定から入らないはず、という打算の元枕詞にこう置いた。
・・・今では本当に浮気をしてしまっているため、正直こんな言葉を言うのも本当は嫌くらいだが、これからの初音との未来のためにこのわがままを聞いてもらえるのかだけは確認しておかなければならない。
「な、何・・・?」
「もし俺と結婚したら、もう今みたいなことはやめて欲しいんだ」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます