第548話総明は褒め間違える
「・・・・・・っ」
や、やっぱり恥ずかしい・・・!
っていうか本当に何をコンプレックスに思ってるのかわからないけどこっちは比べるほど今まで見たことがないんだ!
これがまだネットとかで見たことがあるとかならマシかもしれないけど性的なことを知識として知った中学生の時はすでに霧響に色々と管理されてたから本当に見たことがないんだ!
当然そんな俺は初音の胸が小さいだなんて一度として思ったことはない。
強いていうなら結愛と霧響が規格外すぎるだけだ。
「や、やっぱりまだ無理だ!」
俺はそんな人間なため、すぐに視線を逸らしてしまった・・・が。
「そ、そーくんが初めて私の胸ちゃんと見てくれた・・・嬉しい❤︎」
どうやら初音はそれでも喜んでくれたみたいだ。
「これであとは胸を触ってくれちゃったりもしたら思い残すことは子作りとそーくんの表情コンプリートとそーくんの細胞を全部収集─────ぐらいなんだけどなぁ・・・❤︎」
初音はまだ続けようとしたが、流石に長くなると思ったのか3つ目で中断した。
・・・思い残すこと多すぎるだろ!
「・・・あとそーくんに関わろうとしてきた女全員殺すぐらいかな」
そこだけ声音を変えるのやめてほしい・・・
・・・そうだ!そういえばかなり前に記事で性行為中とかはできるだけ相手を露骨にでもいいからとにかく褒めることが大事だって書いてた気がする・・・
ここは俺も褒めることに専念してみよう。
「は、初音・・・」
「どうしたの?そーくん、早く気持ちよくして欲しいの?」
「い、いや、そ、そうじゃなくて・・・き、綺麗だった・・・」
「・・・綺麗?」
「そ、その・・・む、胸が・・・」
普通に考えたら気持ち悪い発言だけど恋人からなら気持ち悪いとはならないかもしれない・・・
「・・・そんな言葉で私のこと籠絡できると思ってるの?」
ダメだったか・・・
「もっと褒めて?」
「・・・え?」
「綺麗だけじゃわからないからもっと褒めて・・・!」
と、初音は頬を赤く染めて照れながらいった。
「え、えーっと・・・か、可愛い・・・?」
「・・・は?」
・・・あれ?
ついさっきまで頬を赤くしていた初音が、急に光の無い目になった。
「な、なんか変なこと言ったか・・・?」
「・・・今可愛いって言ったの?」
「え、そ、そうだけど・・・」
・・・え?可愛いって普通に褒め言葉のはずだよな・・・?
「・・・それって私が初めてそーくんのを見たときに可愛いって言ったことの腹いせで私の胸が小さくて可愛いって言いたいの?」
「・・・えっ!?ち、違う違う!なんでそうなるんだ!俺はただ──────」
「もう遅いよ」
そう言うと初音は俺の両腕を押さえて正気の無い目で見つめ、明らかにそう言うことをしようとしていた。
「初音、俺は本当に──────」
`バタン`
・・・え?
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