第737話送られてきた写真

「はぁ・・・あ、そうだ、危ない危ない」


 私は落ち込みすぎて忘れるところだった用事をなんとか思い出すことができ、スマホを手に持ち、白雪先輩にさっき先輩と撮ったツーショット写真を送りつけた。

 ここで変に文章を添えてもわざとらしいから写真を送った。


「さっ、そろそろアクションあるかな〜♪」


ー初音Partー


`ピロン`


「っ、また・・・」


 私はどうせまたあの女からの煽りメールだと察し、そのメールをあえてみないことにした。

 あのそーくんに寄生してくる女の言うことに影響されるのは癪だけど、確かにそーくんがそんな簡単に貞操を譲ってくれるなら私はこんなにも苦労してない。


「・・・・・・」


 でも、やっぱり気になる。

 そーくんがそんな簡単に譲ることはないとは言え、私の手から離れてしまったそーくんのことを一番手っ取り早く知れるのがこのメール。

 ・・・見て減るものじゃないし、やっぱり見とこっかな。

 そう思い私はスマホの画面をつけてそのメールに飛ん───────


「・・・は?????」


 何これ。

 そこに写されてたのは、そーくんとあの女の・・・上半身しかだけだけど2人ともが揃って裸で布団に覆い被さっている写真。

 ・・・は?

 私は立ち上がりリビングを出ようとするもまた・・・


「はぁ、また?虫、何送られてきたのかわからないけどいい加減学習してよね、そこに何が映ってたとしても、それは煽ってきてるだけなんだからさぁ」


 この女はだるそうに言う。

 きっとそーくんがいないことで元々精神的に参ってるのにここで私がさっきと同じことを繰り返そうとしてるからこんなにもだるそうなんだと思う。

 でも。


「これ見てもまだそんなこと言えるの?」


 私はそう言いながらこの女にスマホの画面を見せつける。

 ・・・本当は私以外の女がそーくんの上半身を見るなんて許せないけど今はそれどころじゃないし、後で殺せば済むしね。


「きゃっ、そーちゃんの裸・・・!じゃなくて・・・え?」


 この女はようやくことの重大性に気づいたらしく、私のことを止めるのをやめた。

 これでようやく邪魔者が消えた。

 はぁ、こうしてる間にもそーくんがあの女に何されてるかわからないんだし、早く行かないと!

 そーくんが我慢できずにまだ私も数回しかもらったことがないそーくんの子種を出しちゃったりする前に!

 ・・・もし私以外の女に欲情してそんなの出しちゃったりしてたらもういよいよそーくんのをちょん切らないといけなくなっちゃうしね。

 まっ!そーくんが私以外の女に欲情なんてするわけないけど。


「よいしょっと」


 リビングから出た私が今いるのは玄関────ではなくベランダ。

 あの女は私の家の5階ぐらい真上って言ってたから上に上に伝っていけば・・・行ける。


「待っててね、そーくん・・・!」

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