第677話そーくんのお父様
私は着替え終わった後、すぐに玄関に向かって階段を降りていた。
そーくんのお父様、どんな人かなぁ。
やっぱりそーくんのお父さんだから、かっこいいのかな?それともそーくんと同じで、ちょっと抜けてたりするのかな?
はぁ〜!楽しみ〜!
「っ!そーくんのお父様っ!」
私は階段を降りていると、すぐにそれらしき人影が見えて、好奇心が抑えられなくなったため、階段から一気にジャンプしてすぐに玄関に行く。
するとそこには、そーくんの面影のある顔の男性がいた。
「初めましてっ!そーくんのお父様っ!」
「え、あ、あぁ、初めまして・・・君が、初音、ちゃん・・・?」
「わぁ〜!私のこと知ってくれてるんですか!?」
「あ、あぁ、さっき明から──────」
「嬉しいですっ!そーくんのお父様っ!」
「・・・あぁ」
私はそーくんのお父さんの手を取って言う。
─────私はこの瞬間、確信する。
そーくんのお父様はそーくんと少し顔も似ていて、匂いも似ていることに。
そーくんと似てるってことは、もし万が一のことがあったら・・・
「そ、それにしても、明・・・」
ん〜?
そーくんのお父様は、そーくんにだけ聞こえるように言ってるつもりかもしれないけど、意図せず私にまでギリギリ聞こえるような声量でそーくんに話しかけた。
「な、なんでこんな綺麗な子を恋人にしたんだっ!」
「は、はぁ!?」
き、綺麗・・・!?
えっ!?綺麗って!?私のこと!?
そうだよね!?そーくんの恋人って私のことだよね!?
っていうか私以外にいないもんね!?
いたら殺すしかないもんね!?
「し、知らないって、だ、大体俺の恋人がどんな人でも父さんには関係ないだろ?」
「関係無いわけないだろ!?・・・明、今まで隠してきたけど実は──────」
「お父〜さん♪何明くんとこしょこしょ話してるの〜?」
そーくんとそーくんのお父様がこしょこしょ話していることに気づいたそーくんのお母様が笑顔で何を話してるのかを聞きに入る。
・・・それにしてもそーくんのお母様は綺麗だなぁ、流石にいくら浮気しちゃうそーくんでもお母様と浮気することはないだろうけど、あんなに綺麗だとちょっと心配しちゃうなぁ・・・
・・・それにしても、関係なくないって、どうしてかな。
「な、なんでもないって、はは・・・」
「・・・・・・」
何かを誤魔化すときの表情も言葉遣いも、本当にそーくんそっくり。
・・・良かった。
強いて言うなら、そーくんよりちょっとお体が大きいことぐらいだけど・・・そこも大丈夫。
もしそーくんのお父様が気難しそうな人だったらどうしようってちょっとだけ不安だったけど、ここまでそーくんとそっくりなら・・・大丈夫だね。
だってそーくんのことは、私が一番わかってるんだもん。
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