第746話過去最高の結愛
「やったぁぁぁぁぁぁぁ!」
あれから少しして結愛が俺の部屋に入ったから何をするのかと思ってきて見たら、俺のベッドの上ではしゃいでいた。
結愛がここ最近で一番嬉しそうな声をあげる。
「虫がいない〜虫がいない〜♪」
結愛は本当に嬉しいようだ。
・・・俺は、どうなんだろうか。
初音が居なくなって嬉しいのか・・・?
「う、嬉しそうだな・・・」
「だって!あの虫が居ないってことは、今暫定的にでもそーちゃんの恋人は私だけだよね?彼女は私だけだよね?」
「・・・そうだな」
表にはしてないとは言え俺は結愛と浮気してしまっているから今結愛の言ったことは本意かどうかはともかく正しい。
「やったぁぁ〜!あぁ、この日をどんなに夢に見たんだろ〜!!数年もあればそーちゃんだって絶対にあんな虫のことなんてもう考えなくなって私だけに夢中になってくれてるよね・・・!楽しみぃ〜!」
結愛は俺の方に近づいてくると、俺の手を取とながらジャンプして一人ではしゃいでいる。
「そーちゃんは最初の方は離脱症状みたいな感じで辛いかもだけど大丈夫!私はそこも含めて彼女として癒してあげるからねっ!そーちゃんもあの女の被害者なんだからっ!!」
・・・初音は大丈夫なんだろうか。
本当にもう何年間も会えないのか・・・?
「そーちゃんっ!」
「ぃぃ」
俺は結愛に頬を引っ張られる。
「今あの女のこと考えてたでしょ〜?」
「ま、まぁ・・・」
「いきなり警察沙汰になって動揺するのはわかるけど、あんな虫のことよりも、今は目の前にある幸せを大事にしよ?」
そう言って結愛は本当に恋人のような素振りで自然と俺の腕を組み俺と隣り合わせで椅子に座ると、目の前のノートパソコンを開きネットに『デート場所』と調べ出した。
「ふんふふんふふ〜ん♪」
結愛は本当に初音が警察に連れて行かれたことをどうとも思っていないらしい。
・・・俺もそろそろちゃんとこの現実と向き合った方がいいのかもしれない。
ー初音Partー
あの後私とこの女はすぐに入ってきた警察官二人によって拘束された。
全然抵抗して何なら返り討ちにすることだって余裕でできたけど、これ以上何か問題を起こしてそーくんと離れ離れにさせられる可能性は嫌だったから素直に言う通りにしてあげた。
私とこの女は警察官と一緒にエレベーターに乗らされた。
「これで、先輩と白雪先輩はお別れ確定ですね〜」
「・・・・・・」
「まぁ白雪先輩の方は心までは離れないでしょうけど、先輩に関しては多分桃雫先輩辺りが良い感じに言いくるめてくれて何年も空けば白雪先輩のこととは折り合いが付きそうですよね〜」
「・・・・・・」
私は一見私に対して精神攻撃を仕掛けているこの女に対して、この女の虚を付く言葉を放つ。
「ふ〜ん、で、本心はどうなの?」
「えっ・・・」
それから私とこの女の対話が始まった。
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