第680話両親の婚期
「初耳だ!!こ、高校生の内に婚約って、え!?」
「そんなに驚くことかな〜?」
「驚くことに決まってるだろ!?高校生の内に婚約ってことは、結婚できる年齢・・・父さんが18歳になったらすぐに結婚したってことだろ?」
父さんと母さんは同年齢で、結婚できるのは女性が16歳、男性が18歳から・・・高校生の内から婚約してたってことは、結婚できる年齢になってすぐの年齢、つまり18歳ということになる。
「うん、そうだよ?本当なら17歳の時に妊娠して、お父さんが18歳になった時すぐにそーくんを産みたかったんだけど、お父さんが子供を作るのはどうしても18歳になった後だってうるさくって、結局そーくんを産んだのは19歳になっちゃったの」
それはそうだろ・・・っていうか母さんがここまで婚約とか結婚とかに対して積極的だったとは・・・
告白したのが母さんからっていうのは昔聞いたことがあったけど、父さんのことだからなんとなく承諾して、母さんのことだからなんとなく結婚したみたいな感じだと思ってたけど、全然違ったんだな。
「って母さん!婚約とか結婚とかっていうのは高校生の内にするのは俺も反対──────」
「すごいっ!!」
「・・・え?」
隣から、感嘆の声が聞こえてくる。
「すごいですっ!お父様の反対を押し切って婚約して結婚まで持っていけたなんてっ!!尊敬します!!」
「ちょっ・・・」
そんなところ尊敬して憧れられても俺に被害が来るから非常にやめていただきたい。
「そうかな〜?」
「はいっ!良かったら参考までにどうやってそーくんのお父様を説得したのかとか聞いてみたいですっ!!」
「それは──────」
「ちょっ、ままま待った!御子響、そ、それは別に言わなくても良いだろ?」
「え〜?せっかく初音ちゃんが聞いてきてるのに〜?」
なんで会って間もないはずなのにそんなに打ち解けてるんだ。
「あ、あぁ・・・だ、だって、あんなこと初音ちゃんに言ってもいいのか・・・?」
「別に良いと思うよ?」
「ここには明もいるんだぞ?」
「・・・・・・」
父さんがそう言うと、母さんは静かに俺の方を向いて沈黙した。
「・・・そうだね」
「・・・ん?」
なんで俺がいると都合が悪いんだ・・・?
「初音ちゃん、また・・・今度ね?」
「・・・はいっ」
初音は何かを感じ取ったような間を空けてから承諾する。
「あっ、でね?婚約とかの話はまた今度詳しくするとして、今日は明くん含めきーちゃんと初音ちゃんと結愛ちゃんがお泊まりすることになったんだ〜!」
「そ、そうか」
父さんは特段嫌そうではないが、特に喜んでもいなそうだった。
それよりも顔が少しだけ青ざめていることの方が気になるな。
「じゃ、じゃあお、俺はちょっとご飯を食べる」
「ご飯・・・?父さん昼ごはん食べてないのか?」
もうそろそろお昼と呼ばれる時間は過ぎそうな時間なのに。
「え、あ、あー、あぁ、まぁ、な・・・」
そう言ってリビングを過ぎ去ってキッチンに向かった父さんに。
「あっ!待って!私がいないと何もできないんだからっ!!」
と言って母さんが父さんを追うようにしてキッチンへと向かった。
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