第634話結愛と母さんの会話

「そーくんそーくん!今私良いこと思いついたんだけど!」


「な、なんだ?」


 母さんと結愛が洗い物をしている間に、初音が元気良く良いことを思いついたと言ってきた。


「このお泊まりの間に、そーくんのお母様に私たちがえっちしてるところ見てもら──────」


「良いわけないだろ!それだけは本当にダメだ!!」


「え〜」


 親の目の前で彼女とそんな変なことをさせられるなんて羞恥以外の何物でもない。


「別に早かれ遅かれ私とすることになるんだし、誰に見られれても関係無いと思うよ〜?」


「いやいやあるある!全然関係ある!!」


 人にそういうことをしてるところを見せるっていう発想がもう怖い。


ー結愛Partー


「手伝ってくれてありがとね〜結愛ちゃん!」


「い、いえいえ!全然大丈夫です!」


 そーちゃんのお母さんと2人きり・・・料理の時は色々とすることがあって気にならなかったけど、洗い物なんて単調なことしてるとやっぱり緊張する・・・!


「あっ、そうだ!結愛ちゃんにちょっと聞きたいことがあるんだけど〜」


「はっ、はい!」


「明くんと初音ちゃんが結婚する〜って言ってるのはさっきも言ったと思うけど、結愛ちゃんはそれには反対なんだよね〜?」


「そう、です・・・」


 そーちゃんは私と一緒になるんだから、あんな虫なんかと結婚なんて有り得ない。

 ・・・憧れのそーちゃんのお母さんの前で緊張するけど、ちゃんと私は今もそーちゃんと結婚したいって言わないと・・・!


「・・・じ、実は・・・」


「ん〜?どうしたの〜?結愛ちゃん?」


「その・・・わ、私は今でもそーちゃんと結婚をしたいと考えてます・・・!」


 言った・・・?言ったよね!?

 今私ちゃんと言えてたよね!?


「そうなんだぁ〜!明くんは人気者だね〜!」


「・・・・・・」


 そーちゃんのお母さんからしたら自分のことのように嬉しいかもしれないけど、私からすればそーちゃんに人気なんて出てほしくない。

 そーちゃんの魅力に気づいたのが私だけだったら、本当にどんなに良かったんだろ・・・


「ん〜、でもそっかぁ〜、私としては結愛ちゃんのことは昔から知ってるし応援してあげたいけど、やっぱり明くんのことは明くんが決めないとだもんね〜」


「そう、ですね」


 そーちゃんのお母さんがそーちゃんに全てを委ねてるなら、やっぱりそーちゃんさえどうにかあの虫から解放できれば、晴れて私とそーちゃんは未来永劫一緒になれる。

 霧響ちゃんとかあの子とか色々他にも問題はあるけど、あの虫さえどうにかできれば後のことは解決できるし・・・


「・・・あの2人が婚約したいって言ったら、どのぐらいの期間で許可しますか?」


「ん〜?即答だよ〜?私としては明くんに何も意見させないくらいなお嫁さんが良いの、私がそうしたいみたいにね♪」


「・・・・・・」


 私はそんなそーちゃんのお母さんの言葉を肝に銘じながら、頭の中でそーちゃんをあの虫から救い出すシミュレーションを何度も行った。

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