第702話失敗か成功か
「いっつもいっつも良い所だけ奪って!自分の力じゃそーくんを手玉に取れないからって!この泥棒卑怯女!」
「うるさい!力でそーちゃんを御することしかできないくせに!この女の成り損ね!虫!!」
2人とも発言内容が酷すぎる。
「大体そーちゃんが私で気持ち良くなるのは普通のことなんだからそんなに怒ることないよね?」
「は?そんな世界なら用無いからそーくんと心中して来世でまたそーくんと楽しくするよ」
「死ぬなら自分1人で死んでよ、なんでそーちゃんを巻き込むの?」
「私が死ぬときはそーくんも死ぬなんて当たり前に決まってるでしょ?何言ってるの?」
「それを当たり前だって言ってるのがおかしいの」
それはそうだ。
やっぱり結愛は常識人・・・って、全然常識人ではないな、うん。
本当にそろそろ俺の物差しというものがだんだんと狂ってきている気がする。
将来仕事した時とかに人間関係に悩まされないことを祈ろう。
「何がおかしいの?」
「・・・こんなこと話し合っても仕方無いね」
結愛はこの話が合いが意味をなさないと思ったのか、ここで話を一旦終えた。
俺としてはもうかなり前から意味がわからなかったが。
「ねぇ、そーくんは何さっきからだんまり決め込んでるの?」
「・・・え?」
ここでいつも通り俺にも矛先が向いてしまう。
「今回の件はそーくんにも問題があるんだからね?ほとんどそーくんのせいなんだからね?」
「違うよそーちゃん!自分を責めないで!そーちゃんが私で気持ち良くなるのは普通のことなんだからっ!」
まさに今俺の目の前には天使と悪魔の2人がいるらしい。
「その・・・」
どうする、ここで何をどう答えたところで絶対にどちらかの反感を買うことは避けられないだろう。
何かこの状況を活かしつつ俺に都合の良い展開にする方法は・・・そうだ!
「や、やっぱり俺なんかにこういうことは早かったんだと思うんだ、今回のことでまた深く反省して、この失敗を次に活かすためにも、今後はもっと落ち着いてゆっくりと、順序立てて行くべき───────」
俺がラノベ譲りの文章力でなんとかこの状況を次に活かそうとするが・・・
「は?今回失敗したからこそ、これからすぐにその失敗を回収するために行動に移すんでしょ?」
「・・・え?」
「そーちゃん、さっきも言ったけど、そーちゃんは何も悪いことなんてしてないの、だから失敗だなんて言わないで・・・」
「あっ、いや・・・」
2人の感情が真逆すぎて俺はどっちにどう対応すれば良いのか反応に困ってしまう。
失敗・・・と言わなければ成功、になるのだろうか。
・・・わからない。
・・・が、ここでアニメとかで良く聞くセリフを放っておこう。
夜はまだまだ長い、と。
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