第755話初音と結愛の違い
「そ、そんなことは無い」
「あるよ、そーちゃんだってわかってると思うけど、あの虫は普通じゃ無いんだよ?」
それは俺だって初めからわかっている、初音に告白という名の半分脅迫をされた時からそれはわかっている。
が、そんなことを言うなら正直に言うと結愛だって初音異常じゃ無いにしろ俺の中では普通ではない。
「もしそーちゃんが私のことも普通じゃ無いって思ってるなら、それはそーちゃんが異常な虫なんかと別れてくれないから、それに合わせるしか無いからそうなってるの」
「う・・・」
結愛の言うことも確かに間違いではない。
少なくとも普段の結愛は俺に対しては優しいのは確かだ。
「じゃあ聞くけど、そーちゃんはあの虫のどこが好きなの?」
「え、どこがって・・・」
どこが・・・
「・・・お、俺のことを好きでいてくれてるところ、とか」
「そんなの私だって同じだよ!」
「ま、待て、わかってる、わかってるから落ち着いてくれ」
これも今までの恋愛人生で学んだ時だが、初音にしろ結愛にしろ霧響にしろあゆ・・・はどうか分からないがとにかく感情が爆発されてしまうと俺にはもうどうしようも無くなってしまうということだ。
「他にもあるんだ」
「何?」
「そうだな・・・料理が美味しいとか、なんだかんだで優しいとか」
「それは、私よりも、なの?」
「・・・・・・」
確かに今あげたことは結愛も俺に対してしてくれていることだ。
「もう気づいたと思うけど、私とあの虫は料理とか、勉強とか、そういう目に見えることは同じくらいできるの、じゃああの虫と私の違いってなんだろうね」
・・・順序、なのかもしれない。
本当に結愛は間違ったことを一つも言っていない。
「・・・恋人になったのが結愛より初音の方が早いから、かもしれない」
「それだけじゃ無いよね?」
「え?」
「確かに初めての、っていうのは大きなアドバンテージだと思うよ?でもその初めてっていうのとあの虫の狂気だと天秤にかけるまでも無いよね」
確かに初めての恋人だからといって許容できる範囲は超えているだろう。
・・・あれ?
「じゃあなんでそーちゃんはそんなのでも耐えれてるんだろうね」
「・・・・・・」
「怖いからだよ、あの虫のことが、怖いから嫌々そうしてるの」
「・・・・・・」
「あの虫と私の違いはそーちゃんに恐怖を与えてるか、違う?」
「・・・違う」
「何が違うの?」
「・・・・・・」
否定してみたが、次に言葉が出てこなかった。
・・・まずい、この空気は。
「悪い、ちょっとトイレに行ってくる!」
俺はこのままだと結愛に言いくるめられることを確信し、この場を去ろうとするも・・・
「待って」
結愛は珍しく俺に暴力・・・ではないが俺のことを拘束するために俺のことを地面に倒した、背中には結愛の手が挟まれてあったため痛くはなかった。
「今、ここで答えて」
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