第711話おかえり日常
「お、俺の部屋がな、なんだって・・・?」
「だから、あんたの部屋やばいことになってるよって」
「・・・・・・」
俺はすぐに走り出し自分の部屋に向かう。
本当にたった1日家を空けただけでなんで空き巣被害にあったようなことを言われないといけないんだ!
俺は文句を垂れつつも自分の部屋のドアを開けた。
すると・・・
「な、なんだよこれ・・・!」
俺の部屋の壁一面にグラビアアイドルと思わしき人のポスターが貼られていていた。
「な、なんでこんなことに・・・」
俺の後を追ってきていた小姫さんの方を振り返り、俺ははっとする。
「まさかっ!小姫さんがこんなことをしたのかっ!?」
「ひぃぃっ、ち、違うよぉ、わ、私が君にそんなことするはずないでしょぉ・・・?ほ、ほら、それ見てよぉ」
小姫さんは机の上に何枚も置かれている小切手サイズのものを指さした。
なんだ・・・?
俺はそれを手に持ってみると、これをやった犯人がわかった。
「あゆ〜!」
机の上にあったのは、俺とあゆのプリクラ捏造写真だった。
「せんぱ〜い、どうしたんですかぁ?そんなに熱狂的に私の声なんて呼んじゃってぇ〜」
「良く出てこれたな!!」
「あっ!それ一度は言ってみたいセリフですよねっ!」
「っ!こっちはふざけてるんじゃない!どういうつもりなんだこれは!?」
俺は部屋一面を見渡しながら言う。
本当に最悪だ。
「えぇ〜?それは先輩が昨日無理やり通話切ったからですよ〜、通話中に無理やり通話を切ってその相手を不機嫌にしたならこのぐらい当たり前じゃないですかぁ〜?」
「だからって男子高校生の部屋をこんなにするな!」
「むしろご褒美じゃないですかぁ?」
「っ・・・」
だめだ、あゆと言い争ってる場合じゃない。
今はとにかく初音がこの部屋を見る前にこれを片付けるところから考えないと。
それにしても・・・
「それにしたって多すぎるだろ!」
「私を蔑ろにしたんですからこのぐらい普通ですよ〜」
本当に最悪だ。
どうする、初音たちがご飯を作り終えるまでにこれ全部を片付けるなんてかなりハードだ。
「私が手伝ってあげてもいいんですよ〜?土下座するなら」
「誰が土下座なんてするか!」
「・・・仲良いの?」
「はい♪」
「良くない!」
俺とあゆは同時に真逆の答えを答える。
「あっ、そうだ!小姫さん、今暇だったり・・・?」
「・・・暇だけど?」
「だったら手伝ってくださいお願いします!!」
「・・・・・・」
俺が頭を下げるが、返答がない。
・・・ん?聞こえなかったか・・・?
「さ、小姫さん・・・?」
「なんでこの子にはあんな雑な対応してたのに私にはそんな畏まるの?」
俺はそう言われ、返答のために顔を上げる。
「な、なんでって・・・と、年上だから?」
「・・・ねぇ、ちょっとどっか行って」
「・・・んぇ?んぁ?私ですかぁ?」
「そう」
「は〜い」
あゆは小姫さんに言われるとすぐにどこかに行った。
「・・・で、人払いまでして俺に何を──────」
「私にも敬語なんて使わないでもっと雑にお願いしてよ〜!」
「は・・・?」
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