俺の転校先の学校の隣の席は完璧美少女元カノだったー嫉妬さえ失くしてくれたら完璧美少女なのに〜

第566話結愛は劣ってる？

「それに、あの虫にできなくて私にできることってたくさんあるよ？」

「た、例えば・・・？」

「そーちゃんとの思い出話とか、私の方がそーちゃんに優しくしてあげたりとか、このお胸でそーちゃんにご奉仕してあげたりとか」

　最初の2つに関しては分かるにしても最後のやつは特に考えないようにしよう。

「むしろ、そーちゃん的に私があの虫に劣ってるところがあるところがあるなら教えて？」

「え？え、えーっと・・・」

　劣ってるとかどうとかって言われてもな・・・

「べ、別に劣ってるところは無いんだけど・・・」

「じゃあなんで私じゃダメなの？」

「そ、それは・・・」

「・・・それとも、そーちゃんにはあの虫がしてるみたいにちょっとだけ恐怖っていうのを植え付けてあげないといけないのかな？」

「・・・え？」

　きょ、恐怖・・・？

「私は今まで極力そーちゃんに怖がってなんてほしくなかったからそーちゃんに怖いことはしてこなかったけど」

　まぁ・・・あの変な記憶を無くす薬を除けば確かにそうだな。

「ゆ、結愛・・・？」

「・・・あの虫がしてきて、私がしてこなかったことって恐怖で縛り付けることだけだもんね、そーちゃんはもうその恐怖っていう縛りがないと恋ができなくなっちゃったのかな？もしそうだとしたら本当にあの虫の弊害どころの話じゃないけど・・・仕方ないよね」

「え、ちょ、ちょっと待て？別に俺は恐怖を望んでるわけじゃな──────」

「そーちゃんはどうやってあの虫に恐怖を植え付けられてきたのかな？今まで何をされてきたのかな？それを上回ることをすればそーちゃんは私の恋人になってくれるのかな？」

「だ、だから待ってくれって、別に俺は怖いことを望んでるんじゃなくて・・・じゅ、純粋に恋愛を──────」

「じゃあもしかしてだけど、そーちゃんは私があの虫よりそーちゃんのことを想ってないって言いたいの？」

「えっ・・・」

　すると結愛は珍しく怒ったような目つきを俺に見せた。

「そ、そうじゃないんだけど・・・」

　なんていうか・・・表現が難しくて言葉が出ないな。

「そうじゃないなら純粋な恋愛って何？大体あの虫がしてることなんて純粋な恋愛なんていうのとかけ離れてるよね？」

「・・・・・・」

「だからさっきも言ったけど、もうちょっとそーちゃんは自分の感情に素直になった方がいいと思うよ？」

「自分の感情に・・・？」

「うん、あの虫が怖くて別れを切り出せないなら私が手伝ってあげるし、とにかくどんな形でも私のことが好きっていう感情に素直になった方がいいの」

　そ、そうなのか・・・？本当に俺は結愛のことを・・・