第589話初めての快楽

「・・・っ、そ、そーくん!」


「・・・ん?」


 下着を脱ごうとしていたはずの初音の声が、なんて言うか・・・俗に言う可愛い感じの声になった。


「は、恥ずかしいからちょっとだけ目瞑ってて!」


「・・・えっ?あ、あぁ、わ、わかった・・・」


 俺は初音も普通の女の子の観点を持っていることに少し安心しつつ、しっかりと目を瞑った。

 そして・・・


「い、いいよ・・・そーくん❤︎」


 初音は心の準備ができたのか、俺に目を開いても良いよという合図をかけた。

 ・・・が、残念なことに俺の心の準備ができていないため、まだ目を開けることができない。


「・・・そーくんも恥ずかしいの?」


「ま、まぁ・・・」


「じゃあそーくんが目を閉じてる間に挿れちゃうよ?」


「えっ!?ま、待て待て!」


 初音はそう言うと本当に俺のそれを握り、挿れようととしてきたため、俺は目を開けそれを止める。


「でもどちみちそーくんどこに入れれば良いのかとかわからないでしょ?だったら、私がコントロールしてあげようなかなぁって思ったんだけど」


「い、いやいや!そのぐらい知識として知ってる!」


 俺だって一応高校2年生だ、そのぐらいのことは当然知っている。


「じゃあ・・・挿れて?」


「わ、わかっ──────っ!?」


 そ、そう言えばさっきは勢いで目を開けたから意識して見てはなかったけど初音の・・・


「・・・・・・」


「そっ!そんなに焦らさないで!」


「え、あ、あぁ・・・」


 焦らすつもりはなかったけど、なんて言うか・・・見惚れてしまった。

 俺は知識としてだけ知っている初音の言う挿れるところに自分のそれを─────


「あっ❤︎ちょっと擦れ──────」


`ドクッ`


「ぅっ、ぁぁぁ・・・」


 ─────瞬間、俺の脳に感じたことのない電撃が走った。

 いや、脳だけじゃない、下半身を主に全身に・・・

 何度も・・・来る・・・ぅっ。

 ・・・でも、気持ち、良い、かもだ・・・ぁぁ。


「・・・えっ?これって・・・!?」


 初音は珍しく本当に驚いたような顔で俺のことを見ている。

 ・・・っていうか本当になんなんだ、この感覚は・・・力が抜けるっていうか・・・何かが出てるような──────


「えぇ!?そそそ、そーくんのっ!こここ、子種!?なな、なんでっ!?こ、擦っただけだよね・・・?!えっ、まっ、待って、こ、溢れちゃう、も、もったいないよ〜!」


 初音は本当に珍しく慌てたような感じで鞄からよくわからない化学用具のようなものを取り出し、俺から出たらしい子種を慎重に吸収し───────


「・・・って、え?子種・・・?」


 ・・・・・・え。

 も、もしかしてさっきの気持ち良さって・・・


「・・・嘘だろ!?」


 俺は少しの間、頭の回らない頭でできるだけ状況を整理してみることにした。

 ・・・というより、状況を整理することで頭がいっぱいいっぱいだった・・・

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