第585話初めては2日後
「・・・ちょ、ちょっと待──────」
`チクッ`
「痛っ!」
初音は包丁の先端を俺の腹部に当てた。
服の上からでも普通に痛い・・・
「次は無いよ」
「・・・・・・」
どうやら初音は試すなんていう言い方をしていたけど、実際は試しなんていう生易しいものでは無いらしい。
「きょ、今日は色々会って疲れてるから、ま、また今度はどうだ?」
「・・・また今度っていつ?明日?」
「え、あ、あー・・・体力の回復を考えて2日は欲しいな・・・」
「・・・じゃあ2日後シてくれるんだね?」
「あ、あー、あぁ」
当然承諾するしかない。
「うんっ、じゃあこのまま2日間待とっか」
「・・・えっ!?」
そ、それは流石にまずいな・・・
「もちろん食べ物とかはあげるから安心して?」
「い、いやいや、それ以前にこんな拘束された状態でって言うのが普通に厳しいというか・・・」
「だってその拘束なかったらそーくんなんてどうなるかわからないよね?」
「ど、どうなるかって・・・?」
「ちょっと外出ただけですぐ浮気しちゃうでしょ?」
「そ、そんなわけないだろ!」
ちょっと外に出るだけで浮気できるほど俺がモテるわけがない。
「・・・とにかく、何が起こるかわからないから私の目から離れないようにするためにここに拘束しとくの、食べ物食べれば体力も回復して元気になるでしょ?」
初音は主に俺の下半身を見ながら言った。
「・・・そ、そうだけど・・・お風呂とかはどうするんだ?」
「そーくんの匂いはいつでも最高だから気にしなくていいの」
「・・・・・・」
まずい、これは非常にまずい。
やっぱり全然お試しなんかじゃない、初音はこのまま本番まで行く気だ・・・
「で、でもこの状態じゃ眠れないし、体力回復を目的にするなら逆効果だと思うんだ」
と、ここで俺にしては割といい切り返しの言葉が浮かんできた。
・・・が。
「お薬で眠らせてあげるから大丈夫❤︎」
と言う普通では絶対に返ってこない返答が返ってきた。
「ま、待て待て!?ま、また薬なんて使ったそれこそ逆効果だろ?」
「んー、じゃあ・・・そうだっ!」
すると初音は俺の左手の拘束を外し、自分の右手首と俺の左手首を手錠で繋いだ。
「これなら、そーくんは私から離れられないよねっ❤︎」
「え・・・」
「はぁ、2日間家じゃないところにそーくんと駆け落ち・・・❤︎添えなどがでその2日後にはそーくんと初夜を・・・❤︎あぁ、何この夢見たいなシチュエーション・・・❤︎」
「・・・・・・」
こうして俺は本当の意味でずっと初音と一緒の生活が始まることになった。
・・・2日後、初音の言う初夜を逃れることはできないだろう・・・
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