第710話ただいま非日常
「ただい──────」
「先輩!どこ行ってたんですか〜?」
「うわっ、帰ってきた・・・死ねば?」
「お帰りなさい、最王子くん」
予想はしてたけど1日家を留守にしただけで散々な言われようである。
「せ〜ん〜ぱ〜い!!1日中も白雪先輩と結愛先輩と霧響ちゃんの4人でどこ行ってたんですかぁ〜!!」
「えっ、えぇっと・・・」
「どこでもいいでしょ?」
初音が俺とあゆの間に割って入ってくる。
「白雪先輩には聞いて無いです〜!先輩に聞いてるんですぅ〜!」
「ねぇそんなことより早く死んでよ」
「・・・良くそーちゃんに死ねなんて軽々しく言えるよね」
今度は結愛が俺と小姫さんとの間に割って入ってきた。
・・・なんだこのいかにも戦闘が勃発しそうな空間は。
「まぁまぁ、今は朝ですしご飯を食べませんか・・・?」
天銀がこの場を収めるために言う。
だが、結愛は不満そうに口を開いた。
「待ってよ、そーちゃんにこんな暴言吐いておいてお咎めなしなんて無理に決まって──────」
「そ、そうだな!そろそろお腹も空いてきたし、そうしよう!」
が、俺もすぐに天銀の意を汲むために合わせる。
「うん、そうだよね!やっぱりお食事は大事だよねっ!」
結愛は途端に意見を変えてくれた。
「・・・・・・」
「・・・ふんっ!」
初音、結愛、小姫さん、天銀はそれぞれリビングとキッチンに向かった。
「先輩、後で話がありますからね」
そう俺の耳元で囁くと、あゆもスキップ混じりに後続として続いた。
「・・・はぁ」
家に帰ってきて2分ぐらいでこの疲労か・・・昨日も昨日で疲れまくったけど今日からはさらに疲労感が増すかもしれないな。
先のことを考えるとさらに気がどっと重くなってくる・・・やめておこう。
俺がキッチンい行っても確実に邪魔にしかならないため、大人しくリビングへと向かう。
リビングにはあゆと小姫さんがいる。
1、2を争うレベルで嫌な空間だ。
俺はそれを見て引き返そうとしたが、暴言と共に足を止められる。
「何その感じ、うざいんだけど、ってかキモイんだけど、覗き見てどっか行くとかやめてくれる?あ、もしかして温泉とかで竹と竹の間に穴があったらこっそり覗こうと思うタイプなわけ?キモ〜」
この通り、ちょっと戻ろうとするだけでこの罵倒様・・・周りに誰も居なかったら泣いてしまってるかもしれないが、そもそも周りに誰も居なかったら俺が泣くハメにも会っていないだろう。
「ち、違いますよ、ちょっと忘れ物を取りに行こうとしただけで・・・」
あくまでも、敬語で。
「犯罪者はみんなそう言うくない?」
「そーですよそーですよー!」
ここぞとばかりにあゆが野次馬のように騒ぎ立てている。
・・・後で話があるとか言われたけど俺の方にも後で話すことができたな。
「・・・あ、そう言えば、あんたの部屋すごいことになってるけど、大丈夫?」
「・・・え?」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます