第550話嫌な振られ方
「は、ははは、初、初音・・・!?」
「し、ししし、白、白雪さん・・・!?」
奇しくも俺と霧響は似たような反応をしていた。
「・・・そーくん、これがそーくんがバカにした私の胸だよ?」
「へ、へ!?だ、だから俺はバカになんてしてないって!」
「じゃあ実際生で触ってみてどうなの?」
「え、えーっと・・・」
・・・ここで嘘をついても多分初音の直感なのか女の勘なのかよくわからないけどとにかくそういう反則的なものによって感知されてしまう可能性が高い。
ここは正直に言おう・・・
「その・・・や、柔らかくて良いと、思う・・・」
「っ❤︎」
初音がついさっきまで生気のない雰囲気を出していたのが嘘だったかのように顔を赤くした。
「も、もっと無茶苦茶にしても良いんだよ?痛いぐらいに──────」
「ちょっと待ってください!それ以上は看過できま─────」
「ねぇ霧響ちゃん・・・」
初音は下にいる俺のことを見ていた顔を、下にいる俺からは見えない角度まで顔を上げて、霧響の方を見て言った。
「看過してあげてるのは私、霧響ちゃんがそーくんの妹だからお姉ちゃんとして優しくしてあげてるの」
初音がそういうことを言う度に毎回思うけどその寛容さをもうちょっと俺に分けてほしい、特に浮気面に。
「でもいつもいつも良いところで邪魔してくるならそろそろお姉ちゃんもそろそろ許してあげないよ?」
「は、初音、何をするつも─────」
「安心して、そーくんの妹だから殺したりはしないよ」
普通は恋人の妹だからとか関係無しに人を殺すなんて発想にはならないはずなんだけどな・・・
「殺害される筋合いはないです、私のお兄様を汚したのですからそちらこそご覚悟していただきたいですね」
「覚悟?そーくんに初めてを捧げる覚悟ならとっくにできてるから安心して?まぁ、それは覚悟じゃなくてご褒美だけどね」
「そんな覚悟ではなく、痛い目を見る覚悟です」
「霧響ちゃん真面目そうなのに冗談も言えるんだね」
「冗談なんて一言も言ってないです」
「・・・・・・」
おいおい、待て待て、こっから先の展開はもうちょっと嫌な予感しかしない・・・
「それに、何度も言っていますがお姉ちゃんと言うのであればもう少し胸部を大きくしていただきたいですね」
「あれ?霧響ちゃんには聞こえてなかったのかな?さっきそーくんが胸が大きすぎると食用のホルスタインと間違えて人の女として見れないって言ってたよ?」
「・・・え」
そんなこと一言も言ってない・・・
「お兄様はそんなこと言っていません」
どうやら霧響もちゃんとわかってくれたらしい。
・・・言い間違えにしても食用のホルスタインなんて言い方は絶対にしない。
「え?そーくん、言ってたよね?」
「・・・え、え?」
な、なんでここで俺に振るんだ・・・!
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