第574話好きにして

 ・・・雨がちょっとずつだけど止んできてる!

 この調子で粘り続ければ・・・と、思ったけどこれ以上粘るのは多分もう不可能だな・・・


「そーくん、もう紐はさっきそーくんが解いてくれたからあとは下げるだけで脱げるからねっ!」


 と、しっかり初音がアドバイスというかどうすれば良いのか、どうして欲しいのかを遠回しに説明してくるため、それをやらなければ今少しだけ取れている主導権もいつもの様に全て初音に取られてしまい、俺は弱肉強食の摂理のままに初音に食べられてしまうだろう。

 ・・・性的な意味で。


「そーくん、何してるの?」


「あ、い、いや、悪い」


 だから俺は初音に言われたままにするしかない・・・

 俺は初音に言われるがままに初音のワンピースを脱がせ、初音は正真正銘下着姿になった。

 ・・・もう先がない。


「あぁっ❤︎そーくんに脱がされちゃったぁっ❤︎そーくんに脱がされちゃったよ〜!」


 と、初音は嬉しそうに叫んだ。


「じゃそーくん、次は──────」


「ま、待て初音!初音が下着姿になったなら次は俺も下着姿になるべきだろ?」


 本当は下着姿になんてなりたくないけど、これも雨止むまでの時間稼ぎのため・・・!

 だが、初音は俺の服の袖を握っていう。


「そんな必要ないよっ!まずはそーくんが服を着たまま私をいっぱい虐めてからだよっ!」


「え、い、いやいやいや、お、俺はやっぱりお互いが同じ姿になってこその──────」


「それじゃ私が押し倒された意味がないのっ!」


 本人から押し倒された意味なんて問われても困るな・・・


「わ、わかった、じゃ、じゃあ次はどうすれば良いんだ?」


 俺が呆れ混じりに聞くも、初音はそんなことには気づいていないのかさっきのままのテンションで言う。


「えっ・・・❤︎」


 すると初音はこの前にも見たようなポーズ・・・ベッドの上で俺の方を向き、両手を広げながら言った。


「そーくんの・・・好きにして❤︎」


「・・・・・・」


 俺はなんでこんな下手なセリフというかなんというかを聞いてるんだ・・・でもこれも薬のせいなのかそれとも単に俺が興奮してるだけなのかはわからないが、少しくるものがあるな・・・

 ・・・まぁ、好きにしてなんて言われても経験値がない俺は何をどうすれば良いのかわからないし、そもそも何かをするつもりもない。

 俺としては雨が止むまでの時間稼ぎさえできれば・・・


「そーくん」


「・・・・・・」


 ・・・もう時間稼ぎはどう考えても無理そうだな、すでに初音は下着姿で俺が何かするのを初音が待っている状態・・・

 こんなところまで来てしまったら、たとえ雨が止んでも「雨が止んだからもう雨宿りはやめてコンビニに傘を買いに行こう」なんて言っても無駄だろう・・・


「・・・・・・」

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