第730話〇〇しないと出られない部屋
「な、なんの音だ!?あゆ!?」
「先輩のことを閉じ込めました〜♪」
「は・・・!?」
あゆの声がスピーカーのように部屋中に響く。
俺は試しにドアノブを捻ってみるも、確かに全く開く気配がない。
でもそれだけなら今の轟音は説明できない。
「ほら!よくあるじゃないですかぁ?〇〇しないと出られない部屋!みたいな!それをリスペクトして先輩を閉じ込めてみたんです!」
「ど、どう言うことだ!」
「まぁその部屋をよく見ればわかりますから〜」
本当にふざけてるな・・・なんで神様はあゆなんかにこれだけの知恵と富を与えてしまったんだ。
そんなことを思いながら今一度部屋の中を見てみる。
この部屋は四角形の形をしていて、天井に一つ監視カメラがあり、それ以外は至って普通の部屋のようだが・・・ん?
「なんだこれ・・・?」
机の上に色々なものが置かれている。
柔らかい質感の水筒?のようなものに接着剤の液体?のようなもの、その他にも色々と謎なものが置かれている。
「それが何かぐらいはもちろんわかってますよね〜?」
「え・・・?」
その言い方をされると「わからない」とは言い難いがここは素直にわからないと言っておかないと出してもらえそうにない。
「・・・わからない」
「・・・え」
今度は何故かあゆが疑問の声をあげた。
疑問の声をあげたいのは俺だ・・・!
「え、流石の先輩でもナニに使うかぐらいわかってますよね・・・?」
「だからわからない」
「・・・えぇ」
だからその反応をしたいのはこっとだ、なんで俺がドン引き左れないといけないんだ。
「それは一人えっち用の道具なんですよ〜!男性用の」
「・・・どう言うことだ?」
「もう〜!物分かり悪いですね〜!だからこの部屋は、先輩が一人えっちしないと出られない部屋なんですよ〜!」
「・・・は!?」
何を言ってるんだ・・・!?
「そんなこと──────」
「あぁ、はいはい、そんなことできるわけない、ですよね?」
「・・・わかってるなら話が早い」
「出してあげても良いですよ〜?」
・・・あゆの割には随分と物分かりがいいな。
「でも、その代わりに条件が一つあります」
「条件・・・?」
やっぱり何か裏があるのか・・・
「その部屋から出してあげる代わりに、私とシてください、何をかは・・・もう言わなくてもわかりますよね♪」
「・・・は!?いやいや!ちょっと待て!」
「はい・・・?」
「それじゃあ結局どっちにしろ変わらないだろ!」
「えぇ?一人でするのと私がしてあげるのを変わらないなんて言っちゃうんですかぁ?あゆショックですぅ〜」
「っ!こっちはふざけてるんじゃない!」
「こっちだってふざけてないですよ」
あゆはマイク越しでもわかるほど声音を下げた。
「だから今先輩に選択を与えてるんです、どっちにするかを」
「どっちも嫌──────」
「どっちも嫌なんて言わせないです・・・先輩がその決断をするまでずっとご飯を抜きにしますからっ!」
「えっ・・・!?」
ずっとご飯抜き・・・?
・・・いや、でも落ち着け、だとしても1日だけだ。
1日・・・1日ご飯がないのを耐えるのと尊厳を捨てるのかと言われたら、俺は尊厳を守る。
「あっ、もしかしてどうせ1日で済む、とか思ってます?」
「・・・え?」
「今回だけは、絶対に先輩にはどちらかを選んでもらいます」
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