第521話初音とレンタル彼女の口論
「・・・は?」
初音はその少女の発言に疑問・・・というよりかは怒りを覚えたらしく、少女に対して怒りと疑問を込めた言葉を漏らす。
「だってあんたさっきからバカの一つ覚えみたいに性行為したいしか言ってないじゃん、だったら別に他の男とでもいいんじゃないって言ったの、そういうのキモいし」
きっと初音に対してここまで言えるのはこの広い世界を探してもこの人ぐらいだろう。
「理解力足りないみたいだから言うけど、私は性行為したいからそーくんといるんじゃなくて愛を形で手に入れるためにそーくんと性行為したいの、わかる?」
「相手がどう思ってるかも考えてないのに愛とかいうワード使うのやめてくれる?こっちまで恥ずかしくなりそ」
少女は薄く笑いながら言った。
「は?もうすでに恋人なんだからお互いの愛があることは確認された上で私は言ってるの、そんなこともわからないのに口出ししないでくれる?」
「見た感じお互いに愛があるから恋人になったんじゃないんでしょ?」
「愛がないのに恋人になれるわけないでしょ?」
「別に恋人になるだけなら愛なんて要らないし、高校生にもなって愛とかいうワード真顔で出してくんのがキモいし、冷める」
・・・相変わらず俺に人権というものがなくなっていることはともかくとして、この2人の言い合いに関しては正直どっちの意見も一理あるという感じに聞こえるので例え俺に人権があったとしても何も言うことはできなかっただろう。
「はぁ、そーくん以外の意見なんてやっぱり聞くだけ無駄だね、そーくんっ!早くホテル行こ!」
「えっ・・・」
「ほら、そうやって気持ち悪いぐらいにぐいぐい行くからその子も反応に困ってるじゃん」
「は?これは嬉しすぎて私がなんて言ったら喜ぶかを必死に考えてる時のそーくんなの、何も分かってないのに口出さないでくれる?」
どれだけポジティブに考えたらそんな解釈の仕方ができるんだ・・・初音は本当にポジティブの時とネガティブの時の差が激しいな・・・
「キモッ、相手のこと何も分かってないくせに分かった風な感じ出してるのがキモい」
「・・・そーくん、やっぱり今この女の目の前でキスして」
「え、え!?さっきその話は無しに─────」
「私だって他の女にそーくんとのキスを見られるなんて嫌だけど、それ以上にこの女の発言と態度が不快だから黙らせるためにするの、それに私も・・・そーくんとキスしたいし」
最後の部分だけ少し照れながら初音は言った。
・・・いや、そんな照れながら言われても前の言葉のせいで台無しにも程がある。
「じゃあ、そーくん、キスし──────」
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