第646話初音の行動力
・・・・・・。
私は今焦っている。
多分今までにないぐらい。
なぜなら、霧響ちゃんがここに今、来ているとそーくんのお母様が言ったから、だからこそ私はすぐに行動することにした。
そーくんと結婚する上でそーくんの家族からの私に対する信頼は必須、そーくんのお母様とお父様からは信頼を得られたとしてももし霧響ちゃんが私に対して不審な思いを口にしたら私はそこで・・・終わる。
「っ!」
認めたくないけどあの女はそーくんの幼馴染でそーくんの家族からの信頼っていう部分だけでいうなら私よりも秀でてる・・・
そんな状態でもし霧響ちゃんが「白雪さんの本性は・・・」なんて言われたら私は多分そーくんと正式に結婚することができない。
別に最悪そーくんのご両親に結婚を認めてもらえなくてもそうなったらそーくんを監禁して誰の目にも止まらないところに連れていけば良いだけ。
────でも、一応法律で守られた関係はあったほうがいい。
それに、そーくんも私と結婚したとなれば他の女と話したりしないはず・・・
「なんとか霧響ちゃんを誘導しないと・・・」
私は霧響ちゃんに余計なことを喋らせると私にとって不都合な展開になるため、すぐに霧響ちゃんがいるであろうリビングに向かう。
さっき来たなら玄関の可能性もあるけど、霧響ちゃんの性格だったらただ玄関で待ってるっていうよりも─────
「・・・白雪さん?」
・・・やっぱり。
こうしてリビングの机の上を整えてるって考えたほうがよっぽど筋が通る。
「霧響ちゃん」
私は霧響ちゃんの隣の椅子に座り、口を開く。
「霧響ちゃんは、お母さんとは仲良いの?」
「・・・お、お母様?え、えぇ、まぁ・・・?」
霧響ちゃんは質問の意図が分からず、疑問の声を漏らした。
「そうなんだー、良かったねー」
「・・・・・・」
「でねー?今霧響ちゃんのお母様と、私とあの女どっちが結婚するかってことについて話し合ってるんだけど、霧響ちゃんはどっちが──────」
「お兄様と結婚するのは私です!!」
「・・・・・・」
他のところでは大人な感じなのにそーくんとの結婚の話になるとすぐムキになって・・・そういうところも姉としては可愛いっちゃ可愛いんだけど今は余計かな。
「霧響ちゃんのお母様はそれを認めてくれるの?」
「・・・い、いつか認めていただきます!」
「そーくんは嫌がるんじゃない?」
「お兄様にも、いつか納得していただきます!!」
「そーくんが納得なんてするかな?現実的じゃないよね?」
「そ、それは──────」
「ねぇ霧響ちゃん、ここからは私の提案なんだけど───────」
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