第592話初めて後の一段落

「そーちゃん、とりあえずそーちゃんのお家に帰ろ?・・・あっ!私のお家でもいいよ!?むしろ私のお家に来て欲し──────」


「そーくん、他の女の言うことなんて聞いたらダメだよ」


「・・・・・・」


 なんで俺は初めての快楽を味わった直後にこんな修羅場を迎えてるんだ?

 さっきまで快楽を味わっていたはずの俺の体も、今はただただこの状況に疲れていると言っているような気がする・・・


「・・・は、初音、い、一旦家に帰らないか・・・?」


「・・・は?私よりこの女の意見を尊重するの?」


「い、いや!別に誰が言ってるとかじゃなくて、普通にちょっと疲れたというか・・・」


「・・・一回だけでそんなに疲れちゃうんだね・・・」


 初音はそう小さくこぼすと、俺の意見を承諾したらしく言った。


「そうだね、疲れてるなら無理しない方がいいよね」


 そう言って俺の隣に来て俺の背中をさすりながら、俺の耳元に顔を近づけて言った。


「今度こそ、絶対に邪魔が入らないところでいっぱいシて、鍛えてあげるね・・・❤︎」


「ぃっ・・・」


 俺は背中をさすられる感覚を覚えながら、俺は初音に対して恐怖していた。


「ちょっと!そーちゃん疲れてるんだったら虫なんかに触られたらもっと疲れちゃうでしょ!」


 結愛は初音のことを無理やり俺から引き剥がした。


「そーちゃん!こんな虫なんて放っておいて早く帰ろ?」


 結愛は強引に俺の腕を取──────


「って!待て待て待て!俺たちまだ下着なんだから出られるわけないだろ!?出るにしても後ちょっと待ってくれ!」


「・・・え」


 すると結愛はまるで今初めて俺が服を着ていないことに気付いたかのように言った。


「そーちゃん・・・本当ならそーちゃんの体を生で見れてものすごく喜ぶところだけど、そのそーちゃんの体をそんな簡単に虫なんかに見せちゃダメだよ?」


「か、簡単には見せてないって・・・」


 なんで俺がそんな軽い感じだと思われてるんだ・・・


「・・・ごめんね、言い方を変えるね、こんな虫なんかにそーちゃんの裸を見る権利も資格も意味も無いからこれからは見せちゃダメだよ?私のいないところで私のそーちゃんが視姦されてると思うだけで吐きそうになっちゃうから・・・」


「は?私のそーちゃんって何?私のそーくんなんだけど」


「え?虫にはやっぱり聴覚がついてないのかな?あっ、ごめんね、聴覚以前に記憶保存と思考力が皆無なんだね・・・」


「いつも似たようなことばっかりでそれ以外に何か──────」


「・・・・・・」


 始まってしまった・・・

 これから数時間後、初音と結愛の言い合いが一段落したところでとっくに着替えていた俺といつの間にか着替えていた初音は、結愛に言われるがままに家に帰ることとなった。

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