第554話初音の免罪符
「・・・ん、んー❤︎」
初音はむくりと体を起こして、目を擦りながら起きた。
「あっ、そーくん❤︎おはよっ!」
「・・・お、おはよう」
「あれ?なんか元気ないよ?」
「・・・・・・」
元気がないのは当然だ、なぜなら食欲、睡眠欲、性欲という人間の三大欲求の全てとこの一晩中ずっと戦っていたからだ。
夜中になってくるとお腹が空いてきて、眠りたくても媚薬のせいで隣にいる初音の寝息とか肌とかの感触とかも異様に感じて性欲を刺激されたりしてきて自分を制するのに手一杯だった・・・
ついでに言うとたまに初音が触ってきたりもして本当に苦行だった・・・
なんでいつもは両手足が拘束されてるのに今回は手が拘束されていないんだともちょっと思ったけどこれは多分・・・
「んー、襲われた形跡はないねー、残念・・・」
・・・俺に初音自身を襲わせるためだろう。
本当に鬼だ。これなら両手足拘束されてる方が精神面ではまだマシだな。
「あっ❤︎そーくん、そろそろお着替えしないとね」
「そ、そうだな・・・」
そういえば三大欲求との戦いで忘れてたけど、俺今腰にタオルを巻いてるだけでほとんど裸なんだった・・・そうだ!
「じゃ、じゃあ着替えるためにちょっとクローゼットに行きたいからこの足の拘束解いてくれないか?」
「何言ってるの?私が着替えさせてあげるから安心していいよ❤︎」
そういうと初音はクローゼットに行ってすぐに服を選んで俺のところに持ってきた。
「じゃあお着替えさてあげるね❤︎」
初音は俺の腰に巻かれているタオルを下ろ─────
「って!なにナチュラルに下ろそうとしてるんだ!」
「え?お着替えするならまずは下着からじゃないの?」
「い、いや、そうだろうけど・・・自分で着替えるってことだ!」
「・・・そーくんは私の話聞いてなかったのかな?私が着替えさせてあげるって言ったんだよ?」
「え・・・」
こうなった初音に対しては何を言っても逆効果にしかならないか・・・
「じゃ、じゃあせめて目を閉じて着替えさせてくれ」
「・・・何度言えばわかってくれるの─────・・・うん!わかったよ!そーくんも見られたら恥ずかしいもんねっ!」
「そ、そうだ」
初音は何かを言いかけたところで、すぐに俺のお願いを聞いてくれた。
・・・これなら最悪着替えさせられたとしても目を瞑ってるならまだ恥ずかしさも軽減されるだろう。
初音は約束通り目を閉じながら俺の腰に巻いているタオルに手をかけて、それを下ろした。
「・・・・・・」
「は、初音?な、何してるんだ?」
初音は俺のタオルを下ろすと、一瞬固まった。
「ねぇそーくん、一瞬目開けても良いかな?」
「な、なんでだ!?」
「そーくんの下着がどこにあるか分からないから・・・」
なるほど、それで目を開けるのが狙いなのか。
だがそうはいかない。
「ほら、これが下着だ」
俺は初音がさっきすぐそこに置いていた下着を初音の手に置く。
「うん!ありがとっ!」
初音は目を閉じながら俺にお礼を言うと、その下着を広げて俺に履かせようとする─────が。
「ここかな〜?」
「ちょっ!」
初音は目を閉じながら俺のそれを触った。
「な、何してるんだ!」
「え、何って?私何か触っちゃったの?目閉じてるからどこからそーくんにこの下着を履かせてあげれば良いか分からないの・・・」
「えっ・・・」
すると初音は目を閉じているという免罪符を手に俺のそこを弄り始めた。
「お、おい!着替えさせる気ないだろ!」
「あるよ?でもそーくんが目閉じてって言うからどこに触っちゃっても仕方ないよね?もしそれでナニかをナニかしちゃっても仕方ないよね?」
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