第673話総明の責任
「お兄様!今の泣き声は一体─────ななな!何してるんですかっ!」
「えぁっ!?」
俺が責任を取ると決意したところで、突然霧響が部屋に入ってきた。
「お、お兄様!な、何をしているんですかっ!そ、それに白雪さんも・・・!」
霧響は初音の胸元に手近にあった布を被せると、俺の方に真っ直ぐ向き直った。
・・・霧響に見られてしまったとしても、今更。
「霧響・・・これは俺の責任なんだ、だから──────」
「ままま待ってください!どうしてしまわれたんですかお兄様!お兄様らしく無いですよ!今お兄様が何をしようとしてるのか、ご自分でわかっておられるのですか!?」
「・・・わかってる」
「お兄様がこれまで散々否定してきた子作り行為ですよ!?子作り行為!!」
「だ、けど、俺には責任が──────」
「何を吹き込まれたのか知りませんがっ!お兄様は白雪さんに騙されてないにしても良いように操作されていますっ!はぁっ、お兄様が私以外の女性の生乳を・・・!あぁぁぁぁぁ!!」
霧響は何かを呟くと、突如頭を抱えて呻き始めた。
「お兄様っ!とにかく!今見たものは全て忘れてくださいっ!特にっ!白雪さんの体に関する全てっ!そしてその更に特にっ!白雪さんのお胸に関しては全てっ!忘れてくださいっ!わかりましたかっ!?」
「・・・ん?わ、悪い、今、なんて・・・?」
「ですからっ!白雪さんの胸に関する全てを忘れ───────」
「っ・・・はぁ」
「・・・え?お兄様・・・?」
そんな霧響の声とともに、俺はもちっとした感触を顔全面に受けて・・・意識を絶った。
ー初音Partー
「・・・お兄様!?お兄様!!」
霧響ちゃんが私の胸に顔を埋めたそーくんの体を揺さぶったりしている。
・・・そーくんが寝ちゃったならもう泣き演技もいらないね。
あ〜!それにしても惜しかったなぁ〜、霧響ちゃんがいなかったら今頃・・・でも仕方ないよね〜、あそこで私がいつもみたいに霧響ちゃんに反応したらそーくんに泣いてたことが演技だってバレちゃうし・・・
それなら今回私が泣いたことを強く印象付けて、次に繋げる方がずっと賢いよね♪
「・・・そーくんは寝ちゃったね〜」
「寝ちゃったねじゃないですよ!お兄様に生乳まで見せておいてっ!なんて羨ましいっ!・・・じゃなくてっ!よくも私が少し油断してしまった隙にこんな真似を・・・!」
「霧響ちゃん、今の見てたでしょ?今のはそーくんから私にシてくれようとしてたの」
「それは白雪さんがお兄様をそう思考するように誘導したということは見ただけでもわかります!お兄様があそこまで性に対して素直になるなんて白雪さんがそう誘導したとしか考えられません!」
「ひっ、うぅぅ、霧響ちゃん酷いよぉ〜、私がそんなことするわけないよ〜」
私は煽りの意味を込めて泣き演技をしてみる。
「私はっ!お兄様とは違ってっ!そんなものではっ!騙されませんからねっ!?むしろお兄様がそんな演技に騙されたことに少し悲しみがあります・・・まぁそれもお兄様の優しさ故なのでしょうが、こんな簡単に騙されていては・・・お兄様の将来が心配です」
そこに関しては本当にそう。
まぁ今回みたいに私にだけ騙されてくれるなら良いんだけど、将来的に詐欺師・・・ううん、それならまだお金で解決できるからマシにしても、女に騙されたりしないかが本当に不安。
一応何度もそーくんには警告してるけど、今日の感じで行くとまだまだ全然ころっと騙されちゃいそうだなぁ・・・
私は私の胸の上で寝ているそーくんの頭を抱きしめるようにしながら、そーくんのことは何があっても私が守ると心の中で改めて決意していた。
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