第552話初めての場所
「そ、そーくんも元気みたいだしっ、そ、そろそろ初めて・・・しちゃう?」
いや、元気じゃないです。
むしろ今ちょうど溺死させてくれと思ってました。
「ま、待て、そうだ!お風呂場が初めてでいいのか?」
「・・・え?私はそーくんとならどこでもいいよ?」
「い、いや!前に雰囲気を大事にしたいって言ってただろ!?だったらせっかくの初めてなんだしもっとちゃんと考えよう!」
「私との初めてをそんなに考えてくれてたんだね・・・!わかったよ!私ももっと考えるね!」
そう言ってから一泊置くと、初音はすごい勢いで話し出した。
「じゃあ初めてはどこがいいかな?やっぱり一番安心するお家かな?それとも雰囲気を大事にするならホテルとか?高級なところでも私が出すから気にしないでねっ!あっ、それともそーくんは野外がいいかな?それともネット配信しながらとか・・・?それいいかもねっ!それならそーくんは私のだって全世界にも伝えられるし、本当に公開しながら初めてしちゃう!?」
・・・最初の安心する家っていうのと雰囲気を大事にするホテルっていうのはわかるにしても野外は論外だしネット配信しながらなんてもっと最悪だ・・・
きっとそんなことしたらSNSでトレンド入りして何百万人に見られてしまうことになるんだろう・・・それならまだ自分の歌とか黒歴史が公開される方が幾ばくかましな気がする・・・
「普通に家かホテルで良い!」
「そっか・・・そうだよね!ごめんね、興奮して変なこと言っちゃった、冷静に考えたらそーくんとの時間は私とそーくんだけの時間にしたいよね、他の人間になんて見せたくないよね、どうかしてたよ・・・」
初音は落ち込んだように言う。
「そ、そんな気にするなって、初音が俺のことを大事に思ってくれてることはわかってるから」
「っ!そーくんっ!」
そういうと初音は押し倒している俺に体を密着させて抱きついてき──────
`むにゅ`
「あ・・・」
初音は今上半身裸の状態、そんな状態で俺に密着するぐらい抱きついてくれば、初音の生の胸が俺に直に当たることになる。
そしてそんなことを急になんの前触れもなく経験すれば、当然性的な意味での女性権権がない俺は・・・
「・・・・・・」
「・・・あれ?そーくん?そーくん!」
混乱しまくって何も考えることができなくなってしまい・・・
「・・・・・・」
「・・・え?こ、これだけで気絶しちゃったの!?」
・・・・・・
「・・・ちょうどよかったかもね、さっきはかっこいいこと言ってくれてたけどそれでも監禁することは変わらないし、私に監禁されるために眠ってくれたのかな❤︎」
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